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好奇心は猫を殺す
「多分、だって?」
「まァ、様子は確かめテ見ないとワカラないかラ」
「どういう事だ?」
「……」
「おい!」
「……元々弱ってイタのを、拘束シテある。
まだ、イキがあるかはワカらないヨ」
「拘束……お前らが捕まえたってことか」
「マァネ」
「何のためにだ?」
「エ?」
「捕まえるってことは殺す訳にも逃す訳にもいかないってことだろ。
何のためにそんなことをした」
「……」
一は再び、人差し指を突きつける。
「正直に答えろよ?」
「……ナリカワル、ためさ」
「成り代わる?蘭堂の妹にか」
「あァ、そうすれバ、ワタシは"モンスターもどき"じゃなく、
人間とシテ生きることがデキるだロ?」
「人間として……?お前は一体……いや、何のためにそんなことを!?」
「……」
「またダンマリか!」
一は突きつけた人差し指を影の額に押し付けた。
「別にハナシたっていい。
だけど、イイノカ?"知ってしまって"?」
「……は?」