表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/146

詰め将棋 後編

ずぶずぶと突き進む左足。


貫通してしまうのでは、と一が思った瞬間、ギリギリのところで進行は止まった。


「ーー」


ギギギと、影は反撃を試みようと一に手を伸ばした。


「っ!」


(違う!人間なら、こんなことにはならないはずだ。

こいつはーー人外だ)


「うらぁあああっ!」


突き刺さった左足を支点に右足を振り抜く。


放った右の蹴りは影の頭を叩き、その場に叩きつけた。


「!ーー!?」


影はその軟体を利用して、跳ねながら距離を取ろうとした。


しかし、その後退を一が先程放っていた『ファイアボール』が燃え広がり、壁のようにして立ち塞がった。


逃げれない影の頭に一は指を突きつけた。


「『アクアバレット』」


水の弾丸を撃ち込まれた影はその場に崩れ、のたうち回るようにしていた。


「……やっぱりな。

そのスライムみたいな身体……不純物として水を中に打ち込んでやれば、構成を維持出来なくなったか」


今なら、簡単にトドメがさせる。


「……」


だけど、一はそれをしなかった。出来なかった。


人間でない確信を得ながらも、その確信を本当に信じていいのか、万が一その確信が誤りであったら、取り返しがつかないと思ったからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