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第10話 換金とパーティー登録

ギルドカードを手に入れてひと段落かと思いきや、問題はまだあった。



「あとはこいつの文無し状態をなんとかしねぇとな。」



それである。このままでは今日泊まる所にも困るだろうから、今すぐにでも金を作った方が良いのだ。たがしかし、今日に限ってろくに儲かる仕事が少なかったせいで、既に雑用系の依頼(クエスト)しか残っていなかった。本当なら雑用でも今日1日くらいはもつのだが、ミストにそれをやらせるのは危険だとアガンは判断した。となると、やはり自分が貸すしかないのか・・・などと考えていると



「じゃあ、今日はアガンの部屋に泊めて【ゲシッ】痛い。」



ふざけた事を曰うギルマスは腹を蹴って黙らせる。勿論ミストの耳は塞いである。保護者(オカン)は子供の教育に悪い物は絶対に聞かせない。



クイックイッ



「なんだミスト」

「ねぇアガン、これって売れる?」



そう言ってミストは魔法倉庫(インベントリ)から素材を差し出す。そこには鈍い銀色の球があった。これはこの世界に来る前、まさにあの完徹していた時に、大量に倒した【アイアンゴーレム】からドロップした物である。所謂はずれだ。



「お、アイアンゴーレムのコアか!ここに来る途中で取ったのか?これなら銀貨7枚で売れる。こんだけあれば2週間近くは暮らせるだろ。」



この世界の住人が1ヶ月で使う金額は、おおよそ銀貨15枚ほどだ。アガンはホッとした様な表情になる。ちなみに【アイアンゴーレム】はランクC下位のモンスターだが、そのコアは魔力との親和性が高く、武器を作る際に需要が高いためそれなりの値で買い取られている。ミストが狙っていたのは稀にドロップされる【魔鉱石】。コアよりも親和性が優れ、高位の魔法発動媒体によく使用される素材である。が、本当に稀にしか出ないため、



ドサッ!ドゴドゴォ!ゴロゴロゴロゴロゴロ・・・



「いや何個あんだよ!?あと床に転がすな!」

「1042個」

「はあ!?」



まあ、そういう事である。入手しようとすればその分はずれが大量にドロップされる。魔法倉庫(インベントリ)の容量を圧迫してやまなかったので、ミストとしてはここで減らしておきたい。こうして金貨72枚と銀貨94枚を手に入れた。1年は遊んで暮らせるであろう額だ。受付嬢(リア)が再び固まってしまったために、全てギルマスが対応するという超特別待遇であった。



「それじゃあ、帰る前に2人のパーティー登録をしておこう。暫く一緒に活動するんだよね?」

「そうなりますね。」

「うんうん、アガンと一緒なら安全だよ〜。なんせアルカディアで1番強いからね。あ、こっちの水晶にギルドカードをかざしてくれるかな?」



ギルマスの指示に従い、カウンターに置いてあった人の頭の半分くらいの大きさの水晶にギルドカードをかざす。と、2人とも終えたところで水晶が淡く光り、パーティー登録が完了した。


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