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紅翡翠2nd  作者: 量産型ザコ
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能力者

今日の投稿です、少し不定期になってしまいますが、最近忙しくなって来たので出来るだけ頑張ります。

 その後も俺たちは映像を見ていた。先ずオーソドックスなスクランブルと言う競技は、10人のファイター達が、50個〜100個のクリスタルを集め、基本はガーディアンボールの中に預ける。競技終了時にこのガーディアンボールの中のクリスタル数と、味方が持って居るクリスタルの合算で、クリスタル保持数の多いチームが勝利となる訳だ。

 だが当然これだけではない、バトルしながら相手の持って居るクリスタルを奪う事も出来るし、一定以上の攻撃でガーディアンボールを攻撃する事で、中身のクリスタルをガーディアンボールから吐き出させる事も可能だ。

 相手から奪ったクリスタルはその場で奪い取る事が可能だが、ガーディアンボールから吐き出されたクリスタルは、元の位置にワープして戻る。



「成る程、基本的にガーディアンボールの中にクリスタルを入れる理由は、元の位置に戻るので、奪われるのではなく、味方がまたそれを回収する事が出来るからと言う事ですね?」


「それも理由も一つだが、それ以外にも理由が有る。細かい説明は向こうの養成所でされるが、先ずガーディアンボールには単体で攻撃能力が有る。一定以上の距離敵が近付くと、オートメーションで攻撃をする。これはかなり強い攻撃だ。他にはクリスタルを保持する事で、選手の移動速度が落ちて来る。当然バトルにも影響する訳だ」


「スクランブル以外の競技と言うのは?」


「ファイティングフライトには全部で3種の競技が有る。一つは今説明したスクランブルだ。そしてフラッグファイト、これは旗取り合戦だと思えば良い。次にフライトボールだ。

 次はフラッグファイトの説明をしよう。映像を見てくれ。

 この競技は至ってシンプルだ、自身の陣地に双方で旗が有る。この旗を双方で奪い合う。相手の旗を自身の陣地のゴールポストに立てれば勝ちだ。これは完全にチーム戦で、まずは自軍も旗を取られない様にする防衛の役目、相手の旗を取りに行く攻撃の役目だな。この競技は3本勝負で、3回相手の旗を取った方が勝ちだ」


「確かにシンプルね、自軍の旗を奪われない様にしながら、相手の旗を取って自軍にゴールポストに3本立てれば良いんでしょう?」


「そうだな、まあ当然相手は簡単に取らせてはくれないだろうが、理屈はそれで良い」


「フライトボールってのは?」


「これが一番難解な競技になる。まずこの映像を見てくれ」


「これは?」


「ファイターが持つレーダーの画面だ。ここに様々なデータが出る。これはスクランブルの競技をしているファイターの画面だが、上に有る数字、これは自軍がどれだけクリスタルを保持し、相手がどれだけクリスタルを保持しているかと言う数字になる、これによって今現在どちらが優勢かがわかる。そしてここにマーカーが有るだろう? このマーカーはファイターのマーカーだ。赤青に分かれているが、これは赤チームか青チームと言う事だ。どのマーカーがどのファイターかまではわからないが、この色分けで、自軍か敵軍かは判別出来る。そしてこのマーカーの数字だが、これは今そのファイターが何個クリスタルを保持しているかと言う数字になる。つまり赤チームだとしたら、このマーカーの味方が現在5個のクリスタルを保持しているので、援護に向かおう。とか、この青マーカーで有る敵が10個も保持しているから、こいつからクリスタルを奪おうと言う判断が出来る訳だ。

 この大きなマーカーが、ガーディアンボール、当然青が的のガーディアンボール、赤が自軍のガーディアンボール」


「ガーディアンボールの数字は、中に入っているクリスタル数ですね?」


「そう言う事。さてここからが問題だ、ここに真っ白な小さなマーカーが有るだろう? これは空中に浮遊している、まだどちらの陣営にも取られていないクリスタルを示す、つまりここに行けばクリスタルを入手出来る訳だ」


「ガーディアンボールから吐き出されたクリスタルはこの様になると言う事ですね?」


「そうだ、競技開始時もクリスタルはこの状態だ。入手したか、ガーディアンボールに入る事で色が変わって写される訳だ。次にフライトボールの開始直後の画面になる。フライトボールはスクランブルと同じ様に、浮遊しているボールを集めてゴールポストに入れる事で点数を入れる、玉入れとかバスケみたいな競技だ。このボールは時間内であれば、無数にあちこちに出現する」


