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相場
「こちらが指定された素材の料金表になります」
一は渡された料金表を見て目を剥いた。
そのほとんどが数百万単位、比較的安いものでも数十万はする。
「こっ……こんなに……するものなんですか、情報って……」
一は恥を忍んで問いかけた。
女性は予想していた反応だったのか、一瞬目を伏せたが顔色も変えずに言い放った。
「いいえ」
「えっ」
「指定された素材の情報が特別高いものばかりだっただけです」
確かに一でも、詳細こそわからないが、最初にリストを渡された時高ランクダンジョンのレアドロップ級だと感じた。
当然、その価値、そのランク帯を考えると妥当な金額なのかも知れない。
とは言え、現時点の手持ちではどうしようもないものばかりなのだが……
それでも、一は料金表に目を走らせた。
そして、すぐに気づいた。
一つだけ、明らかに情報料がおかしい素材があった。
それも、低いほうで。
「これ……『ミラクルキノコ』って、情報料100円なんですか?」