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1-11

「・・・・・・・申シ訳アリマセン、私ハ何モ知リマセン」



「第二王子はドウしたのダ?」


「・・・・・わだじがらは何も゛・・・」

第二王子の護衛も口を紡ぐ


「第一王子は戻らズ、第二王子は何かニ怯え、護衛達も影ヤ暗闇に怯えテいる、伯爵ヨ何が原因かわからぬか?」


「ふむ、前線基地で何かあったのは間違いないでしょうが、オーガニアの実力者の第一王子が戻らず、第二王子が恐慌状態・・・簡単に考えるなら二名を上回る強者が現れたのでしょう、最果ての僻地には食料にしかならない人間と下等魔物しかいないはずですがね、いやはやどうしたものか、確認に行ければ簡単に済むのですが、魔法陣が使えないとは困りましたね」

伯爵と呼ばれた男はわざとらしく肩を竦めた


「困ったものダ、魔王様に後継者ノ話をしたばかリだと言ウのに」


「ゴウザ様はどちらを後継者と考えていたのですか?」


「無論、第一王子ダ、実力も知力も申し分無かったからな、第二王子ハ良くモ悪くも野心が強すぎル、あれデは身を、最悪の場合ハ一族を滅ぼス、だガ今は野心すら感ジぬ」


「第一王子は人間好きと聞きましたが大丈夫ですか?」


「キングに至る自覚が足りないだけダ、キングとナれば、自然と考えモ変わるはずだっタ、だが戻らなけレば意味もなイがな」

ゴウザと呼ばれたキングは若干の落ち込みを見せた


「仕方ありませんね、友である貴方にそんな顔をされては何かしないわけにはいきませんね、私の部下を確認に向かわせましょう、第二王子や護衛達が何故、影や闇に怯えるのか分かりませんが、『影の王』の血縁であり影も闇も私達バンパイアのフィールド!必ずや第一王子を発見し連れ帰りましょう」

通常であれば友といえど、見返り無しに他種族を率先して助けることはしない、今回に関しては明確な思惑が有り、オーガキングに恩を売っておきたい事情があった。

まずは、バンパイアが魔界で立場が弱くなっていること、そして現在魔王軍で副将軍のオーガキングのゴウザが魔王軍の戦力筆頭と言われる将軍へ、昇格目前との情報が入ってきているからである、この為伯爵は是が非でもオーガキングに恩を売り将軍へ昇格後に便宜を図ってもらう狙いがあった。

尚、影の王との血縁関係は不明、影や闇などの共通点から、伯爵が自称しているに過ぎず、他の種族も特に気にしてはいない。


「流石ハ、闇の殺戮貴族と呼ばれる伯爵、頼もシいな」

勿論、ゴウザも伯爵の思惑は理解し利用しようと考えている




其々が思惑を廻らせていると

突如、魔法陣が光始めた



「「ん!?」」


「第一王子ガ帰還するノか?」

「何故?確かに魔法陣は発動出来ない状態だった、明らかにパスは切れていたから魔法陣は破壊されたものだと、何がどうなっている?」



魔法陣から一つの影が現れた



「王子ではないようですね、何者だ!」

伯爵は誰何(すいか)をする

それと同時にゴウザと側近達も臨戦態勢となる



「お初にお目にかかる、我は影の王也」





◇時は少し遡る

「夕食も終わったし、オーガキングに合ってこようかな」


「カゲオ?いきなりどうしたんだ?防御を整えて迎え撃つんじゃないのか?」


「いつ来るかもわからない状況は精神的にキツイからね、こっちから出向くよ、オーガキングって強いの?」


「・・・カゲオの方が強いと思う、今ならオデも負けないだろう」


「そっか、因みにオーガキングが仲間になる可能性はあるかな?あと駄目だった場合は倒して問題ない?」


「仲間にはならないな、オデの考えも知っていたが良くは思ってなかった、仮に戦闘になったら遠慮せずに倒しても構わない、他のオーガに関しても遠慮はいらない」


「少し残念だね、まぁ、向かってくる敵は排除するけど、戦う意志が無い者は排除しないから」


「カゲオ、オデ達も連れてってくれないか?」


「え?良いの?」


「オデ達も強くなったことを見せつければ、影王だけが脅威じゃないと理解させることが出来る」



「確かに、そうかもね、皆も良いかな?」


「我々はカゲオ様と黒牙様が決めたことに付き従うのみ、遠慮せずお決め下さい」

レオがリーダー的な感じか


「わかった、皆も異論はなさそうだね、だけど今後はただ付き従うだけでは駄目だからね、僕は皆と友達だから遠慮はいらない、意見があれば我慢せず言って欲しい」


「は!」

まだまだ固いな・・・



「よし、とりあえず僕が魔法陣で先行するから、皆は少ししたら転移してきて」


「わかった、戦闘になっても大丈夫なように準備をしておく」


「この魔法陣は魔力を流せば勝手に転移するんだよね?」


「ああ、固定タイプの転移陣だから難しい詠唱とかは必要ない」


「わかった!ありがとう!それじゃあ行ってくるね」

自らの意思で転移するのは初めてだからワクワクするな

魔力注入っと!