「ボールが写っていない!」


「そうだ、つまりスクランブルと違う所は、取り合いではなく、どれだけ時間内に玉を入れたかと、画面上に最初はボールの位置が現れない事にある」


「現れるのはどう言う時なんですか?」


「次の映像を見てくれ」


「緑の球?」


「そう、これがボールだ。何故緑かと言うと、この球はファイターが持ったとしても、ゴールに入れなければどちらの陣にもならない。つまり入れなければ点数にならないと言う事だ。

 終了時に持っていても、ゴールに入れなければ点数にはカウントされないって事?」


「ビンゴだ、そして一度ファイターが持つ事で、画面にはゴールに入れるまで、画面上にボールは映し出される事になる」


「つまり出来れば探すより奪った方が早い」


「そう言う事だ、ボールはとりあえず最初は探すが、相手がボールを持ったらそれを奪いに行くのがセオリーだな。そしてもう一度開始直後の映像を見てみよう。スタート台にいるファイターとゴールの位置関係だな」


「逆か、つまりこれは完全にサッカーとかバスケの様に、相手を突っ切ってゴールを目指すって事か」


「そうなる、そしてこの選手に着目してみろ」


「相手のゴールに行ってるな」


「そう、つまりこれはまだゴールが閉まって居るからだ」


「ゴールが閉まって居る?」


「この映像を見てみな」


「あ! ガーディアンボール?」


「そう、自軍のゴールポストにガーディアンボールが入って居るだろう?」


「て事はつまり」


「ガーディアンボールを破壊しないとゴールポストを潜れない。つまりゴールポストが閉まって居るから、開けようとする相手のアタッカーを邪魔する為、ある意味キーパーの役割をする為に相手のゴールに行くって事だ」


「今アタッカーって言ったな?」


「じゃあ次はファイターの説明をしよう。サッカーやラグビーの様に、ファイターには役割が有る。サッカーにもFW、MF、KPなどの役割が有る様に、ファイターにも役割が有る。

 これはそのファイターの能力により分けられる。例えばわかりやすい所で行くと、恐らく林檎ちゃんはヒーラーになるだろう」


「ヒーラー?」


「回復役だよ。ファイターは大別すると、4タイプになる。先ずはスピーダー、これは移動速度重視のファイターだ。次に火力重視のアタッカー、そして防御力重視のタンカー、そしてサポート重視のサポーターの4タイプだな。

 そしてサポーターには更に分けると、ヒーラーとトリガーと言うのが存在する」


「トリガー?」


「その名の通り、罠、トラップを仕掛けるファイターだ」


「トラップとか有るのかよ」


「ああ、さっきのフグとかな…….」


「よくわかった…..そのファイターのタイプはどう決まる?」


「ファイターには専属武器と言うのが皆有る。それに実は能力が乗る事になるんだ」


「紅翡翠の能力が?」


「そう言う事だ、あの世界では紅翡翠は武器防具になったが、向こうではそれが専属武器と言う形になる。だが今まで剣だったから必ずしも剣と言う形を取るとは限らない。

 またその能力はファイタースキル、スペシャルスキルと言う形で発揮される事になる。特にスペシャルスキルと言うのはえげつない程どれも強力だ、これを見てくれ」


「な!? 何だこれ……」


「もう台風じゃない!? これは前大会で優勝したチームのとあるサポーターの選手のスペシャルスキルで、スィングトルネードと言うスキルだ」


「サポーターでこれかよ!?」


「これを見ろ」


「女の子!? 女の子がこの台風を造っているの!?」


「ああ、あのぶん回している巨大ハンマーでな……」


「女の子があんなデケエハンマー振り回してこの台風作ってるのかよ!? しかもサポーター?」


「これを見て解るように、スペシャルスキルというのは非常に強力だ。更に当然攻撃力重視のアタッカーの方がスペシャルスキルは強力になる。サポーターでこれだ、つまりこのスペシャルスキルを何処でどう使うか、これがこのファイティングフライトを制する鍵となる事は言うまでも無い」


「当然クールタイムは有るのよね!? じゃなきゃあんなののべつまくなしに出されたら命が幾つあっても足りないわよ」


「勿論だ、さっきのデーター画面を見てくれ、ここにゲージが2つ有るだろう? 先ずこれが書いてある通りファイターのHPを表している。これが0になる、イコール死亡を意味する。

