修羅場
気長に読んで行って下さい。
ティア視点。
非常にやばい状態になってる。
あれからアルシェと部屋に戻って来た時に、部屋の前で腕を組んで立ってるセシアの姿があり、それで今は尋問されている。
「で? 何で二人で部屋に居るの?」
「セシア、黙ってたことは謝る。そのな、訓練が長くてセシアに会いに行く時間が作れなくてな」
「ふーん。言い訳は良いわよ、ティア? 後で二人きっりで話そうね!」
「は、はい」
それまで正座と言われ、俺は部屋の片隅で正座をすることにした。
アルシェ視点。
「で、王女さんの貴女はティアに何をしてたの?」
「私はペアとして一緒に訓練してただけですけど?」
この人がセシア………確かに可愛いし、綺麗………ね。
「ねぇ、王女さん、ティアに何もしてないわよね?」
怖い! 何この人怖い! いま私を見る目に全然感情がこもってないし、光も無い………。
そんなにティアが大切なの?………。
「ティア、そういえば家出来たのよね? 師匠から聞いたよ」
「はい」
凄い怯えた返事をするティア。
「なら、何で今日は………あ、ごめん。ティアには後で聞くって言ったのに。で? 何でここに来てるの? 正直に答えなさい 」
「えっと、アルシェに今日は部屋に泊まって行ったらと言われて、まぁ一日ぐらいなら良いかなって」
「アルシェ?………………随分仲良くなったようね、アルシェ!」
「え。まぁそうね! ティアとはかなり仲良くなれたと思ってるわ!」
「っ!………………ティア、帰るわよ」
「え、でも、今日は」
「何? この女と居たいの?」
ティアはちらっと私を見て、少し時間を開けてから立ち上りセシアの方に寄っていった。
「よろしい。ティア、その、今日はティアの家の方に泊まるから、宜しくね」
「え。あ、うん」
「ち、ちょっと待ちなさいよ! ティアと先に約束してたのは私よ!」
私はティアの腕に自分の手を通して、腕を組み、自分の本人に引き寄せた。
「貴女ねぇ、どうやってティアと仲良くなったかは知らないけど、余りティアとそういうことしないでくれる? 恋人でも無いんだし」
「恋人じゃないからってしては駄目とは決まって無いでしょ!」
「はあ? それを彼女の前でやるってこと事態がおかしいのよ。ティアは私のよ、諦めなさい」
「………な、なら、ティアはどっちが良いの! 今日は私とこの部屋で寝るの! それともセシアとあなたの家で寝るの!」
「ん? そりゃ、セシアと家で寝たいけど」
「な!?」
「ほら、みなさい。ティアは私が大好きなんだから、分かりきったことだったのよ」
セシアは自信満々な顔で腰に手を当ててる。
私はティアと組んでいた腕を離し。
「でも、セシア、アルシェは悪い奴じゃないし、今日だけならまだこの部屋に泊まっても良い?」
「え?」
「アルシェから、悪意は感じられないし、俺は大好きになったから、約束を先にしたし、アルシェを優先したんだけど、駄目?」
「………はぁ。ティア、それなら約束して」
セシアはティアに耳打ちで何かを言い。
「分かったけど、そんなので良いの? 逆にご褒美になりそうだけど」
「良いの。まぁ、今日のところは帰るわ、ティアまたね!」
セシアは帰って行き。
「ねぇ。ティア、さっきの大好きってどういう意味?」
二人になった瞬間、私はその質問をティアにした。
さっき、大好きだからって、優先したいって、それって………………。
「そのまま意味だが? アルシェは悪い奴じゃないから、俺はもう大好きだよ?」
あ、分かった………この大好きは別に私を恋愛的に大好きでは無く人間的に好きになってくれたんだ。
短い付き合いだけど、分かる、最初は猫みたいに警戒してたけど、いまはそれが解けて私に心を許してくれてる。
まるで犬の様に。
「私も好きよ、ティア」
「そっか、ありがとう!」
私の好きはあなたの好きとは違う、だけどきっと、あなたには伝わってないけど、別に良いこれから伝えて行けばね。
☆
ティア視点。
「おぉ」
俺は次の日、師匠の伝手で大工に頼んでおいた家が完成しており、それを今日は見にきた。
三角屋根、少し縦長い家、窓は左と右に一つずつあり、真っ正面には玄関ある。
その玄関から俺は中に入り。
中は一つの部屋で、窓側に木製の机と椅子、その近くに棚で、その反対側にもう布団が引かれたベットがある。
後は中ぐらいのクローゼットがあるぐらいの一人部屋みたいな家だ。
「ふむ。良いな」
こう、木の匂いがすると何だか落ち着く、ここは余り人も近寄らないし、静かだから結構好きな場所かも。
あとは、あれが出来てるはず。
俺は外に出て、ちょっと歩いた所に煙突が付いた家が一つ見えてきた。
そう、自分の能力を無駄に使い、俺はとあるものを頼んでおいたのだ。
俺は小屋のドアを開けると入った所は脱衣場で、三個立てに穴が空いてる棚が何個か無駄に並んでいるいたって普通の脱衣場だ。
そして、その奥にある引きドアを開けると。
「おぉ! 出来てる! 出来てる!」
湯気が充満していて、床は木材で出来ており、中央には下から沸き出てる温泉が入ってる風呂がある。
そう、これこそ俺が気配察知でとらえ、掘り当てた地下水脈の温泉。
早速入ろう………誰か来た。
この気配は師匠にセシア、後は茶髪女にアルシェ?
