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レベル2という歪み
「うん。ま、思った通り魔法使い系の能力上昇になってるね」
「あ、確かに」
「不動くん、このこと知らなかったでしょ?
レベルアップのステータス上昇は職業で左右されるって」
「はい」
やっぱりそうだよね、と瑞葉は呟いた。
それの何が問題なのかわからず、一は首をかしげる。
「不動くんの場合さ、魔法使いとしてレベルアップしたから、MPの最大値もあがった訳だけど、これ宝の持ち腐れなんだよね」
「えっ……」
「ま、ほぼ無尽蔵に魔法を使えるって意味では悪くはないかも知らないけど、このステータスに見合った強力な魔法は使えないじゃん」
「!」
「魔法攻撃力が上がったことで、威力は上がっただけど、
『ファイアボール』も『アクアバレット』も初歩的な魔法で、消費が少ない代わりに威力もあまりない。
強敵と戦う時に、燃費が悪くとも高威力魔法で一気にカタをつけるってことが出来ない。
ジリ貧に陥りやすくなる」
「それは……でも、『格闘家』のままでも同じことになったのでは?」