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奇妙な怪物
「いや……アレは明らかに常軌を逸してた」
「どういう意味ですか?」
「明らかにこのダンジョンのレベルのモンスターではなかった」
「それは……どうしてです?」
「まず攻撃力が違う。自分はこの辺の……そうだな、ハイオークの攻撃なら5発くらいは耐えられる。
しかし、アレは一撃でこちらのHPをごっそりと持っていく、回復せずに二撃目を喰らっていたら、死んでいた。
しかも、その威力の攻撃を範囲攻撃で撃ってくる」
「範囲攻撃……魔法か何かですか?」
「いや、"ツル"だ」
「ツル?」
「植物のツルをムチのようにして、広範囲に叩きつけてくるんだ」
つまりは蔓のことか。
「じゃあ、植物系のモンスターなんですね」
(森とは言え……この辺でそんなモンスターいたかな?)
「いや……どうだろう?」
「え?」
「アレは巨大な熊のようで、一見そんな攻撃を使ってくるようには思えんかったよ」
「……ところで、アレって、そいつの名前はなんなんですか?」
初見のモンスターであってもメッセージウインドウで表示されるはずだ。