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紅翡翠2nd  作者: 量産型ザコ
1/8

翡翠同盟再び

 ここで行われる競技は、ファイナルファンタジー10のブリッツボールと、スマホゲームアプリ、キックフライトを参考にして、筆者が独自に考えた競技、ファイティングフライトとなります。


 どんな感じの競技か掴みたい方は、ファイナルファンタジーのブリッツボールと、この動画を見て掴んでください。

https://www.youtube.com/watch?v=DppOIVk-pFk

 あれから1年経った。あの激しい戦闘から1年、世界は未だ混沌として居る。


 コロナワクチンのデーター改竄やら、ロシアのウクライナ侵攻。陰謀論と言われた物が、次々と事実だった事が表に出始めて居る。俺たちはアライアンスに所属している為、それが何を示すのか情報は入っていた。

 俺たちは現在アライアンス軍と、機密保持契約を結び、普段通りの生活に戻っていた。機密保持契約とは、例の並行世界の事だ。ムールさんが言った様に、未だ世界は混沌としていて、今あの様な世界が実在して居る事を一般民衆が知ると、混乱が起こる。だから時が満ちるまで、内容を伏せておき、段階的にデクラスして行くと言う物だ。要はそれまで黙っていろと言う事になる。


 普段通りの生活は良いのだが、実は今までと少し違っている事も有る、それが今日だ。


「和也! 早くして! 遅れちゃうでしょう!?」


「わかったよ、ちょっと待ってくれって」


「お兄ちゃん! ホラハンカチ忘れてる!」


「いや、良いよハンカチなんて」


「それでまた洗った手をお尻で手を拭くんでしょう!? ズボンがいつも汚い!」


 静香は紅翡翠の能力で身体が強くなった。それからと言うもの、幼い時同様、俺と常に行動をしてくる様になった。更に俺の身の回りの事を以前にも増して煩く言う様になった。アフロ……癖だ、浩二のやつが俺の嫁とか揶揄って来やがる。

 

 今日は母さんの車で高速に乗り、都内まで行く。場所は港区青山、何と猫娘さんの家だ。凄い豪邸に住んでおり、完全なるお嬢様だった訳だ。今日は破竹サーバー大同盟のオフ会がそこで開かれる事になっていた。


 まあ当然いつも通り、傾国戦や群雄割拠、天下縦横などの放逐少女のゲームは行って居る。裏で運営を俺たちがぶっ潰したが、今は別の会社が引き継いでそのまま残された訳だ。これはアライアンスの中華支部が引き継いで居る。アライアンスは中国にも有り、実は習近….と、胡錦…..が争って居る。

 習がアライアンスで、胡錦….がDS共産党だ。


 一応俺たちの扱いだが、自衛隊宇宙軍の予備自衛官と言う扱いにまだされて居る。法的に、戦闘を行って居るので、そう言う扱いにして置かないと不味いからだ。



「あっ! 電話、静香出て頂戴」


「うん、ハイもしもし、あ、ハイ、娘の静香です」


 運転中は出られないので、代わりに静香が出たのだが、何か様子がおかしい。知り合いからの電話じゃないみたいだ。


「え!? その、何で? あ、ハイ、わかりました…..向かいます」


「何? 誰から?」


「自衛隊から…..任務だって、直ぐに市ヶ谷基地の統合幕僚本部に来る様にって….」


「ハイ!? だってあれは仮にって事だろう? 何で俺たちが任務を受ける必要が有るんだよ?」


「知らないよ! 詳しいことは来てから話すから、兎に角出頭しろって言うんだもん」


「私達だけ?」


「翡翠からは主力メンバー、他にも珍肉のもやしさん、ディアブロさん、一食の猫さんやあさぎさん、ムールさんは当然として、シナツさんもだって」


「…..兎に角言ってみましょう。ここで色々言っても何もわからないんじゃどうしようもないわ」


「でも宇宙作戦軍は府中基地だろう? 何で市ヶ谷なんだろうな?」


「統合幕僚監部からの招集だからじゃないかしら?」


「何か機密案件に関する事…..だよな、碌なもんじゃねえ」



 市ヶ谷に着くと、俺達は真っ直ぐに地下に有る、統合幕僚監部室に通された。そこには勿論浩二や、翡翠のメンバー、更には一食の猫さんやあさぎさん、本来今日猫さんの家に集まる筈だった者たちが勢揃いしていた。


