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キミボク  作者: きつねさん
仮想世界と要
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ソピアの思い

「う、あっ」

眼下で動けなくなった人間がうめいてる。人間?人間であってるのかな?

このVRとかいう世界にログインとやらをしていてもそれは人間なのか?

どうなんだろ?殺したからって人殺しとかは言われないよね。うーん、難しい。


そしてめんどくさい。

えーっとどれぐらい浸食できたなー?まだ半分ぐらいか。

急げばもっと早くできるけど、対費用効果的に考えるとこれぐらいがベスト。

費用じゃなくて力だけど。




っと、侵食完了。さーって次の得物はどれにしようかなー?

さっきのは質があんまりよくなかったからなあ。

まあ、量ぶっこむつもりでもあるから、あれぐらいの人も必要ではあるんだけどねえ。


おっ、あの子かわいい。

このVRっていう世界はイケメンや美女ばっかりだねえ。

仮初(かりそめ)の世界でもそんなに綺麗になりたいか。

まあ、その状態で私の箱庭世界に呼ぶから綺麗にしといて正解だけど。

仮初が本当になるんだし。

他と比べることに何の意味が?っていう聞いてる人がいたら嫌味かっ、

って突っ込まれそうな事を考えてみる。

私の容姿はかなり整ってるからね。


けど、本当に他と比べることに何の意味があるんだろう?

長い間、おひとり様だったからちょっと分かんない。


取りあえずあの子と、一緒にいる子を浸食しながら考えよう。

けど、戦ってる途中みたいだし、それが終わってからにしようっと。




・・・・・うーん、つまんない。安定しすぎてて。もっとこうピンチがドーンって。

まあ、いいや。所詮お遊戯だもの。

浸食開始しちゃおうっと。

カチン、とまた固まった。ちょっと干渉するだけでこのVRという世界では比較的自由にいろいろできる。

ほんと便利。これなら逃げられることもないし。

あれ?あの子、こっち見てる?いや、そんなわけないか。

だってこの世界には干渉してるし、覗いてるけど私はそこにいるわけじゃないし分かるわけないもんね。

分かっても気のせいだって思う程度だろうし。

そんなこと気にしてないで浸食、侵食。


あっ、あっちの戦い面白そう。

やっぱりある程度ピンチにならないとね。ハラハラドキドキがないもん。

この子たちの浸食はゆっくりやればいいや。だから視界はあっちの方の戦いを見よう。

そろそろ浸食終ったかな?

どうなってますかー?あれ?一人しかいない。あのかわいい子は?

まさか逃げられた?どうやって?このVRの世界に干渉して逃れられないようにしたのに。

悔しい。

VRじゃなくて現実に干渉するのはかなり力使うからしたくなかったけど、

あの子に逃げられたままっていうのはむかつく。現実で探そう。





あっ、いた。ってホントにこの子?いや、確かにこの子の魂はあの子なんだけどほんとに?

だってあのVRっていう世界では完璧に女の子だったのに。

むむ、人間恐るべし。私をあざむくとは。

あの子なんか不思議で面白い。

もうだいたい数もそろったしそろそろ箱庭世界に送ってもいいよね。

その時この子だけ隔離して話を聞いてみよう。







「私、寝てる間にここに連れてこられた?」

おー、すぐに状況を把握するなんて適応能力高い。そう、高いのは良いんだけどね。

急に攻撃してこないでくれるかなっ!

もう間一髪だったよ。

別に当たっても死にはしないんだけど、あのまま当たったら顔面えぐり取られるところだったよ。

私痛みへの耐性とか持ってるわけじゃないんだから。

顔面がえぐられたときの痛みを感じるなんてぞっとする。


けどあの子おかしいよね。自然と魔法使ってたし。

私が創った体になじむまではそういうのはできないようにしてたのに。

それが魔法をすぐに使うなんて。

剣とかで切りかかられたっていう単純に肉体を動かしたっていうならともかく、

魔力をすぐに使えるなんて。

まさか、現実でも魔法を使ってた?それこそまさかだね。


けど、ほんとにおもしろい子。

殺す覚悟をして私を殺しにかかってたなんて。

日本っていう国は安全な国なんだよねえ。なのにあれって。

あんな子が私の箱庭世界に来たらどうなるんだろう?ほんと楽しみ。



私の箱庭世界が戦争とかで色々と混乱状態の戦乱状態でわりとカオスだったから、

そこに箱庭世界の人たちよりか圧倒的に強い人たちを送り込んだらどうなるのか、

っていうのが今回の趣旨だからね。

私の予想ではそれぞれの勢力に分かれて血で血を争う状況になると予想したんだけどどうなるのかな。



ほかの子たちに説明してくるといってしばらくあの子を観察してた。

私がいなくなった途端あの子はへたり込んだ。

どうも私に対して過度の緊張をしてたっぽい。

私と話してるときそんなそぶり一回も見せなかったのに。

演技力もすごいね。

ネルヴァとかいう召喚体と話してることも情報収集みたいだし。

けど、あんなお涙ちょうだいものを見せられるとちょっといらっとくる。

私は一人なのに。




制限した情報を私が渡すって言うあの子の予想は当ってた。

あの子賢すぎる。言ってることは分かるよ。けどさあ、予測が正確すぎるし、

それに外面だとしても相手の性格をこんな短時間で把握するなんてどうなのよ。

だからいじわるして当初の予定より情報を制限した。

それに他の集団とは分けて一人だけ一ヶ月先に送っといた。これは急に攻撃してきた罰でもある。

あの攻撃してきた召喚体の方に何かしてもよかったんだけど、もう召喚解除してたし。

ああ、それを見越してあの子、召喚解除してたのかも。

けどさすがに不利にしすぎたから、代わりに一つだけ質問を許すことにした。

賢いからきっと有益なように使うでしょ。



けどあんな質問に使われるとは思ってなかった。

つらいかって?・・・・・・私の心をえぐるために質問を使うとは。

もう知らない。伝言?そんなの伝える気はさらさらないよ。










・・・・・・・・・・・・・・・・あの子は箱庭世界に送った。

最後の伝言。伝える相手が私の見間違いじゃなかったら私を指さしてた。

たまに遊びに来てもいい?どういうこと・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人は本当に度し難い



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