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不滅
「だとしたら、身体を変形させる能力か?
蔦もコイツの変化だったと考えられる」
「ふむ……アレがあったから、あの化け物に飛び道具……近接だけじゃないって思ったんだし」
「……」
(あれ、でもそれって……)
一は怪物の死体の方を見た。
それなりに時間が経っているが……
「……まだ、"消えてない"」
「え?」
一はしゃがみこんで、死体を覗く。
「ただのモンスターなら、消えてなくなるよな」
「!?」
「メッセージウインドウには出るが、正確に表示されない名前。
ダメージ表記が出ず、経験値も出ず、死体も消えない。
どう考えても、純粋なモンスターではないよな、コイツ」
「だったら、メッセージウインドウに表示されたのはなんなんだ?」
「わからないが、恐らく部分的にはモンスターなんだろう。
しかし、先入観なく見たら、コイツはただ身体の大きな熊みたいなものだった。
蔦を出していたのが、その影だとしたら」
「た、確かに……じゃあ、コイツは単なるデカい熊なのか?」
「いや、部分的にはモンスターだって言っただろ?
巨大なだけの熊ならそうはならないはずだ」