47/146
生産者の憂鬱
「順を追って説明するわ。
通常の売値は1000万ほどね」
「1000万?!」
それでも一にとっては莫大な金額ではあるものの、
それでも10億請求されるのとでは全く印象が違う。
「うーん……でもねぇ、正直これには納得してないの」
「え?」
「まず、このレベルアップアイテム。
たまーに、めちゃくちゃ珍しいモンスターか、
高難易度ダンジョンのボスクラスのモンスターからレアドロするのを除けば、精製出来るのは世界で、私含めて3人……いや、4人だったっけ?まぁ、めちゃくちゃ少ないのよ」
「は、はぁ……」
(と言うか、そんなに貴重なスキルを持っているんだ……)
「材料費も馬鹿にならないから、こうして自分で集める訳だけどそれでも、労力に見合ってないって言うか……で、不動くんという存在を見つけて思いついちゃった」
「な、なにをですか?」
「うん、もう、他に売るのをやめて。
一番需要のあるところに一本化しようって」
「需要があるところって……否定はしませんけど」
「というか、転売やオークションとか私の知らないところでされてたみたいだし、
もう、売り止めしたかったんだよね」