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一のニの価値

「それは大変でしたね……でも、10億って……」

「私との専契約取れるんだし、安いものと思わない？」

「……俺は売る訳じゃないんですよ。

その話聞いて、売っても10億以上になるとは思わないし」

「うん、だから、これは自分に使って？

もちろん、強制はしないけど、買うならその選択しかない」

「……と言うか、そもそも、買える金額じゃないんですが」

「うん、だからアレでいいよ。"出世払い"ってやつ？

まぁ、何が出世なんだって感じだけど」

「えっと……後払いってことですか？」

「そう」

「……俺が10億稼げると思ってるんですか？」

「レベルアップしたらね、それくらいが不動くんがレベル2になった時の価値になると思う」

「……一円も回収出来ずに、俺が死んだ時はどうするんですか？」

「その時は大人しく諦めるわ。病気の妹さんに請求したってどうしようもないだろうし、そこまで鬼じゃない。

でも、逃げることは許さない。

"契約"を交わして貰うわ」