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彼女?の真実
「フム……まァ、そういうカンガえかたもアル、か」
「……御託はもういいだろ。
答えろよ、何で人間に成り替わろうとする?」
「アあ……ソリャあ、人権ナンテものはあったホウがいいダロぉ?」
「人権……?モンスターに……いや、そもそも、お前はなんなんだ?モンスターなのか?」
「ソノ答えは、主観とスルか客観とスルかで答えはカワルダロうな」
「なに?」
「客観視スレば、ワタシはモンスターだと呼ばれるダロうな、カナシいコトに」
「と言うことは、お前は自分自身のことを人間だと思っているのか?」
「ソノトオリだよ」
「……」
一は口元に拳を当てて、視線を彷徨わせた。
そうして、思考を巡らせて至った推論に思わず、バンテージの隙間から見えていた手の甲の皮を噛んでしまった。
「思考や思想を持っているからって、人間だというのは暴論だ。
そうでないと言うのなら……何か理由があるのか……」
影は一の反応を見て、その口?らしき発声器官が三日月状に開いて、笑っているように見えた。
「ソウだ。ワタシは……いや"ボク"は元々人間だったんダ」