「すまない、急遽君達を招集した事について説明の前に、自己紹介をしておこう。私は今後君達の直属の上司になる予定の、河野 久志1等空佐だ。まあ君達にはこう言えばわかりやすいかもしれないな。方 世玉(ほうせいよ)だ」


「んな!? まさか….」


「ああ、あのときは色々助かったぜ、シャオリン!」


「じゃあつまりあなたも?」


「アライアンスだ。今回この統合幕僚監部によんだのには一応色々理由もあるが、自衛隊も全てがアライアンス軍ではなく、当然DS側の奴等も沢山居る。特に嘉手納基地は全てがDS側の自衛隊だ。だからここに君達を招いた」


「つまり宇宙軍の有る府中基地にも」


「当然宇宙軍は全てアライアンスだが、航空自衛隊にもDSが潜んでいる。とりあえず私….こう言う硬いの嫌いなんだよな、ざっくばらんで良いか? 皆も適当でいいからよ」


「何かセイヨが私とか間抜けな気がするから俺で良いよ」


「お前に間抜けとか言われたくないわ。じゃあ本題に行くぞ、この映像を見てくれ」



 映像を見ると、何処かの都市の様に見えるが、発展しているのは都市部だけで、他はまるで中世ヨーロッパの様な街づくりに見える。ヨーロッパの都市でこんな風景を俺は見た事が無い。


「何処ですか? ここ? 俺はこんな都市見た事が無い」


「名前と顔がまだ一致してないから、ゲーム内のプレイヤー名で呼ぶぞ、そっちは理解してるからな。先ず今のアフロ君の言う通り、これは現在のタイムラインの映像じゃない、つまりあの世界の様な並行世界だ」


「並行世界! つまり、分岐した世界がまだ有るって事ですか?」


「そうだな、順を追って説明しよう。あの世界でDS達が逃げ込んだ場所が有ったのは知っているか?」


「もしかして、涼益州(りょうえきしゅう)ですか?」


「ビンゴだ。DS達はあそこから、一部を自分達の住みやすい世界を構築して行った。だがあの世界でそんな事をあの女帝が許す筈はない。そこで女帝は奴等に対抗する組織を造った。

 年月は流れ、女帝はDS達をあの世界から追い出す事に成功した。だがDS達はそこから違う並行世界を構築して行ったんだよ。そしてその世界とこの俺たちがいる世界が再び結合しようとしている。それが奴等の狙いだったって事だ」


「結合するとどうなるのかしら?」


「今アライアンス軍がほぼ様々な国家で勝利して居る。ゲサラも開始寸前まで漕ぎ着けた。だがもし結合してしまうと、第三次世界大戦が今までに無かった方法で起こされる事になる」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


※ネサラ/ゲサラ

https://tyuuta1.com/wadai76/


 これについては今後詳しく説明して行くが、一つの真実をデクラスすると、ケネディはこれを開始しようとして暗殺された。

 911テロもこれのホストコンピューターが世界貿易センタービルに存在していた事で、破壊された。


 量子コンピューター、つまりQFSシステムとは、今イーロンマスクが打ち上げて居る、スターリンク衛星システムを介してこれを実現させる為の、ニューロリンクシステム、つまりブロックチェーンシステムを使用する、新しい金融システムのホストコンピューターである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「やべえじゃねえかそりゃ!?」


「そこでアライアンス軍はこれを阻止する為に、この世界に新たな秩序を構築する事にした。そうすればこのDSの企みを阻止する事が出来る」


「具体的には?」


「先ずこの世界の良識有る者たちによる、国家建設だ。この都市部はその国家の中枢だと思えば良い。この国家をガルシア王国と言う。

 この世界には全部で16の国家が有る。その内DSの手中に有る国家は14、この14の世界では、俺たちの知る様に常に戦争と言う言う茶番がDS達により絶えず起こされて居た」


「起こされて居た。過去形で言う、と言う事は?」


「アライアンスが管理するこのガルシアと、女帝が送り込んだ、聖ラー女王国が協力し、国連の様な組織を形成したんだ。それにより、世界の安定は一応完成した。だが問題はここからだ。

