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プロローグ:運命の決断は容易く行われた

「キロ単価で12万……」


 とは言うものの、草の重さと採れる量を考えると1キロなんてとてもじゃないが、無理だろう。


「それをベースに量り売りで対応しますよ」


 つまり、100グラムで1万2千円……植物の生えるスピードを考えると大量に採取するのは困難に思えるが、逆にそこはゲーム的なダンジョンだ。


 時間経過で有用な素材は簡単に復活する。


(上手くいけば、大きく稼げる。余裕が生まれる……

 いや、装備さえ揃えれば、初心者用ダンジョンの少し上でも活動出来るんじゃないか?

 もしくは防具を買って生存率を上げれば、同じ方法で暫く稼げるかも知れない。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()……)


 時として、人は危険なギャンブルに挑む。


 一の心境はまさにそれであった。


 上級ダンジョンなど、今の一には死ににいくようなものだ。


 それでも、イチかバチかパンテナ草を回収して戻れれば、大きなリターンが待っている。


「……教えていただき、ありがとうございます」


「あ、はい」


 一は笑顔を作っていた。


 それが、死にに行く者の笑みだということを、知っているのは彼だけだった。

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