プロローグ 新婚旅行は日本!?
今回から第五章が開幕します!
タカノたち三人は時空を超えて日本へ!?
元日本人のタカノと現異世界人のミラたちが繰り広げる異文化コメディー、ご期待あれ!
戦争の終結からさらに数日後。
ミラとオズは三人揃って気分が浮き立っていた。
なぜなら今日から俺たちは偶然できた夏の長期休暇を利用して旅行に行くからだ。
異世界へ行くための役所での手続きも『向こうの世界での俺の肉体のこと』で少々こじれたがなんとか解決し、下準備は整っている。
「ついに日本に行けるのね!アタシ超楽しみ!」
オズは今にもどこかへ飛び出していきそうなぐらいにテンションが上がっていた。
彼女は戦争の後、俺と事実上の結婚を果たし夫婦関係となっている。
日本への旅行は俺とオズの新婚旅行も兼ねているし、テンションが上がるのはなおさらだろう。
俺もオズたちと旅行できるのがとても楽しみだ。
「トモユキどうしたの?」
俺のことを心配しているようにミラが声をかけてきた。
どうも不安が顔に出ていたみたいだ。
俺には一つだけ懸念していることがある。
それは旅行先が『日本』だということだ。
「マジで日本に行けるのかーって考えてたらさ」
「何か嫌なことでもあったの?」
ミラの無邪気な質問が俺の心にグサグサと突き刺さる。
嫌なことって言うか、俺日本で一度死んでるからな。
ミラやオズが楽しみにしている手前元現地人である俺も行くが、死んでから元の世界に戻ってくるのはなんとなく躊躇いを感じる。
「安心しなさいよ。アタシが付いてるからさ」
オズが胸を張って俺を励ましてきた。
本人には悪いんだがオズがいると安心する面こそあるがそれ以上に不安を感じる面の方が大きい。
そこはある程度の諦めがついているからそこまでたいしたことではないのだが。
「…そうだな」
まあ、そんなことを悩んでいても仕方がないか。
これで気持ちの切り替えはついた。
「さぁ、準備はいい?」
「ちょっと待って!」
魔法を発動させようとしたオズをミラが引き留めた。
今回の俺たちの移動手段はオズの召喚魔法だ。
「クロも連れて行かないと!」
そういうとミラは庭で寝ていたクロを呼び起こした。
そうだな、クロも連れて行くことになってたもんな。
「よし、今度こそいいわね?」
「おう」
「うん!」
舞台を家の庭へと移し、オズは改めて確認を取った。
今度こそ問題はないはずだ。
「大いなる者よ!その高貴なる魔力を以て、我らをまだ見ぬ地へと導かん!」
オズは杖を構えると詠唱を行い、召喚魔法を発動させた。
俺、ミラ、オズ、そしてクロまで完全に囲んでしまうほどの巨大な金色の魔法陣が現れ、目がくらみそうなぐらいの眩い光を放つ。
「いざ、日本へ!!」
オズの気合十分な詠唱と共に俺たちの視界は陣から放たれた金色の光に包まれた。
こうして、俺たちの十八日間に及ぶ日本旅行が幕を開けた。




