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寸前
しかし、そんな一の思いを絶望に変えるようにメッセージウインドウが開く。
『ハイオークは凶暴化している』
「!」
「グゥ……ゥオオオオオオオッ!!」
片目をやられた怒りか、ハイオークは雄叫びを上げながら突っ込んでくる。
パターンは先程と一緒。
しかし、一はその気迫に一瞬気圧されてしまった。
「しまっーー」
思考が途切れてしまった。
そのせいで、死角に回り込むのが遅れてしまった。
いつのまにか、ハイオークに赤黒いオーラが発生していた。
(あんな状態……かすっただけでHP持ってかれるぞ)
咄嗟に死角に飛び込む。
砂塵が舞う。
初撃は躱した。
しかし、なりふり構わなかったせいで、地面に倒れこんだ一をハイオークが見下ろしていた。
「ぐっ……!」
「ガァアアアアアアアアッ!!」
ハイオークの棍棒が振り下ろされる。
ーーその瞬間だった。
「くらっしゅ」
ハイオークが"爆ぜた"。
果物を握り潰すと、果汁が吹き出したように、ハイオークの血が一に降り注いだ。




