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隠し事  作者: 無神パル
1/2

記憶喪失の君

「あー今日もつまんねーな」

自然なほど口からぽろっとでてきてしまう。

教室の隅で一人でいる。

俺は一。趣味はゲーム。高校生だ。

いつも通りの日

何も変わらない。

無関心の日々が続いた。

昔はもっと楽しかったのに・・・・

なんて思ってしまう


ある日事態が一変した

「◯◯高校から転校してきました。彩です。よろしくおねがいします。」

「?!」

見覚えのある姿が俺を過去に包み込んだ。

白髪の髪。赤い瞳。

小学校のときの親友の彩だ。

俺は喜ぶことしかできなかった。


休み時間


「あ、彩!久しぶり。」

「?」

「え?俺、一だけど」

「あの・・・。どちら様ですか?」

「は?!おまえ覚えてねーの?」

「・・・・・すみません。」

彩は俺の事を忘れてしまった。

「・・・・どうして」

「は?」

「どうして一さんは僕の事を知ってるんですか?」

「どうしてって・・・・小学校の時仲良かっただろ」

「そっそうだったんですか・・・・」

久々の出会いがいつのまにか初対面になっていた。


「陽ー!」

「はいはい。なんすか?一さん。」

「飲むぞー!」

「ドリンクバーだけにしてくださいよ。未成年なんだから。」

「ゔーーー」

「何があったんだよ。彩に会えたんだろ?良かったじゃん」

俺は陽とファミレスに来た。

陽は彩とも仲良しだったやつ。

ちなみに今は俺の友達。

「実は彩が・・・・記憶がないみたいなんだ。」

「え?なんの?」

「俺達の記憶。」

「まじで?!」

「うん・・・・( i _ i )」

「漫画やアニメじゃあるまいし・・・・そんなことって本当に起こるんだな」

思い出すだけ胸が苦しくなる

「陽・・・・」

「ん?」

「今日奢れ・・・・」

「はいはい」


翌日


「一さんー!」

「?」

陽が俺を呼ぶ声が聞こえた。

「何?あんまりでかい声で叫ぶなよ」

「はーい。すんませーん!てかさ、彩、覚えてんじゃん。俺たちの事。」

「え?」

「さっき彩呼んでみたら『陽!久しぶり!』って言ってた」

「嘘だ、冗談だろ?」

「ほんとだってーーーあ・・・・」

陽の言葉が詰まった目の前に彩がいた。

「彩!」

「?!」

「なんで?!なんで俺だけ忘れたの?ねぇ!あんなに仲良かったじゃん!・・・・なんでだよ・・・・」

「・・・・陽くんどうゆう事?僕陽くん以外仲良しな人いないよ?」

心にその一言が刺さった。

苦しかった。

俺はそのまま教室に戻っていった。


何日かもう彩や陽と喋る事も出来なくなってしまった。

ご飯もろくにたべれなかった。

その時は本当にどうかしていた。

体育の授業で倒れたのだ。

保健の先生曰く栄養不足で倒れたらしい。

パチッ

「一さん?」

「・・・っ!」

まだ頭がズキズキする。

「まだ無理そうだったらおきなくていいですよ」

そう優しく声をかけてくれた。

目はまたはっきり見えないからよくわからないけど、

なんとなく彩だとわかった

だから・・・・

俺は話したくなかった。

「ありがとう。もう大丈夫だから戻ってくれ」

「・・・・あの」

突き放したのにそれを遮るように彩がいった

「今日もし体調良かったら教室でまっていてくれませんか?・・・・一さん」

「・・・・え?」

それだけ言って部屋を出ていった。

