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キミボク  作者: きつねさん
仮想世界と要
9/51

異世界

12/19誤字訂正

目が覚めたら草原でした。

太陽光がポカポカ温かい。それに適度に風も吹いている。いい天気、昼寝にちょうどいい春の天気。

昼寝してこうかな?

一応いろいろ検証してからにしよう。


その前に

「【召喚、ネルヴァ】【指令、ネルヴァ、魔人化】っと。」

連々があの空間から装備されたままだったから一部詠唱を省略。

「ご主人様、おはようございます。」

「うん、おはよう。どうも昼みたいだけど。」

ネルヴァも正常。

召喚は問題ないみたい。

次は同時召喚数の確認かな。

「【召喚、モコ】【召喚、コン】【召喚、ヤタ】【召喚、キュー】」

白虎のモコ、天狐のコン、八咫烏のヤタ、属性を持たない純粋な精霊のキュー。

これで私を入れて今、ゲームの時の制約のパーティ上限まで召喚した。

問題はここからさらに召喚できるのかっていう事。

けど、この検証はもうちょっと後で。さすがにMPが少なくなってきた。

キューは戦力としてほとんど期待できないし、姿もただの淡い光が浮かんでるだけだ。

そんなちょっとしたお助けキャラだから召喚、維持コスト共に無視できるくらい。

だけど他の召喚体は強いのばっかだからね。

こんだけ召喚しても私のステ振りの特性上、まだ自然回復量の方が維持コストよりか勝ってる。

魔力回復薬とか使ってもいいけど、MPを少なくしすぎるのはちょっと怖い。


あれ、インベントリの中の物ってどうなってるんだろう?

そもそもメニュー画面を開けるのか。

インベントリの中のもの仕えたら結構やばいんだけど。

あのゲームは倉庫とか無かったから大抵の物はインベントリに入ってる。

超高額な金属のインゴットとか、超貴重な素材とか、私が結構な期間飢えないですむ量の料理とか。

一応上限はあったけど比較的安い課金で増やせたからなあ。

ちなみに私は課金で増やせる上限まで増やしたから容量が半端ない。

まあ、上位プレイヤーの人は増やしてる人の方が多かったけど。

むしろ増やしてない人の方がまれだった。



考え込まずにやってみればいいか。

「【メニュー】」

残念ながらメニューの中にインベントリの項目はなかった。

というかメニューからいろいろなものが消えてる。ステータス画面とか掲示板機能とか。

メニューからは消えてたけれど、インベントリは使えた。

【インベントリ】って言ったら黒い窓が出てきた。これがこっちの世界でのインベントリなんだろう。

インベントリがあったことには感謝なんだけど、インベントリの中身はなかった。

ああ、いろいろとため込んでいたのに・・・・・。

ため込んでたのがなくなったのは残念だけど、幸い私の今の装備は本気装備だ。

他に尖らせた装備とかいろいろあったけど大抵は今の装備で事足りる。

けど、ネタ装備とか裸装備(ただの服とか)を装備してた人は涙目だろうなあ。


後確認しないといけないのは召喚体リストかな。

これは名前のまんま私が召喚可能な召喚体の一覧だね。

私が召喚可能な召喚体の数は膨大だ。伊達にトッププレイヤーとか呼ばれてない。

それに私、コンプリートするつもりで召喚体集めてたし。

これがないと確実に忘れてる召喚体がいたからあって助かった。

取りあえずこの中から召喚、維持コストが安いのを呼ぼうか。

ここでもゲームと違うところを発見。

ゲームでは召喚体コストと維持コストが書いてあったのだけど、

それが消えて種族名と私がつけた名前しかでなくなってる。

「【召喚、ルフ】」

風の精霊のシルフ。姿は手のひらサイズのあわく光る人型。

戦闘能力はなく、ゲームではパーティ内にいると風の魔法や技の威力が上がった。

直接戦闘能力はないから召喚、維持コスト共に安い。

威力向上と言っても劇的なものでもなかったしね。

と言うかこの子程度を召喚するなら別にさっきMPの事気にしないでもよかったかも。


というか召喚出来ちゃった。

パーティ上限の制限とかはないんだろうね。まあ、ゲームじゃないし。

「ねえ、ネルヴァ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

「なんなりと」

「この子たちって自我ないよね?」

「自我がある様子は見れませんね。」

ネルヴァが同意してくれたように、

召喚体達は周りの警戒こそしてるものの、それ以外の行動はとろうとしない。

ルフとキューこそ私の周りを飛び回って遊んでるみたいだけど、ゲームでもこの行動はデフォだったし。

じゃあ、ネルヴァとこの子たちの違いは何か?