 そしてこのゲージ、これはマジックポイントを表している。このマジックポイントがスキルを出せるポイントだ。全く無いとディスクも展開出来ないが、ディスクを展開させるMPは直ぐに貯まる。実はこのMPが満タンになって初めてスペシャルスキルが使えるんだ。

 MPが溜まる条件と言うのは、色々有る。普通に何もしなくても少しずつ溜まって行くが、これは微々たる物だ。スペシャルスキルが使える程はたまらない。

 大きく溜まるのは、ダメージポイントだ。ダメージポイントというのは自信がダメージを受けても一定数溜まって来るし、相手にダメージを与えても溜まる。このダメージポイントと言うのが一番大きく溜まる条件だな。あとはヒーラーの場合のみ、回復ポイントと言うのが有る。これは自身でも味方でも、回復すると溜まるポイントだ。これはヒーラーの場合攻撃力が弱く、ポイントが貯まりにくいことへの救済処置みたいな物だ。だがヒーラーのスペシャルスキルというのはとんでもない物が多い。これを見てくれ」


「この子、虹色に光っていない?」


「いや、それだけじゃ無い、味方のマーカー全部が虹色だ」


「これはやはり前回優勝チームのヒーラーだ。フルキュアライトというスペシャルスキルだが、どんなに離れて居る味方でも、味方全員に、20秒間凡ゆる攻撃を無効化し、凡ゆる状態異常を回復し続ける。勿論対象には自信も含まれる。更に回復率200%の回復魔法を1分間かけ続ける。回復量はその者の最大HPの20%だ」


「無敵状態じゃねえか!?」


「そう言う事になるな、つまりヒーラーが多い程、そのチームの生存率が上がるって事だ。勿論ヒーラーも攻撃力は有るし、割と移動速度が速いのもヒーラーの特徴だ。

 ようは紅翡翠同様、向こうにはマジッククリスタルと言う物があってな、それが登録した者の魔力特性によって変化するんだ。君達は紅翡翠が有るからそれが専属武器に変わり、能力を向こうで得ると言う形だ」


「なるほどな、ディスクってのは?」


「ではディスクの説明に入ろう。ファイターは全員4枚のディスクを持って居る。誰がどのディスクを持とうが構わないが、必ず4枚だ。スクランブル1時間、フラッグ20分、フライトボール30分間の競技で、ディスクのレアリティによるが、5分〜最大15分のクールタイムがディスクには有る。レアリティが高い程強力だが、クールタイムはレアリティが高い方が長い。

 スペシャルスキルと同様、このディスクの使い道にも勝敗の左右が別れる要素が有る。

 ディスクには大別すると、攻撃型、トラップ型、ヒール型、スピード型、ワープ型の5種類が存在する。またこのディスクにも様々な種類が存在するが、その辺りは養成所で習ってくれ。

 このディスクには魔物が封じ込まれて居る、これは魔物そのものではなく、魔物の残留思念の様な物だから、完全なる魔物というわけでは無い。その魔物の特性だけを入れてそれを展開すると言う訳だ。つまりこの世界にも魔物は存在して居ると言うわけだ」


「簡単に言えば、ディスクは増え続けるって事だな?」


「そう言う事、現存するディスクだけが全てでは無い、新たなディスクが生まれる可能性は大きいって事だ」


「ワープ型っていうのは? ワープする魔物が居るって事?」


「実際にその魔物がワープするわけでは無い。特性を利用するって言ったろ? つまりワープというのは、例えば群れる魔物の修正がある場合、それをディスクに入れると、味方の所にワープしてしまうという結果が現れたって事だ。後は巣に必ず戻る習性があれば、味方ゴールに行くとかな。魔物が持つ特性をディスクにしたら、結果それがワープになったという認識で良いだろう」


「曖昧だな…」


「結局ディスクに封じて見るまではわからないって事だ。説明はこんなもんでいいか? 詳しくは養成所でしっかりと教えてくれるからそこで習ってくれ」


「養成所って言うのは皆一緒に通うのかしら?」


「基本的に同じ場所だが、少年部、青年部、一般の3種類有り、少年部は8才〜14才まで、青年部は15才〜25才まで、26才以上は一般だ。青年部までは学校の様な勉強が有る。一般部は戦闘訓練とファイター訓練だけだ」


「戦闘訓練? ファイター訓練だけでは無いんですか?」


 ここでセイヨの顔がしまったと言う苦い顔になった、すみれさんのナイスツッコミだ。どうやらまだ何か隠していそうだ。





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