少女の為に、自分の為に
コンコン
ドアを叩く音が鳴った。
俺はすぐにフードを被った。
レンジ「どうぞ」
ラピス「ご、は、ん」
レンジ「今すぐ行くよ」
部屋から出る。
またラピスが手を繋いで歩きだす。
だから何故手を繋ぐ?
アリス『ご主人様は、鈍感ですか?』
レンジ『何となく分かるがまだ15歳だぞ。』
アリス『この世界は15歳で結婚出来るんですよ。』
レンジ『は?早くないか?』
アリス『前の世界だと20歳くらいにですがこちらは早いですね。あと一夫多妻制です。』
レンジ『ラピスがその気なら俺は…』
アリス『大丈夫ですよ。お嫁さん増えても、第一妃で私とお願いします。』
レンジ『わかった。』
ラピスがこっちを見ている。
レンジ「どうした?着いたか、ありがとうラピス。」
母「あんたがレンジかい?」
レンジ「あなたは?」
母「私はラピスの母親のマーシアだ。」
マーシア
性別 女
種族 人族
年齢 32
ジョブ 元冒険者
ステータス
Level 45
HP 510/510
MP 240/240
攻 260
防 230
素 240
スキル
斧術3
土魔術2
剛力2
料理2
礼儀1
マーシア「ラピスを助けてくれてありがとう。私が留守の間にふざけたことする奴に狙われたんだ。」
レンジ「貴方は強いですね」
ステータスが低いのは多分戦闘用の装備をしてないから、だと思う。
装備をしてたらステータス倍くらいになると思う
マーシア「ほう、分かるのかい私は元Aランクの冒険者だったんだよ。」
レンジ「気にしないでいいですよ。女の子を泣かせるゲス共を殴っただけですから。」
マーシア「ふふ、あはは!」
何か急に笑い出した。
俺なんかおかしな事言ったか?
マーシア「いや〜笑って悪かったね。あんたみたいに女の子に優しいやつは少ないだよ。特にあの子は小さい時から上手く話せず耳も聞こえずらくなって行くし、視力だってもうほとんど無いんだよ。なのにあんなに一生懸命、家の手伝いしてくれる。」
ラルフ「出来ました。オークの生姜焼きです。」
レンジ「ラルフさん、ありがとうございます。ラピスの症状は治せなかったんですか?」
マーシア「医者にも見せたけどわからないらしい。治せるならどんな事だってしてやるのに。」
レンジ「ラピスを呼んで貰えますか?」
マーシア「急にどうしたんだい?」
レンジ「あの症状は治せますよ。」
マーシア「は?」
レンジ「だからあれは、治せます。
但しラピスは魔法の才能を捨てないといけません。」
マーシア「ラルフとラピスちょっと来て!!」
ラルフ「どうしたんだ?いきなり叫んで?」
ラピス、首を傾げている。
マーシア「ラピスを症状が治せるらしい!」
ラルフ「何だと!!医者でも治せないものをどうやって!?」
ラピスは、驚いた顔をしている。
マーシア「レンジ!あんたはラピスを治せるのかい?」
レンジ「治せるますよ。但しラピス、貴方の魔法の才能がなくなる事になりますけど。」
ラピス「な、お、る?」
レンジ「絶対に治るぞ。」
ラピス「な、お、し、て」
レンジ「ラルフさんとマーシアさんもいいですか?」
マーシアさんとラルフさんは頷く。
レンジ「それでは、後で俺の部屋に来て下さい。」
3人とも仕事に戻っていった。
それにしてもラルフさんの料理美味しい。
すぐに食べ終わってしまった。
レンジ「ラピス、手が空いたら部屋に来て下さい。」
ラピスはコクンと頷く
さてやる事は簡単MPを吸い取り、スキルを消すだけだ。
やっぱり俺は…昔から女の子が泣いていると
助けたくたる。
アリス『それは、ご主人様のいいところです!』
レンジ『そうかな?そうだといいな。』
こんな事考えるのは、俺らしくないな。
いまはラピスだあの子は絶対に助けると決めた!
コンコン
レンジ「入っていきていいよ。」
ラピス「お、ね、が、い」
マーシア「失礼するよ。」
レンジ「それじゃあ早速始めるよ。ここに座って。」
椅子に座るように言った。
さてと、まずはスキルを消してから魔力を元に戻す。
レンジ「ラピス、始めるよ?目を閉じて。」
ラピスは頷いて目を閉じる。
俺はラピスの頭に手を置き…。
レンジ『俺はロリコンじゃね〜!!』
アリス『誰に言ってるんですか?』
それはこの物語を書いたやつ?
気をとり直して、消去スキルを使った。
ラピスに異常は無いか確認して魔力を吸い取り始める。
750/180
325/180
200/180
180/180
レンジ「よし終わったよ。ラピス、喋れる?」
ラピス「…あ」
マーシア「ラピスどうだい?」
ラピス「目が見える…声もしっかりと聞こえる。…私、声が出せる…」
しっかりと治った。
アリス『やりましたね。ご主人様』
レンジ『治って良かったよ。』
ラピス「レンジさん…あり、がとうござい、ます。」
マーシア「ありがとう!レンジ!旦那に伝えてくる!」
レンジ「これでもう大丈夫だよ。」
ラピス「…グス」
ラピスが泣き始めた。と思ったら
いきなり抱きついてきた。
ラピス「ごめんなさい。少しこのままでお願いします。上手く喋れなくて周りに馬鹿にされて…目が見えなくなってきて怖かった…ママやパパの声が聞こえなくなるんじゃ無いかと思ったら、いつも泣きそうになって苦しかったよ…。」
レンジ「大丈夫、大丈夫だよ。君はもうこれ以上、苦しまなくていいんだよ。」
ラピス「うええぇぇぇん!!」
俺は優しく抱きしめてあげる。
この子はいつか真っ暗になりそうな未来が
怖かったんだ、それは生きてはいるけど
何も見えない、聞こえない、声が出ない、
そして死んで行く。
そんな人生がこの子に不安を与えていたのだろう。
感情の表現て難しいですね。