かなりの人数がここに向かってる。
俺は一旦入るのは辞めて家の方に戻って行った。
「あ! ティア!」
セシアは俺を見つけて走って来るので俺も走りセシアを抱き締めた。
「セシア? どうしたの?」
「アルシェの所に行ったらもう家に言ったって言うから師匠連れて行こうかなって。まぁ、マナは良いけど、そこの王女は知らない」
知らないって一緒に来たんじゃないのか?
「まぁ、良いや、セシア、その、流石にこの人数を入れると狭いんだが」
「ん? ならあたしゃ帰るとするわ、また来るでな~」
「あ、師匠! 温泉だけでも入ってってよ!」
「そうだね、ならあたしゃは温泉入ってから帰るとするわ」
師匠は温泉がある小屋の方に歩いて行き。
入る人数は俺を合わせて四人………………まぁ、大丈夫か。
茶髪女を入れるのは気が進まんが、セシアの友達だから今回は多目に見よう。
三人を中に入れ、客人用の椅子も何も無いので三人にはベットに座って貰い、俺は机と一緒にある椅子をセシア達の方に向けて座った。
「………………」
「………………」
なんだ、この空気………。
セシアとアルシェは険しい顔で横目で睨み合ってて、その間に居る茶髪女は苦笑いしながら今直ぐにでも逃げ出したそうにしてる。
「セシアは今日は泊まって行くよね?」
「えぇ、今日は久しぶりの二人きっりよ!」
「え? 二人でここに寝るの?」
「何かある?」
「いやだって、ここベット一つだよ?」
茶髪女は何か、疑問に思ってるのか苦笑いしながらベットに指さしてる。
「うん。だから?」
「それが、どうかしたか?」
「ん? これ、私がおかしいのかな? ベットが一つでここに寝る人が二人だよね」
「「うん」」
「いやいや! 流石にまだ学生の内で流石に駄目でしょ! そんなふしだらなこと!」
ふしだらなこと……………………今さら?
最近はキスとか出来てなかったけど、会う度にキスは絶対してたし軽いスキンシップもしてたからふしだらな、まだ最後まではしてなくてもチョイスそういうことはしてたし。
「あー、この顔絶対それらしいのしてた顔だ、君達学校で何してるの?」
「いや、するの普通じゃない? 恋人だし」
「いや、まぁ、うん。良いんだろうけど流石に最後までは駄目でしょ」
「お前には関係無いだろうが、茶髪女」
「うわぁ、みもふたもないこと言うね、と言うかまだ茶髪女なの? マナって名前で呼んでも大丈夫だよ?」
「………セシア、こいつどう?」
「ん。マナは良い子だから大丈夫だよ、私が言ってること信用出来ない?」
セシアは信用出来るけど、まだこいつは分からない、アルシェは剣を合わせ、暫く一緒に暮らして良い奴だって分かったけど茶髪女はまだ………。
「おい、性はなんて言う?」
「え、アルシグナだけど?」
「そうか」
アルシグナ。一応覚えたな………。
「えっと、なに?」
「多分、次からは性で呼んでくれるんじゃない?」
「あ、そうだ、ティア」
今まで空気だったアルシェがティアを呼ぶ。
「どうかしたか?」
「もうすぐ剣武祭があるから、そのつもりでいてね」
「剣武祭?」
誤字、脱字報告をしてくださると幸いです。