62/146
ご利用は計画的に
「連絡先……」
支払いがあるから当たり前と言えば当たり前なのだが、
一は女の子どころか、人と連絡先を交換するのが久しぶりすぎて、緊張した。
ましてや、瑞葉は見た目だけなら秀でている。
そんな相手に連絡先を交換しようと持ちかけられる事自体初めての体験だった。
「……うん、じゃあ、支払いの準備が出来たら教えて」
とは言え、瑞葉のほうは淡白なものだ。
当たり前なのだが、あくまで、取引相手でしか一を見ていない。
「支払い……あ、分割って出来ますか?」
「そうね、1億づつならいいわ」
「い、1億……」
「十分割よ?これでも月一回くらいのペースなんだけど」
「う……」
確かに一年経過すれば利子がつくことを考えれば、それ以内に払い切りたい。
最初の2回は慣れるのに二月かかるとして、以降は月一回で一年で完済するペースではある。
(だけど、一回1億だなんて……)
「ま、いいわ。
利子のことを考えたら少しでも返しておきたいってことでしょ?今回は1000万から受け付けてあげる」