魔人化?それともあの空間で召喚したこと?

多分どっちかか両方だと思うけど情報が足りない。足りないし、あんまり意味のある考察でもない。

これでとりあえずやるべき検証は終わったかな?


「じゃあ、命令。コンとヤタとキューは周りの警戒と私に害をなそうとするものを排除。

 人が見えたら決して刺激せずに私に知らせること。

 モコとルフは食べられるものの確保。

 ただし狩りをするときは、首輪などの装飾品や、焼印とかがないことを確認してから狩ること。

 はい、実行開始。」

私の言葉に、モコはどっかに走っていき、コンとキューとルフは私の周りに集まり、

ヤタは空を飛んで警戒を開始した。


ゲームでは魔人化してない召喚体達とは意思疎通こそできなかったものの、

こうやって命令すれば認識できるだけの能力はあった。

現実になってもちゃんと認識できてるみたい。


「あの、ご主人様。私はどうすればいいのでしょうか?」

ネルヴァが迷子の子犬みたいな顔をして聞いてきた。そう言えば狼ってイヌ科だっけ。

ネルヴァの存在意義は私の役に立つことって自分で言い切るぐらいだからね。

命令がなかったことは不安なんだろうねえ。

けど、自我があるって分かってるネルヴァを他の召喚体みたいに扱う事はできないわけですよ。


「私これから昼寝するから、ネルヴァは私と一緒に寝よう。」

「あの、ですが私はあくまで仕える立場であって、それが一緒に寝るなど・・・・」

もう、頭固いなあ。

ネルヴァの性格もだんだん分かってきた。

私第一主義の忠実な、つまり頭が固いともいえる、メイドっていう感じ。

けど私は甘やかすって決めてるからね。


「もう、言わせないでよ。

 私だってこんな知らないところに放り出されて心細いんだよ。だから添い寝をしてほしいんだよ。」

「っ、すみません。私の考えが浅かったです。全力で添い寝さしていただきます。」

「いや、添い寝に全力も何もないと思うけど。」

ネルヴァは少し力が入りすぎている。そのうちおさまるかな?

おさまるよね。なんて言ったってネルヴァは生後三十分ぐらいだからね。

これから成長していくだろうし。


私はごろんと原っぱに寝転んでポンポンと隣をたたく。

「失礼します」

そこにネルヴァが転がる。

「ああ、ほんとにいい天気だねえ。」

「はい、そうですね。いい天気です。」

「ねえ、ネルヴァ、ありがとね。」

「何がですか?」

「んー、なんでもなーい」

ネルヴァがいてくれてほんとに助かってる。

ネルヴァがいなかったら相当心細かったと思う。何せ一人なのだ。


ソピアの言いようだと、こっちの世界で命は軽い。

だからころさんに伝言で一ヶ月は生きるの優先、って言っといたし。

多分ソピアはころさんに伝えてくれているだろう。

命が軽いと思った理由はソピアを攻撃した時殺す覚悟はあったの?って聞かれた時に

殺す覚悟があるって言ったら「こっちの世界向き」って言ってたし。

そんな世界で一人で生きていかなければいけない。

そんなif。ネルヴァがいるから想像はつかないけど、その時私はどうしただろう?

もっと余裕がなかったと思う。

心理的な面意外でも苦労したと思う。なにしろ私の見た目は子供だ。しかもとってもかわいい。

命が軽い世界でそんな子供が一人、さらおうと考える人も出て来ただろうね。

それを撃退したり、おそらくとっても殺伐とした日々を送ってたと思う。


そんなif嫌だ。けどあくまでif。

現実にはネルヴァがいてこんな風に昼寝もできる。

ああ、よかった。

「ネルヴァ、お休み」

「はい、お休みなさいませ」








結局私が起きた時には陽が落ちかけていた。寝た時の太陽の位置からしてだいたい二、三時間寝たかな。

と言うか夕日って・・・・・・これは野宿だね。

空を飛んでいるヤタの視界を共有したら一番近くの町は結構遠かったし。

ネルヴァに抱きかかえてもらって連れて行ってもらったら間に合いそうだけど、

ちょっとそんな速度で移動するのは怖い。ゆっくり慣らしていかないと。

何か野宿に役に立ちそうな召喚体はいない物か?

