表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/21

1-2-S

勝利と奏のお話、カゲは登場しません

□ □ □王都とある広場□ □ □

「とりあえず、冒険者になる道を選んだ訳だが、これからどうするカナデ」


「どうするも、カゲを探すに決まってるじゃん!」


「それは、そうなんだけど、情報とか全然無いわけだろ」


「確かに・・・」


「じゃあ、まずは所持品の確認からだな、カナデも確認してみろよ」


「どうせ中身は一緒じゃない?」


「まぁ、見てみようぜ、どれどれ、推薦状、金貨5枚銀貨10枚、干し肉にナイフか貨幣価値が分からんから何ともリアクション出来ないな、カナデはどうだ?同じか?」


「推薦状と、え?金貨と銀貨は無し、ナイフも無し、干し肉だけ・・・・」


「はぁ?本当かよ?見せてみろよ」


「ほら・・・」


「マジだ、当りハズレがあるのか?それにしてもカナデ単独だったらヤバかったな」


「何なの!クリスティア様!いや、クリスティア!清廉潔白みたいな雰囲気と違ってやること酷すぎない?!マジ腹立ってきた!」


「まぁ、落ち着けよ、何か意味があるのかもしれんし」


「意味なんか無いでしょ!嫌がらせだよ!」


「落ち着け、幸い俺の金貨と銀貨で今日、明日はどうにかなるさ、まず貨幣価値の確認と冒険者登録をして資金を稼ごう、今のままじゃ、ナイフしか武器が無いしな」


「わかった、ショウは相変わらず冷静だね」


「カナデが直情的なだけだよ」


「む、バカにした・・・」


「はぁ、とりあえず冒険者ギルドに移動しながら価格調査だ」


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「あの串焼きは小銀貨2枚、ジュースは小銀貨1枚、林檎?みたいなのは銅貨5枚か、たぶん銅貨一枚100円くらいだな、で硬貨は白金貨、大金貨、金貨、銀貨、小銀貨、銅貨の順番で価値があるから、銅貨100円、小銀貨1,000円、銀貨10,000円、金貨100,000円、大金貨1,000,000円、白金貨10,000,000円か?」


「う〜ん、金貨までは理解出来るけど大金貨とか白金貨って額が大きすぎて、よくわかんないね」


「確かに、元の世界から考えると現実味が無いな」


「そういえば、ジュース売ってた店騒がしくなかったか?」


「なんか、気づいたらジュースが銀貨に変わってたとか言ってたね」


「異世界だとジュースって銀貨に変わるのか?」


「そんなわけないでしょ、きっと勘違いだよ」


「そうだよな、なんか引っ掛かるけど」


「とりあえず、冒険者登録しちゃお」


「そうだな、行くか」




◇ ◆ ◇ ◆ギルド受付◇ ◆ ◇ ◆


「いらっしゃいませ、初めての方ですね、ご用件は?」


「冒険者登録をしに来ました、これはクリスティア様からの推薦状です」


「!クリスティア様の推薦状!?」


「はい、これを出せばスムーズに登録が出来ると言われたのですが」


「開封してよろしいでしょうか?」


「ええ、どうぞ」


「拝見させていただきます」


「・・・・・」


「本物で間違いありません、申し遅れましたが私はクロック王国ギルド職員のラニです、推薦状に従い今回の登録料は無料とさせていただきます、またギルドで販売している武器防具も提供するようにと書かれていますので、手続き後に武器防具を選んでください」


「・・・至れり尽くせりだな」


「なんか、さっきの袋の中身とは全然対応が違うね」


「やっぱり理由があったんじゃないか?」


「まぁ、今更でしょ、さっさと手続きしちゃお」


「それではこちらの用紙に名前と年齢を記入してください」




「記入しました、ショウは?」


「俺も終わった」


「続いてギルドカードに認証登録を行いますので、魔力を流し込むか、指に針を軽く刺して血を一滴垂らすか、どちらで行いますか?」


「うーん、とりあえず魔力の方で試して良いですか?針はチョト怖いので」


「大丈夫ですよ、ショウさんも魔力で行いますか?」


「はい、二度手間になるかもしれませんが、お願いします」


「それでは、お二人ともカードを手に持って魔力を流し込んでください、魔法の使用経験がないと難しいかもしれませんが、自身に内包する魔力をイメージすることが大切です、焦らずゆっくりとやっていただいて大丈夫ですから」


