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天才少女

「不動くんが10億の支払いを"諦めたら"契約違反になるね」

「諦めたらって……自分の意志どうこうじゃなくとも、

やってる内に無理だと感じたら、挫折を感じたら、どうなるんですか？」

「……？」

瑞葉は理解出来ていないようだった。

「えっと、自分の意思どうこうではなくとも、これは無理だなってこと、ありますよね？」

「そんなことあるの？」

瑞葉は本気で言っていた。

まるで、人生で一度も挫折を味わったことがないとでも言うように……

「……ええ、あるんですよ」

「ふーん、面倒くさいわね。

じゃあ悪いけど、精神干渉させて貰うわ」

「は……え？」

「暗示をかけさせて貰うわ。

そうすれば、どんな状況でも諦めることはない」

「精神干渉……暗示って……」

「大丈夫よ。この件に関してだけ、それ以外のところを弄ることはないし、10億を払いきれば自動的にこの暗示は解除されるわ」

「……あなたのスキルで？」

「ええ、そうよ」

瑞葉が信用出来る出来ないもそうだが、そんな能力まであるのかと一は愕然としていた。