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捻りながら、打ち込む
「よし、あとはこれとこれを……」
一の目の前で行われる調合。
見ていても、一にはその技術を盗むことは叶わない。
そんな一とは関係なく、
瑞葉は右手左手にそれまで調合したものを乗せたかと思うと、
両手を合わせた。
「むむむむ!」
合掌というより、指の力も使って互いの手を離さないよう、反対の手の甲を指をかけて掴む。
なおも反発しそうになる、ところを……
「ぐいっと」
両手を捻るように中へと押し込んだ。
一には力技にしか見えなかった。
「うんうん、成功成功。あんな大見得きって失敗したらカッコ悪かったし、よかったー」
一は緊張からか、唾を飲み込んだ。
「せ、成功?って言ってましたけど……」
「うん、これが不動くんにとっては夢のアイテム……レベルアップ出来る薬だよ」
瑞葉は両手を開いて中を見せた。
中を見ると……
「あ、飴玉?」
「うん、まぁ、形はなんでもいいんだけどね。
私的にはレベルアップアイテムって言ったら飴のイメージが強いからそういう風に成形してるの」
「って事は、本当に……これを使う……食べたらレベルアップするんですか?!」