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◇セブン領 上空
「はい!あ〜ん」
「あ、うん・・『パク』・・・美味いね」
カナデが浮かれ過ぎとる
まぁ、たまには良いか
「でしょ!頑張って作って良かったよ♪」
良いお嫁さんなるよーとか
言ったらどんだけ喜ぶんだか
まだ言わないけど
「もうすぐトゥウェルブ領に着くよ!」
「おー!やっぱり飛行機は早いね!コレ普及したら物流とか軍事が滅茶苦茶発展するね!」
「まぁ、早いけど魔力消費的に僕かカナデしか操縦は無理かな、昨日試しにマイルド様が操縦したら飛び立つ瞬間で魔力切れになったからね」
「Sランク相当の人で無理ならだいたいの人は駄目かー」
「それに飛行機を作れる技術力が無いし航空理論をが未発達過ぎるからね、僕が毎回作るのも面倒だし」
「じゃあ、この飛行機はカゲと私専用だね♪」
「そうなるかな、さてと、着陸するから衝撃に備えて」
「わかった!念のため《衝撃緩和》、ついでに運も上げちゃお!《ラッキークッキー》」
ツッコミたいけど我慢だ
着陸に専念しよう
「ふぅ、無事着陸、衝撃緩和のお陰か全然振動とか感じなかったね、それより衝撃緩和は良いとして、ラッキークッキーってなにそれ?」
「ん?運を10秒間上げる魔法だよ?」
いや、効果じゃなくて魔法名を指摘したんだけど・・・
カナデだから仕方ないか
「運って実感が薄いけど、具体的にどんな効果があるの?そもそも魔法で運は上がるの?」
「魔法で運は上がるよ!魔力で対象者の因果率に干渉して対象者に不利益な事象の発生率を下げるんだよ、ただ私の魔法より強い『力』が絡むと相殺されちゃうけどね」
なるほど、とんでも魔法だった訳か
さらっと言ってるけどカナデより凄い
魔法使いとか滅多にいないだろうから
ラッキークッキーはかなりヤバイ魔法だね
なによりカナデより強い『力』が働いても相殺、
つまりマイナスにはならないってところが異常だよ
「凄い魔法だね、10秒が限界なの?」
「う〜ん?試したこと無いけど長ければ長い程、因果率に干渉するのが先細になっちゃうから、10秒くらいが高い効果維持できる限界かな?仮に1分間に設定した場合は徐々に効果が薄くなっちゃうと思う」
それでも凄いけどね
「そっか、わかった、カナデの異常さが改めてわかった気がする」
「へへへ、褒められた♪」
軽くディスったんだけどな〜
「おい!お前達!何者だ!さっきの魔物はお前達の仕業か!?」
兵士の方が怒鳴ってらっしゃる
魔物?飛行機のことかな?
因みに飛行機は影に収納済み
「驚かせて申し訳ありません。さっきのは魔道具です、僕達はセブン領から来た冒険者カゲオとカナデです。領主様と冒険者ギルドのマスターには通達が出てるはずです、必要ならこの用紙も確認して下さい」
「そ、そうなのか、悪いが書類を確認させてもらう」
不審者かと思ったら
領主とギルマスの名前が出て来て
若干ビックリしちゃったみたいだな
「セブン領マイルド様とギルドマスターのマルボ様のサインで間違いないようだな、疑って悪かった、それじゃあ魔霧の洞窟に案内しよう」
「え?案内までしてくれるんですか?」
「緊急案件となっているみたいだからな、それにちょうど交代時間だから、そのまま案内をさせてもらう」
「仕事終わりに申し訳ありません」
「気にするな、領主とギルドマスター連名の緊急案件なんて、かなりヤバイ事態だろ?聞いて良い話か分からんが、可能な限り協力はするさ」
「ありがとうございます」
良い兵士さんで良かった
◇魔霧の洞窟
「俺が協力出来るのはここまでだ、魔霧の洞窟は未踏の地だから気をつけてな!あとお前達のことは領主様に報告を入れておくから」
「「ありがとうございました!」」
「カゲこれからどうする?私の魔道具使う?」
「大丈夫、まぁ見ててよ」
「じゃあ、見学してまーす」
「それじゃあ始めますか、《吸収》とつでに魔力に変換っと、おぉー魔力が漲る!」
「わー!ダイ○ンもビックリの吸引力だね!」