そう思いながら一覧を眺めてるとちょうどいいのがあった。

「【召喚、お菓子の家】」

その召喚体の姿はまさにお菓子の家。ただし、食べられません。食べてもいいけど死にます。

イベントで手に入れた召喚体。しかもこれお菓子の家に擬態した魔物。


たしか、街で子供が消える事件があって、その原因はこれだった。

森の方へ子供が入って行ったっていう証言をたどって行くとこの家にたどり着くんだけど、

この中に子供を食べる魔女がいる、とかいう事ではなく、この家の一部を食べた子供がその場で死んで、

その死んだ子供をこの家が食べていたっていうイベント。


正直ゲームでこの召喚体は全く使えない。

耐久地、じゃなくてHPも低いから壁にも使えない。

一応、PVPで目くらましとして使えない事はなかったけど、

正直これ召喚するぐらいなら他の召喚体を召喚する。


けど、今はありがたい。

野宿(原っぱに雑魚寝)から野宿(壁と屋根付き)に変わったんだから。

けど、あくまで魔物だから、内装は偽物。

動くことのない鳩時計だったり、床にくっついている机とか、ベッドの形に見えるなんか固い物とか。

どっちみち床に寝ることには変わりない。

ああ、そうだ。

「【召喚、スラ】」

ビッグスライムを召喚。指示を出してスライムにマット状に広がらせる。

これで硬い床が早変わり、弾力のあるやわらかい床に。




「ご主人様、ご飯の用意が出来ました。」

「今行くー。」

私が野宿の準備をしている間にネルヴァには調理してもらってた。

「ご主人様、申し訳ありません。このような物しかできず。」

今日の夕食はモコが狩ってきた鹿と馬の中間みたいなやつの肉を焼いたものと、

ルフがとってきた木の実。

肉はただ焼いただけで調味料がないから微妙。

木の実は酸っぱくて甘くはない。

肉と木の実を一緒に食べたら、うん、まあ、ましっていう程度。

と言うか、私の分しか料理が置いてない。

「ネルヴァは食べないの?」

「私は召喚体なので食べる必要はありません。」

「一緒に食べようよ。」

と誘ってみたけどあえなく断られた。

「今は食料に余裕がありませんから。余裕が出来たらお願いします。」

モコが狩ってきた肉の残りはインベントリに入れてある。けど、確かにそんなに大量ではないよね。

うーん、ネルヴァにはいろいろな人生経験して欲しいんだけどなあ。

仕方ない、今回はあきらめよう。




けど、ルフとモコは継続して食料集め。

取りあえず今日食べる分のことだけ考えてたから、モコの獲物も一頭だけだったけど、

モコの能力的に言ったらもっと狩れるからね。

それに召喚体だから、夜寝る必要もないし。

インベントリの中身は時間が止まってるから残りの肉はいいけど、

一晩、獲物を外に放り出しておくのはちょっとダメか。

じゃあ、氷系の召喚体を召喚して疑似的な冷蔵庫にしておこう。

「【召喚、アイス】」

アイスウィスプのアイス召喚コスト維持コスト共に低め。

元から冷気を発してるから、魔力が少ないアイスウィスプでも一晩ぐらいは冷蔵庫代わりになるでしょ。


けど、モコを狩りに行かせちゃうと守りで戦えるのはヤタとコンだけか。

キューとかもいるけど戦力としてはあてにならないし、ビッグライムは戦えるけど、私の布団だし。

夜はなにがあるか分からないしもう一体召喚するか。

「【召喚、ガーク】」

ガーゴイルのガーク。拠点防衛を任せるならガーゴイルだよね。

ガーゴイルは攻撃は全然だけどとにかく固い。物理でも魔法でもどんとこいだね。

それに拠点防衛用のスキルとかもあるし、守りにはぴったり。


あっ、MPの自然回復量と、召喚の維持コストがほぼ同じになった。今はぎり微妙に回復かな。

今召喚してるのはネルヴァ、モコ、ヤタ、コン、ガーク、スラ、連々、サンちゃん、ルフ、お菓子の家、キューの11体だね。召喚、維持コストの量の順番も上に並んでる順番だね。

ネルヴァは別格でMP食うけど。

こっちの世界だと同時召喚数はパーティ制限じゃなくてMP量によって決まるね。

短期決戦だったら後、モコ三体ぐらいならいけるかな?

けど召喚コストでMPが削れることを考えたらあと二体かも。

あー、やっぱりMP回復系のアイテムが欲しい。街に行ったら絶対買おう。

って私こっちの世界のお金持ってない。

モコにお金になりそうな獲物も狙うようにって言っておこう。



「ふぁあ。ねむっ。」

もしかして睡眠時間とか子供準拠?確かにこの体は子供並みの大きさだけど。

いや、もしかしてステータス?あんまり寝ないでもいいってことはタフさだからVIT?

VITには全然振ってないからなあ。

と言うか、昼寝したのに。


「ねるう゛ぁ、そいね」

「分かりました。失礼します。」

というか、ほんとにんむけがやば・・・・・・・・



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