おぉ!光に包まれていく!



◇時は戻り

「お初にお目にかかる、我は影の王也」

なかなか良い登場じゃないかな?


「ヒッ!ナ、何故アナタ様ガ・・・私ハ何モ言ッテマセン!ド、ドウカ、オ助ケヲ!」

あら、弟さんいたのか

姿見せただけでガクブルですな


「安心しろ、お主に会いに来たわけではない」


「き、貴様が影の王だと?笑わせるな!私達バンパイアの王である影の王を侮辱するきか!」

え?影王ってバンパイアだったの??

初耳なんですけど!ヤベどうしよ・・・・

とりあえずスルーだな


「オーガキングに会いに来た、話をさせろ」


「私を無視するな!」

なんか、めっちゃ怒ってるんですけど!

しかも、あんたが怒るからオーガキングぽい方がタイミング見失っとる


◇景雄がテンパっていると再び魔法陣が光出す


「何?まだ来るのカ?」




◇現れた15の影、その影全てが強者だと感じ取れた

「影王、待たせたな、話し合いは出来そうか?」


「無理かな、皆さん臨戦態勢だよ、因みに影王ってバンパイアなの?」

いつもの口調で黒牙のみに聞こえるよう話す


「いや、それは特性が似てるだけで、伯爵が勝手に言っているだけだ」

なんだ自称かよ!

ビックリしたな!もう!


「何をコソコソ話している!」

伯爵さんとやら一気に小物臭がしてきたな

てか、コイツがいると話が進まないから・・・


「ひぃぃ!た、助け、て・・・・」

やっぱり小物だな、殺気込めて威圧したら

泡吹いて気絶したよ


「ナ!伯爵!貴様は何をシた!」


「何をと言われても、不快だったので少々威圧したら倒れてしまったようだ、全く、我がこの程度の者に同族と思われているとは、不快以外無いな」

怒ってる風に威圧と魔力解放♪


「・・・・」

◇『バタッ』と第二王子と、その護衛が倒れた


ありゃ、弟さん達また倒れたよ

失禁しとるし

ちょい可哀想だな



「ぐっ、何と言う圧力ダ、まルで魔王様と対峙しているよウだ、まさか本当に影の王なノか・・・・」


「オーガキングよ!オデ達を覚えているか?姿形は変われど声と魔力に覚えがあるのではないか?」


「・・・『オデ』?まさか!お前達は第一王子と従者達か!?」

完全に喋り方で気づいたよね!


「そうだ!オデ達は影王から力を授かり進化したのだ!」


「なに?進化だと・・・有り得ン!我らがオーガ族では先々代のキング以降、進化ニ至っていない!何より姿が先々代ト全く違う!それに馬鹿げテいる!第一王子だけでなく、従者も全員が進化ナど!」


「信じられないだろうが、影王には魔物を進化させる力がある、さて話はこれくらいにして進化した力を見せてやろう」

黒牙がかなり好戦的だな


「ふン、よかロう身の程を分からセてやろう」


「よし、リキよ行け!」


「はっ!」

黒牙が行かないんかーい!


「馬鹿にしオって!従者にキングの相手が勤まるト思っているのカ!」


「悪いが、お前ではオデと影王の相手には相応しくない」


「くっ!こんナ屈辱ハ初めてダ!貴様ら全員皆殺シにしてヤる、近衛隊!取り巻きはお前ラで相手ヲしろ!」

おー怒ってらっしゃる

だけど、殺気とかイマイチだな


「黒牙様、私達も殺っちゃって良いデスか?」


「あぁ、好きに殺って良い、だが傷を負うことは許さない、一方的に蹂躙せよ」


「はっ!」

一方的に蹂躙せよ!って

どこの魔王だよ!


「オーガキングよ、ワイは黒牙様を守護する四焔のリキ、いざ尋常に勝負!」

四股踏んでるで

体格的にはキングの方がデカいな

目測だけど4m近い

まるで壁だな

ん?他の四焔は待機か


「ふん、オーガキングゴウザ!貴様など軽ク捻り潰しテやるわ!行くゾ!」



巨体とは思えないスピードだな


『ドガァーン』

マジかい・・・

武器無しの拳がぶつり合った音があれかよ




おぉ、体格差は有るけど五分かな?

