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これから、のこと
「言わんとすることはわかりました。
とは言え、どちらかと言えば『格闘家』のままレベルアップしたら良かったというだけで、『魔法使い』じゃ絶対ダメだって訳でもないですよね」
「それは……絶対ダメなんてことはないけれど」
「わかりました。次回以降の参考にはします。
今はもうレベルアップしてしまった以上、過ぎ去ったことを気にしても仕方ないですから」
「……」
ふぅ、と瑞葉は一呼吸吐いて落ち着きを取り戻した。
「それもそうね。あとは不動くん次第でしかない」
「ええ、頑張ってみます」
「言っておくけど、もうパンテナ草集めなんかじゃ、到底支払いには間に合わないからね。
ついでにやるくらいは止めないけど」
「……う」
その通りなのだが、一には目下の生活の不安がある。
(よし……じゃあ、あとで、ここのモンスターを狩ってみよう。
倒せる水準にあるなら、それをメインにパンテナ草集めもついでにすればいいし、ひとまずの生活費には出来るはず)
と、そこで瑞葉はある事に気づいた。
「あ、そうだ。不動くんと連絡先交換しとかないとね」