そして俺はもう一度眠りについた


俺は彩に言われた通りに教室で待っていた。

ガラッ

彩が一人ではいって来た

「彩、話って・・・・」

「一さん。ごめんなさい。」

彩の最初の言葉はそれだった。

「僕、2年前交通事故に遭ったんだ。その時に記憶喪失になっちゃって・・・・」

「・・・・」

俺は何も言えなかった

そのかわり気づけなかった自分がすごく恥ずかしくなった

「母さんも気遣ってくれて『記憶が戻るまで昔の友達といた方が』って言ってこっちに戻ってきたんだ。」

彩の目には涙が浮かんでいた

ずっと苦しかったんだろうな

「なんで・・・・言ってくれなかったの?」

「思い出したくなかったから。」

衝撃的な一言だった

「結局。俺の事なんてどうでもいいんだろ!だったらはやーー」

「ちがう!」

ギュッ

「?!」

彩にてを握られた。

俺は一気に赤面してしまった。

彩は静かに話始めた。

「・・そうだよ。もう転校してくる前から分かってた。一さんは僕のどんな存在なのかも・・・・」

彩は握ってる手を離し俺を抱きしめた

「もう離れたくないんだよ・・・・好き、好き、大好き、一さんが好き。もしダメなら僕は転勤先に帰るから・・・・」

彩は俺から離れて呼吸を整え始めた

(彩が俺の事が好き?)

それしか考えられなかった。

「あのさっ!ライクの好きなんだよね?」

「ううん。・・・・ラブの好き」

?!

今なんと・・・・

ブァァァァ

俺は真っ赤になってしまった。なんか見られるのも恥ずかしい・・・・

その様子に気づいてくれたのか彩は

「返事は今度でいいよ」

って言ってくれた

正直恋愛もろくにしてきていないのに好きって気持ちがわからなかった。


昨日の告白から彩の態度がガラッと変わってしまった。

同じクラスでもっと仲がいい人がいたら絶対に違和感を感じてしまうほどだ。でも、幸い休み明けだったので他の人は彩が『学校に慣れた』という印象しか持ってないだろう。

「一さん!あのですね!・・・・」

なんて話しているうちに分かったことがたくさんあった。

・音楽を作ったりする

・歌う事がすき

・猫がすき(これは昔からそうだった)

・怖いものとかが苦手(もともと知ってた)

・体育が嫌い(全部見学w)

などなど

昔と変わらない所もかわってる所も知れば知るほど彩に夢中になってきた気がした。

(これが・・・・好きなのかな・・・・?)


それからまた何日かたった日

いつものように「一さーん」と来た。

でも・・・・

俺たちが話していると一人の男が彩に近づいていた。

良太だ。

俺と違って明るくていつもクラスの真ん中にいるような学級委員だ。別に転校生の彩に話したっておかしくはない。

・・・・なのに

何かの嫌悪感がよぎってきた

胸が苦しくなった

がたっ!

思わず席を勢いよく立ってしまった。

しーん

静まり返った教室を見て俺は物凄く居づらくなってしまった。

「ごめん。ちょっと腹痛いから次の授業休むってせんせいに言っといて・・・・天月」

「?わかった。大丈夫?」

「ちょっとクラクラするだけだから大丈夫。」

「え!?ほんとに大丈夫?!」

良太は少し悩んだ様な雰囲気を出しながら言った。

「・・・・また次の休み時間見に行くから、・・・・やっぱりちょっと心配だから彩と行って、倒れられたら心配だから。彩も言っとくから、心配なら行っといで。保健室の先生。多分今いないからこの時間一緒にいといて。どうせホームルームだから大丈夫だろ」

