表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

生まれてしまったものは仕方がない

楽しんでもらえるかドキドキしながら投稿してます。

気に入っていただけると嬉しいです。


うーん、どうしようかな。


いや、どうしようも何も、もう生まれてしまったものはしょうがないんだけどさ。




事故って身体に衝撃が走ったと思ったら、次の瞬間には身体が圧迫されて、頭から順に解放されたと思ったら目も見えない耳も聞こえない状態だった私は、混乱と不安でパニックだった。


そんな状態で体中を舐め回されて死ぬほど恐怖に震え上がった当時は、それが母の腹から生まれ出て、身体を綺麗にしてもらっていたなんて思うはずもない。

本当、「殺される・・・!」って思ってたからね。


頭は混乱してても本能でどうするべきかを知っていた私は、這いずって乳の匂いを嗅ぎつけ、乳首にむしゃぶりついてとりあえず腹を満たした。

母乳を吸っては寝て吸っては寝てを繰り返して、やっと目が見えるようになって来て自分の状況を知って、頭を抱えたのは少し前の事だ。


目が見えるようになったと喜んだら、目の前に巨大な狼がいて口をがぱっと開いていた驚きと恐怖ったらない。

思わず失禁した。




状況を知ったといっても、理解なんか全然できていない。


何で「死んだ!」と思ったらいきなり狼の子どもになっているんだろうか。

状況的にも本能的にも、目の前の巨大な狼が母親で、近くに2匹いる子狼が兄妹のようである。

母親が巨大というか、私が小さいだけなのだろうけれど。

明らかに赤ちゃんだし。


ぐるぐる考えていたけれど、こんなの考えても分かるものではないんだろうなって途中から思えてきた。


輪廻転生ってやつなんだろうか。

けっきょくは、答えなんて出ないよねって結論に達して、考えるのを止めた。

きっとそういうものなんだろう。




そして、最近はやっと歩けるようになってきた。


歩くとは言っても、ポテポテと必死に手足を動かしてはバランスが取れずにコロンと転んでしまうような有様で、まだまだ移動は床を這いずってる感じだ。

移動できるようになってきたのが楽しくて、あっちこっちチョロチョロと動き回っては遠くに行き過ぎると母に連れ戻されている。


目が見えるようになって、私たちの棲み処はゴツゴツした岩の洞窟であることを知った。


そこへ時々母よりも体が大きな狼が肉を銜えてやって来ては、母と「うぉうおう」やら「がうがう」やら、何かを話しては去っていき、置いていった肉は母が食べている。


母の食料配達係なのだろうか。

父親なのかとも思ったが、来るのは肉を持ってくる時だけなので、たぶん違う。

それに、持ってくる狼はよく見ると顔つきや瞳の色、毛の色や模様が若干違うから別の狼が持ってきているようだ。

狼は群れを作るはずなので、群れの1匹が代わり番こで持って来ているのだろうか。


何匹か別の狼がいるのは確実で、外がどうなっているか見てみたいのだが、私はこんなヨチヨチ歩きの赤ちゃんだ。

頑張って洞窟の出口へ向かうも、またすぐに連れ戻されてしまう。

なかなか母のお許しは出ない。


それでもめげない私はうんせうんせと出口を目指してポテポテ歩く。


「うぉう、わふ」


あ、母に呼ばれてる。

この鳴き声はお乳タイムだ!


くるっと方向転換して、きゅんきゅん鼻を鳴らしながら洞窟の奥へと戻り、寝転んでいる母の腹に顔を埋めて乳を吸った。


目が見えるようになってからは、狼の乳首を銜えて乳を飲み込むという事に抵抗感があったけど、今まで吸ってたし、ということで割り切っている。

お腹が減ったら飢えて死んじゃうんだから、自分の感情でどうにか出来るものじゃない。

乳を吸うのは本能だ。


って、アイタ!

ちょ、痛い痛い、蹴らないでよもう!


ムカついたので手で兄妹の身体をぐいぐいと向こうへ押しながら、お乳タイムを死守する。

母にはたくさんの乳首があるのに、同じような場所へ集まってぎゅうぎゅう押し合いながら乳を吸う事になるのは何故なのか。


ちなみに私はお気に入りのマイ乳首があって、必ずそこで吸っている。

ここが一番乳の出が良い気がするし、同じ場所って何だか落ち着くのだ。

私専用って響きも良い。


いつも通り最後まで乳を吸い、限界までお腹を膨らましてウトウトしてると、母の大きな口が近づいてきた。

食べられることはないと知っているので、今はもう怖くない。

舌で顔をベロンべロンと舐められるのにもやっと少し慣れてきた。

勢いよく舐められると体重が軽いからそのままコロンと転がってしまうが。

子狼はコロコロ転がるのが宿命なのかもしれない。



しばらくしたら排泄物を舐め取ってもらわないといけないが、これにも慣れた。

慣れたというか、諦めた。

仰向けで両手両足を開いて脱力し、股を舐められる間はされるがままだ。


出来れば止めて欲しいとずっと思っているが、上手く排泄できないと病気になるか、悪くすると死ぬかもしれないのだからそんなこと言ってられない。

赤ちゃんって辛いなぁ。



今の目標は歩けるようになる事と、一人で排泄できるようになる事である。

何をどう頑張ったって人間に戻ることはできないのだから、もう狼として生きるしかない。

どうしてこうなったか分からないが、一生懸命に生きよう。


「はぶしゅっ!!」

「きゃぉん!?」


目の前で起こった母のくしゃみで吹き飛ばされた!

ちょ、顔がなんか濡れてる冷たい!!

やだ汚い!


・・・ 不安しかないが、頑張って生きていこうと思う。

設定はもう少し先まで書き進めているのですが、文章としては全然書き起こしてない状態です。

形に出来たらどんどん上げていこうと思っています。

見直しはしていますが、表現が分かり辛いところがあったり、誤字・脱字があれば教えていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