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付き合いの良いbank robber

作者: からの頭脳

*ここに登場するキャラクター、企業名は

 実在する同名の人物、団体、組織とは一切関係ありません。

入口の自動ドアが開いて季節外れの毛糸の帽子と電気工事に使うような

軍手とスポーツバッグを持った男が入ってきてそのまま受付のカウンター

に近づいていきなり行員に包丁を突き付ける。


「金を出せ!」


すると窓口の行員が笑顔で


「いらしゃいませ二十九にじゅうく銀行横浜支店にようこそ」

「お引き出しですね」

「あちらに用紙がありますので、そこにご記入の上お持ちください」


「あっそう...」


2~3歩いきかけてから

「じゃねーよ、だいたいここの口座なんてねーよ」


「ではお客様お作りしましょうか?」


「そうじゃなくて、包丁見せて金出せって言ってんだから判るだろ」


窓口の行員が白手袋付けて


「大変失礼いたしました、それでは拝見いたします」


というと包丁を取り上げ


「申し訳ありません、まだ未使用のようですが量販品のようですし

 当店ではご融資いたしかねます」

「ここを出て関内方面に向かいますと左手に【騙し屋】という質屋が

 ございますので、そちらで再度査定して貰ってください」


「丁寧に教えてくれてありがとよ...関内方向に向かって左手...」


数歩出口に向かいかけて、すぐに振り向き


「関内方向に向かって左手、じゃねーよ金をこのバッグに入れろっていってんの」


窓口の行員が他の行員に、

「岸本さんロッカーの横にガラクタあったよね?金属のガラクタあったら持ってきて」


「.....」


「おおい、まだか!もう10分位たってるぞ!」


「ん!俺は何を待ってるんだ」


「お忘れですか、今ガラクタの金属をお持ちいたしますのでもう少々お待ちを」


「よく考えたら俺は回収御者じゃねー!」

「なんでガラクタなんざ持ち帰らななんねーだよ」

「そっちの金じゃねーよ」

「そうじゃなくてこれに札束入れろ!っていってんだよ」


足元から3本のサツマイモの束を出してきてバッグに入れようとする行員


「まて、何だそれ」


「えーと確かこれが金時でこっちが紅あずまだったかな、そしてこれが安納芋

 だと思ったんですけど...違います?」


「知るか!大体なんでさつま芋なんか持ってるんだよ」


「昼に食べようかと」


「じゃあなんでそれをこれに入れようとした?」


「だってサツタバ入れろっておっしゃるから」


「ああサツマイモの束でサツタバね..分かっていたけど、あえていうコラ!!」

「金を入れろって言ってんだろ」


「ならやはりガラクタの金属を..」


「だから、そっちの金じゃねえ、マネーのほうだよ」


「えーでは僭越ながら..『ほら、早く食え遅刻すんぞう』」


「なんだよ?それ」


「父の真似です、最後の『ぞう』が特徴です」


「だれが物真似しろつーた」

「しかも知らねーから似てるかどうかわかんねーよ」


「だって真似のほうだって...」


「だ.か.ら、そっちのマネじゃねえ!金、通貨、日本銀行券だよ」

「もういい!さっきから俺を馬鹿にしてるだろう」

「俺は銀行強盗しにきたんだ!なめんじゃねーぞ」


「馬鹿にするとか舐めるとかとんでもございません、唯の時間稼ぎですよ」


そのとき背後から肩をトントンと叩かれて振り向くと

制服姿の警察管が5人程立って見詰めていた。


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