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「……」


 少女は、足でぐにぐにと跡のある箇所の土の感触を確かめる。


「……ついさっきって感じ。

 瀕死のヘルハウンドを無視して、草か花でも抜いた?

 変な奴もいるもんだなぁ」


 そう呟く少女だったが、その感情は喜怒哀楽でいうところの"楽"だ。


 まるで、新しい玩具を見つけた子供のように、こぼれる笑みを隠せずにいた。



 ーーーー



 その頃、一はかつてない僥倖(ぎょうこう)に身を震わせていた。


 ヘルハウンドから逃れるようにして、たどり着いた高原。


 そこはまさに、パンテナ草畑だった。


「は、はは……!まさか、こんな場所があるなんて……!!」


 そう、パンテナ草が畑に植えられた野菜のようにこの辺り一帯に自生していたのだ。


 怪我の功名とでも言うべきか、割に合わないリスクを取って、ヘルハウンドに近づかなければ、こんな場所には来れなかった。


 元々のルートとは別の方向へと、一は逃げていたのだ。


 偶然でしかないのだが、リスクに関するリターンの帳尻を合わせたかのようだった。


 ……しかし、それはまた逆も然りだったりするのが世の常だ。

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