プロローグ
「 っっなんっっでこうも素材落とさないんだよコンチクショウ!!!」
現在時刻、午前6時30分(水)である。・・・もう一度言おう。 午前6時30分 ーー (水) ーー である。バリバリ平日だ。そして今叫んでいる彼女、霧屋 雫は現役高校生。
つまるところ、翌日が学校のくせしてレア素材入手のために完徹したのだこの馬鹿は。
そんな状態で授業を受ければ、どうなるかなど考えるまでもないわけで
「すかーーーーーーー」
「霧屋ぁぁぁぁぁ!!!」
こうして数学教師、長谷川の髪が桜の花弁よろしく散っていく。嘗ては咲き誇っていたであろう頭髪は、今や見る影も無い。7割がた霧谷のせいである。
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「霧屋さん?もう放課後だよ?ほらほらおーきーろー」
「・・・おはようございます。」
「もう夕方なんだけどねぇ。」
篠宮 茜。霧屋の数少ないリアルの友人である。ちなみに霧屋が敬語なのは、寝ぼけているせいでたまに被る猫が勝手に出てきただけだ。
教室にはすでに5、6人の生徒しかいない。霧屋としてはさっさと帰って素材探しの続きといきたいところであった。が、
「きゃあぁぁぁ!」
「何だよあれ!?」
「こっちに来る!」
「ーーーーーーーえ?」
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この日、旅客機が公立高校に突っ込んだ事件により、生徒、教師含め重傷者7名、死者1名が報告された。