「あ・・・・サンキュー。」

ほっ

なんかの安心感が広がった。

・・・・もうなんなんだ。


ガラッ

「一さん?大丈夫ですか?」

「ねぇ、彩。」

「?」

「さっき、良太と話してたじゃん?」

「うん。」

「その時に胸がキュッってなったんだ。なんなんだろうな・・・・・」

「それって・・・・ヤキモチですか?」

「?・・・・そうなの・・かな?」

恋とかやきもちとかよく知らないからどう反応すればいいかわからなかった。

「俺、彩の事・・・・好きなのかな・・」

そう思えば思うほど彩の事を好きになってきてしまった。

「・・・・一さん。失礼します・・・・」

そう言って俺にかおを近づけた。そして

ー俺たちはキスを交わした

その時、お昼の後のことだったから彩から甘いミルクの味がした。別に嫌じゃなかった。むしろこの唇の感触を忘れたくなかった。

ーもう一回、もう一回だけ・・・・

そう言いつつエンドレスで、キスをされた。いや、この言い方はおかしい。キスを受け入れた。

誰もいない分、保健室には俺と彩の吐息だけが響く・・・・

「一さんのキス頂いちゃいました。」

なんてちょっと悪魔の様に笑う彩がとっても可愛く見えた。

「ふふっ・・・・これからよろしくな。彩・・・・」

今度は俺から・・・・と顔を近づけた・・・・

が!

その間がとても悪かった。

キーンコーンカンコーン

授業が終わった。

「ーーーっ!///」

そんな風に恥ずかしがってる俺を見て

「あははは!」

と大げさに笑った。悔しい!不意打ちしてやるー!

「今日デート・・・・行こうか・・・・」

「え?!」

俺の想像通りだ。固まってた。そしたらだんだん顔を赤らめた。ここまで想像してなかったのだろう。

ーかわいいな

俺も笑った。


放課後


「デートだーー!」

「イェーイ」

まぁデートといってもゲーセンに行くだけ。

何をするんだろう?

そう考えている時。カービーの大きいぬいぐるみが目に入った。そういえば、『カービー好きなんですよーなんて言ってたっけ?

「彩、カービー好きだったよな。あれ取ってやろうか?」

そう言って俺はカービーのクレーンゲームを指差した。彩は『覚えててくれたの?!』みたいな顔をしてすぐに「欲しい!」と言ってくれた。

ーーよーし。頑張るぞー。

「一さん!あの眠ってるやつがいい!」

彩が指していたのは青いぼうしをかぶっているまさに「ホワーン」って感じのカービーだった。

ただ、ちょっとのめり込んでいた。俺もクレーンゲームは得意な方だが、流石にこれは難しそうだ。でも!

「頑張るぞー!」

なんて呑気なことを言った。


ー一時間後ー


「ごめん!ほんとに今度はちゃんととるから!」

「いいよ!一さんが取ってくれただけでも嬉しいし」

そう彩は俺の失敗して取ったノーマルカービーを大事そうに抱えた。

俺たちは今ゲーセンをでて夕焼けが綺麗な浜辺にきていた。

「綺麗だな」

「綺麗ですね。こんなところあったんだ。知らなかった・・・・」

ここはよく俺たちがみにきた場所だ。

「記憶取り戻したんじゃないの?」

不意に尋ねてみる。

「うん。一さん達の事は思い出したんだけど、まだ感覚が思い出せたりしなくて・・・・」

「そうなんだ。・・・・でも、まぁゆっくり思い出していこう。俺も手伝うから・・・ね?」

「一さん・・・」

「そういえば、彩が告白する前に坂田は覚えてみたいなことがあったじゃん。何で陽だけに記憶覚えてるって言ったの?」

彩は顔を真っ赤ににして言った。

「そっそれはっ!嫉妬して欲しかったのと・・・一さんの困ってるとこが・・・かっ可愛かったから・・・つい・・・ごめんね」

なんかそんな事思われてたんだ・・・聴いてるだけで恥ずかしい!

でもなんか嬉しかった。

「いいよ。もう、彩は俺のものなんだから・・・」

そう言って日が落ちると同時に誰もいない浜辺で初めて俺からキスをした。

「一さん・・・」

「俺も彩のキス奪ってやったぜ」

この前の仕返しの意味も込めて俺は言った。

まだ、9月だがやっぱり日が落ちると半袖は少し寒い。

「そろそろ帰ろうか」

「はい。そうですね!」

俺たちは手を繋いで帰った。



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