プロローグ
あらすじと内容が若干被ります。
どうしてこんなことになったのか。
嘆いても始まらないので、私の身に起きたことをまとめてみる事にする。
昔からどうにも運が悪い事を除けばごくごく普通のOLだった私は、トラックに轢かれて死んだら何故か狼に転生してました。
初っ端から何言ってるか分からないって?
分かる分かる、私も意味が分からないから。
私は最初、ブラック企業に勤めてしまった日々の過労のせいで、とうとう幻覚を見始めたのかと思った。
けれどトラックに轢かれた記憶が鮮明にあるし、感覚がリアルすぎるし、あまりに長く日々が続くし、もしかしてこれ現実なんじゃって不安を徐々に受け入れていった。
ちなみに普通の狼ではなく、“魔狼”です。
どうやらここは前と別世界のようで、群れの狼たちは狩りの時とかに魔法を放ちます。
何そのファンタジー、超絶求めてない。
群れはいくつかの家族が集まった集団であり、リーダー一家、上層狼、中層狼、下層狼とヒエラルキーがあって、下に行くほど数が多くなっていく。
私の知っている狼と生体が違うような気がするけれど、別世界なのだからそんなものなのかもしれない。
そんな中、私は下層狼の3匹兄妹として生まれた。
下層狼はリーダー一家や上層狼の下働きみたいな役割である。
生まれ変わっても私の人生(狼生?)はこんなもんだった。
しかも身体は魔狼でも、心は人間の私だ。
生き物を狩ったり、生肉を食べたり、毛を舐めて整えたりという魔狼たちの生活に馴染むことができなかった。
カルチャーショックで済まされない生活の違いに、生きることが辛い私の気持ちがお分かりいただけるだろうか。
せっかく転生したのだから今度は長生きもしたいし、忙殺されるような生活を送りたくもないし、嫌なことはなるべくしたくない。
だから私は考えることにしたのだ。
今度こそ、私の思うように生きるための方法を。
そのために、なりふり構わず行動をするのだと誓って。
これは私が、命の危機がない、人間らしい平穏な生活を求めて頑張る物語なのだ。
ついでに現世では幸運に恵まれるようになった私が、その過程で何故か人間の村やら国やらを救うことになっちゃったお話でもある。
とうとう小説を初投稿しました。
楽しんでもらえたら幸いです。