 この世界の安定は、とある競技を10年に一度行う事で、辛うじて保たれて居る」


「とある競技? オリンピックみたいなもんでもやって居るのか?」


「まあそう言うもんだな、その勝利国家が議長国を務めて世界秩序を保つ。今までは当然ガルシアかラーが勝利していたからこそ秩序は保たれて居る。だがこの世界での3年後、また競技が行われる。そこでアライアンスが掴んだ情報で、とんでもない事がわかった」


「とんでもない事?」


「異星人、まあつまり南極の外の世界の者が、この世界に転生した。それも100人単位での大転生だ」


「やばいのか?」


「君達と同様の能力保持者だ」


「話が見えて来ました、つまり俺たちにこの世界へ行き、その競技にでろ、そう言う事ですね?」


「まあそう言う事だな、世界の命運がかかって居る、やってくれるな?」


「行くしかないわね」


「母さん、決断速えよ!?」


「迷う所じゃないでしょう? 私達の未来がかかって居るのよ? それにそれを阻止出来る能力者は私達だけでしょう? ならやるしかないじゃない」


「あなた達だけじゃないわよ」


 そこに、fightの能力を得た者達までが現れた。


「なのはさん!!」


「私達も行く事にしたわ」


「今回は彼等にも応援を頼んだ、彼等はガルシアではなく、ラーから競技に出て貰う事になって居る。全員揃った所で競技の説明をするぞ? まずは映像を見てくれ」


 映像には非常に広い森林地帯が写されて居た。丁度航空機から撮影したように見える。


「ここはスタジアムだ」


「スタジアム!? この森林地帯がですか!?」


「そうだ、映像を切り替えながら説明するぞ。この競技はファイティングフライトと言う競技だ。競技事態はアメフトやラグビーと似ているが、ボールを追いかける様な物では無い。

 先ずオーソドックスなスクランブルから説明するぞ。

 空中にクリスタルが浮かんで居るだろう? 簡単に言えば、これを時間内にどれだけ集められるか、それを競う競技だ。この空中に浮かぶクリスタルは、スタジアムの大きさにもよるが、50個から100個有る。これを選手が競技終了まで持っているか、このガーディアンボールと呼ばれるクリスタル保管庫の中に入れて有れば、保持数としてカウントされる。クリスタル保持数が勝敗を決める訳だ」


「空飛んでるよ!」


「そうだ、ファイティングフライトと言うだけ有り、ファイターと呼ばれる選手は皆反重力ブーツを履いて、空中で競技を行う。これが実際の競技映像だ」


「お、おいおいなんだよこれ!? 何で怪獣が出てるんだよ!? 火を吐いてるし、これじゃ死んじまうじゃねえか!?」


「確かに競技では死ぬが、このスタジアム内での死は実際の死にはならないから安心してくれ。それに時間は必要だが、リスポーンして競技に戻る事も可能だ」


「でもさ?……」


「何だい? はるん君」


「死ぬって……痛くない?」


「…….まあ…..当然痛みはあるな…..」


 当然ここで全員が映像を見ながら硬直して居た。映像にはスプラッタすら写されて居る。更に針針のフグの様な魔物から、鋭い剣山顔負けの無数の針が飛んでいき、全身針塗れになり、紫に腫れ上がって居る。これは毒まで混ざって居る証拠だろう。


「…….これ、やばくね?」


「ち、ちょっと危な過ぎるわ……」


「支度金500万、日当3万、成功報酬1000万全員に支払われる事になって居る」


 そこで母さんの目が異様に光った。


「ビビってるんじゃないわよ和也!」


「母さん!? 息子を金で売るのか!」


「違うわ、世界平和の為よ!」


「林家は3人で支度金1500万、成功報酬3000万か……」


「おい浩二! 余計な事を」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


 別に実際にこう言う音が聞こえた訳では無いが、母さんの方からこう言う感じの圧迫感を感じたのは俺だけでは無い様だ。静香も母さんを見て顔を引き攣らせて居る。

 浩二がそれを言った瞬間、母さんの目に炎が宿ったのだ。確実にこれは金目当てだ……まあコロナの影響で親父の給料は激減しているし、家計が苦しいのはわかるが……仕方ない。林家の長男として、ここは静香に新しい服でも買ってやらねばならん。


 と言う事で、このグロい映像を俺は暫く見る事にした。





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