「あ、出来たっぽい!」

「俺も出来たな」


「はやっ!あ、失礼しました、お二人は魔法が使えるのですか?」


「いえ、今初めて使いました」

「私も!」


「お二人とも魔法使いの才能がありそうですね、魔法の使用経験が無い方でここまで早いのは珍しいです」


「ラノベのお陰かな」


「らのべ?初めて聞きました」


「カナデ・・・」


「あ、えーっと、私たちの出身地の本です!それで習ったんです」


「魔法書や魔導書のようなものでしょうか?差し支えなければ拝見しても?」


「申し訳ないです、今は持っていないんですよ」


「そうですか、残念ですが仕方ないですね」


「そんなに興味があるんですか?」


「はい、お二人の魔力発動の速さの秘密がわかるなら是非見て見たいですね」


「なるほど、まぁ地元に戻れる機会があれば持ち出せるか確認してみますよ」


「本当ですか!ありがとうございます!」


「いえいえ、次は武器と防具の選定ですか?」


「あ、申し訳ありません、大分話が反れてしまいましたね」


「気にしなくて良いですよ」


「それでは移動しますので、ついてきてください」





「こちらです、お二人は魔法使い志望ですか?」


「いえ、俺は剣士でカナデは魔導師ですね」


「ショウさんは魔法の才能があるのに剣士なんですね、それにカナデさんは魔導師ですか、お二人の故郷ではどうか分かりませんが、一般的に魔導師は魔法を極めた人を指すので目標にするならともかく、最初は魔法使いと名乗るのをオススメします」


「へぇー、そうなんだ、ステータスで魔導師ってなってたから」

「カ・ナ・デ!」

「あ、言っちゃ不味かった?」

「はぁ、ラニさんステータスについてはギルドでの扱いってどうなっています?」


「ステータスに関しては個人情報ですので犯罪者でもなければ無理に確認したりしませんが、カナデさんが魔導師なのは本当ですか?」


「・・・なるほど、カナデに関しては本当です」


「そうですか・・・、通常最初は魔法使い見習いといった表示から始まり経験を重ねることで魔法使いや魔術師に変化していき最終的に魔導師になると聞いたことがあります」


「この件は黙ってていただくことは出来ますか?」


「勿論、私個人もギルドも公表することはありません、何より実際にステータスを見ていませんから」


「ありがとうございます、とりあえず俺は剣士、カナデは魔法使いってことで活動しますので」


「それではショウさん、カナデさん、武器と防具を選んでください、ちなみにギルドで扱っているのは中級クラスまでの冒険者が使用する程度なので、飛び抜けて強力な物や高性能な物はありません、使いやすさ優先の平均的な物になります」


「まぁ、最初から贅沢は言えないし、タダで貰えるんだから文句はないですよ、じゃあ俺は一番高いブロードソード、ラウンドシールド、鎖帷子、この黒いプレートアーマーで、あとバックパックも」