それにしても今のところ

拳と拳がぶつかり合ってるだけだけど

衝撃波が凄いな


「中々やるナ」


「・・・・」


「どうシた?喋ル余裕も無いトはそろそろ限界か?」

嘲笑しながら話し掛ける


「いや、キングの力がこの程度だったのかと、驚いていただけだ」


『ブチッ』

うわぁー青筋が凄いな

完全にキレたなこれ


「怒ったところで・・・こちらも本気を出させていただく」


「グウォォォォァ!!」

リキは呆れ顔だな

キングは理性を失ってるよ

どっちがキングなんだか分からんね


しかもキング大剣持ち出しやがった


リキは武器使わなそうだけど大丈夫かな?


「死ねぇぇぇい!」

◇大剣が振り下ろされる


「四焔リキが奥義『破巌五十連掌』」

◇大剣の腹を掌底で弾き軌道を逸らす

『ビキッ』大剣に亀裂が入る

掌底は止まることなくキングの身体中に

連打を加えていく

『ドガッ』『グギャ』『ベギャ』・・・・・・

「ぐぎゃ、うがぁぁぁぁ」


「ドスコイ!」

◇掛け声と共に繰り出された最後の一撃

倒れ込んできたキングの顔面を捉える

『メギャ』っと聞いたこともない音を出し

キングは王座まで吹き飛ばされ

勢いそのままに王座を粉砕し

壁に激突し止まった


「・・・・・・」

こりゃ死んだな

リキのパワーヤバいね

うん、かなりヤバい!

語彙力が低下するほどヤバい!

似たような戦いは作品として知っていても

実際に見ると迫力が違うな

正面から戦ったら勝てるかな?

パワーは勝てない気がする

てか奥義とかいつ覚えたんだよ


「リキ、よくやった、キングと戦った感じはどうだった?」


「黒牙様お褒めの言葉有難うございます。戦った感想としては正直驚いています」


「驚いた?キングが弱くてか?」


「確かに憧れであったキングが、この程度かと思う気持ちも有りましたが、それよりも溢れ出る力に驚きました、進化後初めて全力を出しましたがワイが想定していた以上の力を発揮出来ました」


「なるほど、オデも一度全力を試す必要があるかもな」


「黒牙様!こちらも終わったデス!全員無傷で勝利しましたデス!」


「そうか、よくやった!」


「黒牙よ、キングの勢力で他に障害となりそうな者はいるか?」

あー窮屈だ!普通に話したい!


「いや、キング以外は特に気にしなくて良い」


「そうか、ところでいつまで気絶したふりをしている気だ?バンパイアの伯爵よ」

キングのやられる様を見て

あんぐりしてたからバレバレだったよ!

戦い終わった瞬間

そーっと気絶してた姿勢に戻ってたよね!


「・・・・・」

今、呼ばれてビクッてなったよね!


「ほぅ、まだ演技を続けるか、なら手足でも切り落とすか」


「ひぃ!か、影王様!起きております!御勘弁を!」

ピン!と立ってからの

ジャンピング土下座!

見事や!

土下座やりなれてるな


「貴様はこれからどうするつもりだ?最初の勢いはどうした?戦いを挑まないのか?」


「影王様に逆らうなど滅相も御座いません!」


「そうか、では協力してもらえるか?」


「はい!喜んで!」


「では魔王の首を持って来てくれ」


「・・・・はっ?」


「うん?聞こえなかったか?魔王の首を持って来てくれ」


「ご、御冗談ですよね?」

冗談だよ

お前には無理だろ

だか意地悪をする!


「本気だが?何か問題があるか?」


「あ、いや、あの、わ、私程度では魔王様に謁見するのすら困難でして」


「我の血縁だと言うなら簡単ではないか?例えば、この様に」

影潜みからの〜

伯爵の背後から登場!


「え?影王様?」


「後ろだ」


「ひぃ、今のは?」


「影に潜ることは出来ないのか?」


「出来ません・・・バンパイアは闇の力を使いますが影の中に入ることは出来ません、何よりその様なスキルか魔法か分かりませんが力は見たことが、ありません・・・」


「わかっただろ、我がバンパイアではないことが」


「・・・はい」


「魔王の首は、いらん、だが魔王に影王が現れたことを伝えよ、貴様の返事は聞かん、さっさと行け」


分かりやすいくらい

ガックリ肩を落としてるな

期待はしてないけど

頑張れよ〜



「景雄、良いのか?魔王に存在を知られて」


「まぁ、オーガキングが倒された訳だから遅かれ早かれ知られるでしょ、あとは警戒状態の魔王軍が倒されたら中々インパクトあると思わない?」


「景雄は凄いことを楽しそうに言うな」


「さて、皆の武器とか安物だから戦利品として武器庫とか宝物庫チェックしてから帰ろう!」


「景雄様!食料庫もチェックして良いですか?」

さっきまでの四焔として振る舞っていた雰囲気から

一気にいつものククに戻ったな


「あぁ、それぞれ好きに見て回ってきなよ、とりあえず中々広そうだから一時間後にココに集合ね」


「「「了解です!」」」


基本景雄目線ですが、情景とかは◇で文章を差し込んでます


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