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プロローグ:単純な計算

 しかし、運命は一をダンジョンから遠いところにおいては置かなかった。


 交通事故による両親の他界。


 そして、唯一残った肉親、妹の二葉(ふたば)の難病の発覚……


 高校を中退し、働くことを選択した一が、

 自身の生活費と妹の治療費を稼ぐ方法は、ダンジョンしかなかったのだ。




 ――――



「わかっていたこととは言え……ジリ貧か」


 一は自分の部屋で項垂れながら、そう呟いた。


 一に出来ることは限られている。


 そもそも、一の能力では初心者御用達のダンジョンにしか入れない。


 いや、厳密には()()()()ことはない。


 ただ、生きて帰れる保証がないというだけだ。


 初心者用のダンジョンと言えど、狩れるモンスターからドロップするアイテムに需要がない訳ではない。


 ダンジョン内で採れる鉱物や植物が売れないということはない。


 ただ、効率が良くないというだけ。


 ダンジョン内のモンスターは狩りつくしたと思っても、

 時間が経てばどこからともなく現れ、ダンジョン内をうろつく。


 逆に言えば、際限なく狩れるということでもない。


 だから、一がいくら一日中ダンジョンにこもっても手に入るアイテムの数には限りがあるし、

 また、レベルアップということを考えても一日で多くても50Pに届くかどうかだ。


 9億6800万を50で割ったとしても1936万日……53、4年はかかる。


 一生をかけて、レベル2になれるかどうかという事実は一には絶望でしかなかった。

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