40/146
パーティ
一は説明しだした。
金に困っている現状……
両親の死、生活苦、妹の入院費用……
レベルアップが困難な自分の能力ーーを話たところで、瑞葉は慌てだした。
「ちょ、ちょっと、待って!
本当?レベル2に上がるのに9億以上が必要だなんて」
「嘘ついて、どうするんですか?」
「いや、にわかには信じられない。
見せてよ、ステータス」
「見せてよって……」
「パーティ申請送るから、繋いで」
『世界と繋がった者』同士が徒党を組む際、
『パーティ』を組むことで、モンスター討伐の経験値を分け合い、それぞれのステータスを確認することが出来る。
これを利用すれば、一は上位のパーティに寄生することでレベルアップをはかれたかもしれない。
しかし、受け入れるパーティ側にはメリットが薄い。
お荷物を抱えて、強敵を倒し続けなければならないのだ。
レベルアップしたところで、一を戦力とするには、契約で一を繋ぎとめなければならない。
そうしたところで、待っているのは奴隷契約だろう。
一はそれをよしとはしなかった。