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友人代表  作者: 風の又三郎キング
2/2

第2話

ネタだけはいっぱいあるので、続編書きました。

文章能力まで上がってくれたらいいんですが笑笑。

松本ってのは不思議なやつで、クラスで控えめな僕にかなり話しかけてくる。時にそれは鬱陶しくもあるが、おかげで僕は松本と普通に話せるようになった。俗に言う友達ってやつなんだと思う。これは、僕が松本に対してほんの少しだけ心を開き始めた時のことだ。

夏休み前には、どこの学校にも期末テストがある。当然うちの学校にもあって、このテストは通知表に大きな影響を与えるものなので、僕にとってかなりの山場と言えるだろう。

というわけでテスト前の最後の週末、僕は図書館にいた。カリカリと鉛筆が紙を叩く音だけが聞こえる。僕を勉強に集中させるにはこの環境は十分だ。しかしまぁ人生ってのはいいことほど早く終わる。

「おーい、松山どこだー。」

静寂の中に馬鹿みたいにに大きい声で入り込んできた馬鹿がいる。

周りの人が怒りと呆れの視線を向けているのを感じる。

ったく、こっちまで一緒だと思われるじゃないか。静かに席を立ち、松本の元へ向かう。

「おっ、いたのか。だったら返事しろ

よ。じゃあ勉強するか。」

こいつからの誘いによって僕は松本と勉強することになった。

「その前にちょっとこっち来て。」

僕は松本を連れて、トイレに行く。

「松山、ここはしゃべったりしちゃいけないし、ましてや怒鳴られるとみんな困るんだ。だから、絶対に静かにするって約束してくれ。」

「えっ、じゃあ松山は俺に勉強を教えてくれないわけ?」

「うん。」

こいつそれが目的で、わざわざ僕と勉強したいなんて言い出したのか。

「なんだよ、じゃあマックで勉強しようぜ。」

は?こいつは何言ってんだ。なんでわざわざあんな人の出入りが激しいうるさい場所でやらなきゃならないんだよ。

「あそこなら昼飯も食えるし、喋れるし、スマホもいじれるし、いいことづくしだぜ。」

はあ。こいつは何しに来たんだか。どうせ勉強を教えて欲しいじゃなくて、テスト範囲分の宿題を写しに来たんだろうな。

「僕はあまりうるさい環境は好きじゃないんだ。だから行きたいなら、君だけで行ってくれ。」

「頼むよ。あそこにいる店員さん可愛いんだよ。」

「誰がそんな小学生みたいな誘い文句に乗るんだよ。」

「そうだよな。松本にとって俺と勉強するなんて大した価値ないよなぁ。今回も俺はテストで赤点取ってみんなから笑い者にされるよ。じゃあな。」

あーもう、なんで演技ってわかってんのになんか悲しくなるんだか。仕方ないや。

「マックの割引アプリ持ってる?」

「えっ、来てくれんの。サンキュー、松山。やっぱ持つべきものはやさしい友達だわ。」

こいつ、思ってもないことをペラペラと。

僕と松本は二人でマックの中でハンバーガーのセットを買った後、勉強を始めた。

「なぁ、ここの一番のカッコ1でどうやんの?」

「いや、それは平方完成するだけの基礎だよ。」

「平方完成とは?」

「君、全然授業聞いてないんだね。平方完成ってのは因数分解みたいな感じなんだけど。例えば・・・」

こいつこんな基礎的なとこでつまづいてて大丈夫かよ。てか、一門ごとに聞かれた僕勉強できないんじゃないか?

「いやー、今日一日でめっちゃ頭良くなった気がするよ。」

「そりゃよかったね。おかげで僕はなんも進歩しなかったけどね。」

こいつと勉強したのは間違いだった。自分の勉強どころじゃない。こいつの先生役をさせられただけだ。はぁ、家に帰ってやらなきゃな。

「よし、シェイク奢ってやるよ。バニラとチョコどっちがいい?」

「えっ、いいの?」

「今日勉強教えてくれたからな。」

たしかに、そう考えると当たり前の報酬だ。人ってのは時間を代償に社会に奉仕することでお金をもらうわけだし。それと似たようなもんか。

でも、当たり前と思っていても、このシェイクの味は格別だった。冷たくて甘ったるい感じが喉に浸透して心地よい。僕がこういうのを欲してたってあいつ知ってたのだろうか?こういうところが松本が女子から人気のある原因なんだろうな。

真っ暗な中、僕と松本は二人で自転車をこぎながら帰った。はたから見ると仲良し二人組みたいに映るのだろうか?僕らそんなに親しくはないだろう、けど、少なくとも僕が緊張しないで話せる相手のうちの一人だろう。それでもまだ、心の全てを見せたわけじゃない。まぁこいつは正直だから、こいつの心は全裸同然だけど。僕もいつかこいつみたいになりたい、とは到底思わないけど。そんなことを僕が考えていた時、

「なぁ、松本テスト終わったらバスケ行こうぜ。」

「えっ、嫌だよ。僕運動苦手って知ってるだろ。」

「だから、勉強のお礼に俺がおしえてやるんだよ、バスケ。」

「いいよ、そんなの。シェイク奢ってもらったし。」

「一月のクラスマッチ、バスケだぞ。うまかったら、きっとモテる。お前に至ってはいつも暗いやつが綺麗にシュート入れてみろ。ギャップ萌えってやつですぐ人気になるぞ。」

「それ本当なんだよね?」

「俺は友達に嘘はつかない。」

モテるのか、最後に告白されたのは小学の時だな、しかも遊びで。モテたい、この種の欲望が僕にも多少なりともあるのはわかっていたけど、こんなに強いなんて。僕もこいつと同じなのかな。

「ふふっ。」

「今モテてるとこ想像して笑ったのか?それともヤってるところ想像しちゃだのか?」

松本がニヤニヤしながらこっちを見る。もしかしたらこいつに僕の心の洋服は脱がされかけているのかもしれない。でも、多少なら見せてもいいかな。

付いたり消えたりしていた、少し前の電灯がしっかりと点灯し始めた。



読んでくれてありがとうございました。次も頑張ってできるだけ早く投稿したいと思います。

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