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僕は、ダンジョンに入る  作者: Rapu
第二章

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29/38

29 8月 恒例の飲み会


 後藤さんと飲んだ後、部屋に戻ってTVを付けると、DEAが、年明けにスタンピードを起こした岩手県の一関ダンジョンDの攻略が成功したとニュースが流れていた。


「また1つ、ダンジョンが減ったな……」


 毎年スタンピードが起きるダンジョンが、1か所ずつでも攻略されたら良いよな。


◇◇◇

 月末恒例の飲み会、仕事でダンジョンに入っている太田さんは欠席です。


「よし! 3人で~、「「乾杯~!」」」


 太田さん。いつもは、遅れてでも参加しているけど、今日は、20階のワープを取りに行った後、打ち上げがあるらしい。それは、リーダーが佐藤課長だし、パーティー優先だよね。


「東山~、そろそろ俺も30階のワープを取りたいんだが、手伝って欲しい」

「えっ! 及川さん、もうステータス上がったんですか!良いですよ」

「毒攻撃する魔物が出て来るんだろう? お前ら、気を付けろよ~!」


 田中先輩は、ダイバーじゃないのに良く知っている。


「はい、田中先輩。毒消しを多めに持って行きますよ」

「そうだな! 東山、5本ぐらい持って行こうか」


 やばいな、まだ21階すら一人で狩りに行ってないよ。明日、試そう……


「及川さん、そうしましょう!」

「東山、9月初めの土曜で良いか?」

「はい、大丈夫です」

「お前ら~、お土産は旨い肉でよろしくな~!」


 田中先輩はニコニコと肉の土産を要求して来る……


◇◇

 翌日のダンジョンは、毒消しを3本持って21階へ向かった。ポイズンスネイクと何度か対峙して、顔を目掛けて火魔法を撃つと楽に狩れる事が分かった。


「これは良いな!」


 気を良くして、昼からも21階で頑張った。水魔法のスキルも上げたいので、時々水魔法を撃つが、カエルに撃った時は喜んでいる様に見えたよ……


 ダンジョンから出て、換金も終わり帰ろうとしたら、掲示板に人が集まっていた。


 人だかりの後ろから見てみると、10月から一般ダイバーを上限なく募集すると書かれている。登録資格は僕の時と同じで、①犯罪歴のない18歳以上の健康な男女。②初心者講習を受ける事。


 いよいよ、本格的に一般開放をするんだな。これがあるから、魔石の換金額を上げたのかな?人が多くなって魔物が数多く狩れなくなるから……


 それと、もう1枚の紙には、10月からDWAのダンジョンBが開放されると書かれていた。


 えっ! ダンジョンBが開放になるのか……


 開放条件として、①他府県のダンジョンの開放済みのダイバー。②2名~5名のパーティーで入る事。③ダンジョンに入る際、最低限のポーション・毒消しを持っている事。※以上をクリアーしていれば、他府県(DWA限定)のダンジョンBも開放。


 ①さえクリアーしていれば、二人いれば入れるのか……



◇◇◇

 9月の第1土曜日、今日は及川さんと30階のワープを目指す。及川さんと一緒に寮を出て、途中のコンビニに寄って、ダンジョンへ向かった。



「東山は、シルバーウルフがペアで出て来たら1体取ってくれ。後は、俺のワープ取りだから、俺が前に出て狩るからな!」

「はい、及川さん。ただ、安全の為にポイズンスネイクの最初の一発は、僕が攻撃しても良いですか?」


 着替えが終わって、ダンジョンへ向かいながら作戦会議。及川さんはキョトンとして聞く。


「安全の為?」


 一緒に狩りをするなら、話しておかないとやりにくい。


「はい。ポイズンスネイクの顔に、『火魔法』をぶつけると楽に狩れるんです。言ってなかったですけど、僕、魔法が使えるんですよ」

「ええっ、マジか! 東山、魔法の適性があったのか! その魔法書は、この前、掲示板に書いていたゴブリンが出したのか?」

「はい、そうですよ」


 各ダンジョンの資料にないアイテムが換金に出された時は、そのアイテムとドロップした魔物などの情報が掲示板に張り出される。そして、資料室にある魔物の資料に追加された後、まとめて公式サイトに載せる様になっている。