「ショウはちゃっかり一番高いの選んでるし、私はスタッフとローブ、鎖帷子、ダガー、ブーツ、基礎魔法書とリュックでお願いします」


「金額に関しては気になさらずに、王国支払いですから」


「ちなみに全部でいくらでした?」


「そうですね、えーっとショウさんは金貨270枚、カナデさんが金貨300枚ですね」


「なんだカナデの方が高いじゃないか」


「ぐっ、、、欲張りすぎました?」


「ギルドとしては利益になる訳ですから、気になさらずに」







「装備完了っと、プレートアーマーは動き辛いかと思ったけど、全然問題無さそうだな、職業補正か?」


「お!ショウ似合ってるじゃん!」


「カナデも見た目は魔法使いっていう感じだな」


「見た目だけじゃなくて、魔法使いだから!」


「お二人ともよろしいですか?最後に冒険者の説明を行います」


「はーい!大丈夫です!」


「それでは、こちらにお願いします」




「まず、冒険者についてですが主な仕事は、魔石を宿した生物、魔物の討伐や素材の採取から護衛など多岐に渡ります。報酬を得る方法は大きく分けて二つ、ギルドから出されている依頼(クエスト)を受注し完了するか、フリーで討伐した魔物の魔石や素材を売るかです。次にランクに関しては最低ランクはGでAに近付く程高ランクとなります、更にAランクより上がSランクとなります、カードを見ていただくと表記されているので分かるかと思いますが、お二人はGランクからのスタートとなります、ランクアップに関しては依頼達成数や貢献度の条件を満たし、ギルドの審査で決定します」


「なるほど、ランクアップで試験等はありますか?」


「初級者卒業となるEランク昇格時と上級者と見られるCランク昇格時は実力を見るために試験がありますが、圧倒的な実力が試験前に示されていれば免除となる場合があります」


「わかりました」


「他に質問は有りますでしょうか?」


「いえ、大丈夫です。あ、一つお願いが、宿を紹介してもらえますか?」


「宿ですね、ランクはどうしましょう?高級な宿ですと一泊金貨1枚~、一般的な宿だと一泊銀貨1枚~、食事無しの安宿だと小銀貨1、2枚程度からありますが安全面、衛生面等オススメしません、私のオススメで良ければ料理も美味しく清潔感のある老舗『時屋』ですね、若干高いお一人一泊銀貨5枚となりますがどうでしょうか?」


「どうする、カナデ?」


「私はお金無いからショウに任せるよ」


「じゃあ、オススメの『時屋』で二部屋お願いします」


「わかりました、地図とギルドからの紹介状をお渡ししますね」


「ありがとうございます」


「ではこちらを宿に提示してください」


「わかりました、ありがとうございました、失礼します」

「失礼します」


「では、お気をつけて、またのお越しをお待ちしています」



◇ ◇ ◇『時屋』 ◇ ◇ ◇

「確かにギルドの紹介状ですね、部屋は二階の奥二部屋9番と10番をお使いください、こちらの鍵を提示すれば夕食と朝食が食べられますので、それでは鍵をお渡しする前に、支払いをお願いします」


「とりあえず、一泊分金貨1枚です。もし延長する場合は明日お伝えして追加料金を支払えばいいでしょうか?」


「確かに本日分いただきました。連泊に関してはそれで問題ありません」


「わかりました」


「それでは、快適な時を過ごせますように」



◇ ◆二階10番の部屋◇ ◆

「ふー、疲れたー、やっぱり慣れないことは疲れるね、何よりショウがいなかったらヤバかったかも」


「否定はしないな、カナデ一人だったら金は無いし暴走しそうだし」


「私も否定出来ないなのが悲しい・・・」


「それより、明日からは資金稼ぎとカゲの情報収集だ、まず明日の稼ぎ次第で宿を変えるか考えないといけない、正直この宿は当りだと思うから出来れば暫くは滞在したい」


「宿に関しては同感、他は知らないけど夕食は美味しかったし部屋はキレイだしね、プラス料金で湯浴みも出来るし、問題はカゲの情報収集だよね、カゲは本当に影が薄いからな〜」


「おそらくカゲはスキルで更に影が薄くなったんだと思う」


「なるほど!だから神殿から出れちゃったのか〜」


「問題はそのスキルのせいで情報も集まり辛いから、探すのはかなり大変なはずだ」


「うーん、じゃあ私魔法創造で探索魔法が作れないか試してみるよ!」


「カナデにしては良いアイデアだな」


「ふっ!私も役に立つんだよ!よし今から魔法創造試してみるから、部屋から出てって!一人で集中するから!」


「了解、頑張ってくれ、でも明日に響くからあまり夜更かしはするなよ」


「りょうかーい、また明日ね、おやすみ」


「おやすみ」

次回はカゲが躍動!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