カナデのボキャブラリーにもビックリだよ
「よし、吸収しながら進もう!カナデは魔物出たらよろしく」
「任されたー♪《索敵》お宝有るかな?《探索》」
「お宝かー、ロマンだね」
「お!敵は最奥に一体確認!お宝は敵の付近に有るっぽい!」
「マジか!因みに洞窟の深さどれくらいか分かる?」
「だいたい1kmくらいかな?」
「了解、意外とすぐだね」
「このペースなら、10分くらいだね」
◇10分後
「この奥だね、あれ?気配はするけど魔物の姿が見えない?」
「カゲみたいな能力かな?ならもう一回《索敵》・・・!カゲ上だよ!」
「上?う〜ん?あ!動いた!」
「スライムだね!擬態してたのかー、悪いスライムは討伐だよ!」
「いや、まだ悪いスライムかは分からないでしょ!敵意がないなら友達になりたいけど、意志疎通できるのかな?」
「それなら任せて!《以心伝心》」
なんか意味が違うよな
『あ゛〜働きたくない〜、引きこもってたのに邪魔しやがって人間め〜』
威嚇なのかプルプル震えてる
「カゲ、このスライムは駄目なスライムだね」
「駄目だけど悪意は無いんだよなー、ねー!スライムさん!僕の言葉わかる?」
『んー?人間の言葉が分かる!』
「スライムさーん!欲しいの手に入れたら帰るから、攻撃しないでもらえるかなー?戦闘とか面倒だし」
『・・・良いよー!面倒だからー』
「ありがとう!」
「カゲ、凄いね!でもこのスライム結構強いよね?」
「たぶん魔霧が濃い環境で長年暮らしてた影響だろうね、黒牙並かもね、とりあえずあそこを掘り返すよ」
「なるほど、黒ちゃん並みかー、あ、それも私に任せて!いくよー《土遁ディグダグ》」
黒ちゃん?
何故に忍術!
何故にファミコンの名作!
って脳内ツッコミ中にクロノスの頭発見!
足と違って干からびて無いね
「人形みたいだな」
「そうだね、なんか不思議、キレイ」
『おい!人間!!お前達の目的は神様なのか!!』
「そうだけど、どうしたの?」
『神様が狙いなら、お前達は悪い奴か?』
え?なんか険悪な感じ?
「神様に頼まれて探しに来たんだけど・・・・」
『・・・・そっか、神様に頼まれたなら仕方ないか』
いいんかーい!
ここは勘違いバトルの展開だろ!
「スライムさんは神様の知り合い?」
『神様は主様だよ〜』
「主様?神様復活するけど来る?」
『神様復活するの!?それは面倒とか言ってられないなー、面倒だけどついてくよ〜』
結局面倒なんかーい!
「因みに人間に擬態出来る?そのままだと攻撃されちゃうかもしれないから」
『出来るよ〜、一回触れる必要はあるけど』
「それじゃあ擬態してみて」
『面倒だけどやるよ〜』
あ、ヒュッとカナデの方に
「きゃっ!あ!どこに入ってっ・・・ぁん・・」
なんか艶かしい声が
スライム×美少女のお約束展開
御馳走様です
『よし、解析完了〜『擬態』」
「あー、やっぱり」
「な、なんで私に擬態して、しかも裸なのよー!カゲ見ちゃ駄目!見るなら本物の私にして!」
なんか意味分からんこと言ってますが
「スライムさん、服も合わせて擬態してもらえる?」
『ふく?あー人間の外皮かー、わかったよ〜』
外皮って
でも服の概念が無い魔物なら仕方ないか
「そうそう、そんな感じ!髪の長さと色は変えられる?」
『変えられるー、ほら』
「おぉー、それでなら紛らわしく無いね、よし!行こう」
カナデがまだ座り込んでる
「カナデ大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ!乙女の純情が汚されんだから!」
「いや、大丈夫じゃない?スライムだし?」
「・・・・・カゲが大丈夫なら良いけど・・・」
何が大丈夫かは聞かないでおこう
『人間行こう、面倒だけど』
「そうだね、カナデも行くよ」
「ふぅ、ひどい目にあったなー、あとでカゲもスライムに襲ってもらお!私も一緒に襲うから!」
うん、スルーだ
駄スライムが仲間になった
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