 そして、20階に飛んで30階のワープへと進んで行く。及川さんが先頭で、その斜め後ろに僕。


「魔法は便利だな。東山の言う通り、ポイズンスネイクを楽に倒せるな!」

「そうでしょ! 先週、色々と試して戦い方が分かったんです」

「まさか、まだ19~20階でウロウロしていたのか?」


 今は、攻略を進めるメリットが無いんですよ。魔法書を落とす魔物がいるなら頑張るけど……


「はい。魔石の換金額が上がって、低階層でも十分な小遣いになるじゃないですか」

「まあ、それはそうだが……俺も、魔法を探しに行こうか……それか、海外のオークションサイトで買っても良いんだが、覚えられなかったら最悪だしな!」

「そうですね……」


 確かに、どっちにしても、魔法が覚えられなかったら無駄になってしまう。僕も最初の魔法が覚えられなかったら、箕面でメイジ狩りはしなかったな。


「及川さん、オークションって本物を送って来るか分からないですよ……」

「東山、それは信用できるサイトを選んでだな~、」


 僕は、自分で取る方が楽しいな。


 26階への階段までスムーズに進み、早めの昼休憩にする。


「及川さんは、ソロで何階まで行ったんですか?」

「26階の手長猿の投石を受けてすぐ戻った」


 アレ、痛いですからね……


「猿は、どうやって狩ります?」

「東山が、猿に1発魔法をぶつけてくれ。それを合図に俺が突っ込む」

「分かりました。及川さん、ここからは僕も参加しても良いですか?」


 ここからは、ランクC以上の強い魔物しか出ないので僕も戦闘に参加する。


「ああ。頼むな!」


 と言いながら、ほとんど及川さんが倒してしまうんだよ……僕が剣で斬り付けるのはハイオーク位だ。そして、現れた!


 ゴロン……


「おお! アレが上質肉か!」

「そうですよ! 及川さん、アレが上質肉です!」


 肉の塊を見て、二人とも自然と笑顔になる。そして、お互い顔を見合わせて、


「よし! 「今夜は焼き肉!」にするか!」


 田中先輩のお土産はこれでいいな。ビールを買って帰らないと!


 途中でポーションを飲んで、階段ごとに休憩しながら進んだ。30階のワープを取って、ダンジョンを出た時には夕方の5時を過ぎていた。オーク肉と上質肉は持って帰る事にして、それ以外を換金した。


 及川さんは手伝った礼だと、換金したお金を全部僕の登録カードに入れてくれたけど、かえって気を遣うから折半が良かった……及川さんにお礼を言って、今夜のビールは僕が買いますと言った。


「東山、ありがとな! あの魔法は助かったぞ!」

「魔物はほとんど及川さんが倒したのに、そう言ってもらえると嬉しいですよ」


 寮への帰り道、長谷川さんと一緒になった。長谷川さんもソロでダンジョンに入っていたそうで、オーク肉が取れたから後輩の山田君を呼んで焼き肉をするそうだ。


「おっ! 長谷川達もか! 俺達も焼き肉するから、また団らん室を借りてみんなで食べようか!」

「及川達も焼き肉するなら、そうしようか!」

「良いですね! ビールを買って帰りましょう!」


 又、皆で焼き肉をする事になった。先輩と太田さんにメールを送って、場所を確保してもらう。途中で買ったビールを抱えて、三人で今日のダンジョンの話をしながら帰った。


 オーク、ホルモンも落としてくれたら良いのにな……


「おう~! お前ら、待っていたぞ~!」

「準備は出来ていますよ。後は、肉を焼くだけです!」

「こんばんは、焼き肉をご馳走になりに来ました!」


 山田君も来て準備していた様だ。みんなでワイワイ食べると、より一層旨くなって楽しくなるな。そして、ビールが足りなくなり僕と山田君がパシリ……もといビールを買い出しに行った。


「東山君、ビールはどれぐらい買い足せば良いかな?」

「山田君、あのメンバーはかなり飲むよ……」


 もう、買い出しに来ないで済む様に、二人でチューハイとか混ぜて両手で持てるだけ買って帰った。







ブクマ登録・★をありがとうございます。皆さまのおかげで、日間ランキング10位以内に入りました。ありがとうございます。<(_ _)>


誤字報告して頂きありがとうございます。何度、読み返しても誤字が……感謝。

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