(これまでのあらすじ)
(これまでのあらすじ)
とある田舎町、県立斑野高校を騒がす怪事件。
それは、あるときは地蔵菩薩、またあるときは阿修羅。仏の姿を取った怪、すなわち『怪仏』の引き起こしたものだった。
新入生の谷﨑かすみもまた、怪仏事件に巻き込まれたが、謎の転校生らに救われる。自らの持つ怪仏の力を、自在に操ることのできる二人に。
豪快な僧形の男、目立ちたがり屋の丸藤崇春、通称崇春。
彼の親友、理知的ながら大真面目な顔で周囲を引っかき回す、岸山一見、通称百見。
怪仏事件を解決しに来たという彼らと共に探るうち、伝法渦生、斉藤逸人、平坂円次ら仲間を得た。
そして、かすみは事件の黒幕に迫る手がかりをつかむ。同じく事件に巻き込まれて知り合った親友、賀来留美子と共に、崇春たちには秘密ながら。
二人は黒幕につながる怪仏、帝釈天に接触し、悩みを打ち明けることで罠を張ったのだった。
『黒幕は、悩みを持った生徒の相談に乗り、その生徒に怪仏を憑ける』。そのためわざと悩みを打ち明け、黒幕の接触を待ったのだったが。
果たして、その者はやってきた。生徒会長、東条紫苑と、生徒会役員、鈴下紡。
だが。彼らの思惑に乗せられ、かすみたちもまた、怪仏の力を持ってしまうこととなる。
かすみ自身はことに、黒幕の探し求める怪仏『毘沙門天』の力に目覚めてしまった。
その力を狙う鈴下と帝釈天の強襲を、毘沙門天の力で退けたかすみだったが。その力は暴走し、仲間をも巻き込みかけた。
そこを救ったのは伝法渦生と彼の仲間。至寂と名乗る僧だった。
彼らに助けられたところでかすみは倒れ、意識を手放す――。