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助言
そんなことは見ればわかる。
このメッセージウインドウとか言うのは本当に欲しい情報を教えてくれない。
「くっ……!」
咄嗟に構える一……だが、無理だ。
スキルも魔法も同じものの連続使用が出来ない。
クールタイムが必要なのだ。
そう言う風に出来ている。出来てしまっている。
だから、同じことをやろうとしても今この瞬間は不可能なのだ。
『ハイオークは右目を負傷している』
『tips:両目を負傷すれば暗闇状態になるぞ』
……ああ、それはいいことを聞いた。
状態異常という概念ながら、そこは現実世界に近しいということだ。
もっとも、今そんなものは何ら意味を持たない。
スキルのクールタイムである以上、同じ手段は取れない。
ハイオークの左目は無事なままだ。
(だが……)
それでも、右目は使えないのなら、戦いようはある。
もっとも、一の場合は逃げようなのだが……要は死角だ。
(左側に周りこめば……対応は難しいはずだ。
クールタイムさえ開ければ、もう一度……)