46/146
ねごしえいと
「もちろん」
「も、もしかして、これを俺に……?」
「もちろん……だけど、慈善事業じゃないのはわかるよね?」
一はまぁ、それはそうだろうな、と内心でら落胆した。
でも、千載一遇のチャンスであることに変わりない。
「な、何をしたらいいんですか?」
「物わかりがよくて助かるよ。でも、条件は単純よ」
と、瑞葉は指で所謂OKマークを使ったかと思うと手の甲を下に向けた。
「か、金、ですか……」
(普通に言われるより、生々しいな。どことなく古臭いし……)
「そ。この上なくシンプルでしょ」
「だ、だけど、今の俺の経済状況知ってますよね?
いくら必要なんですか?」
「そうね……"不動くんなら"10億かな」
「じゅ、10億?!」
「うん、言っとくけど、10億"円"だからね?
ウォンとかジンバなんとかドルとかじゃなくて円。
まぁ、米ドルとかならそれでもいいけど」
「到底俺が払える金額では……というか"俺なら"って」