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キミボク  作者: きつねさん
異世界とソニア
13/51

これから

「まあ、話半分に聞くべきだね。」

老人は語った。

戦争が起こった理由を。

ただこういうのの戦争の関係者の言はそう信頼できない。

「そうですね。それでどうしますか?大抵の事は聞いたと思いますが。」

「そうだねえ・・・・・・・」

あんまり獣人には人族は歓迎されてないようだし。

ああ、けどこの老人の話からすると獣人と私達に敵対して欲しくないっていう事は伝わってくるな。

基本的にどっちかに味方するとかそういう事は考えてないからその考えは杞憂だけど。

老人としては敵に回したくないけど、

種族(民族?)戦争中に敵の種族を味方に引き込むわけにはいかないっていう所なんだろうねえ。

そうなると

「取りあえず獣人の都に行ってみようか。

 そこで偉い人に会ってみないと現在の戦争がどうなってるのか分かんないし。」

人族の都に行ってもよかったんだけど、

そこまで行くにはどっちみち獣人族の都を通ることになるから取りあえずの目的地は獣人族の都。


「分かりました。ではこの町で済ますことは後物資の補給だけですか?」

「ああ、それもあったね。忘れてた。ほんとネルヴァは頼りになるなあ。」

「ありがとうございます。」

すましてるけどど褒められてネルヴァが照れてる。うん、かわいい。

調味料とか野菜とか。あと、変えの服とかも必要だよね。そうそう、下着を忘れちゃけない。


「町に入るのは無理そうだから、あっちの方で用意してもらえるように言ってね。

 対価として狩ってきた獲物の一部を渡すからって。」

そうして必要なものをネルヴァに伝えて、さらに何か必要なら自分の判断で交渉してと言っておいた。


はあ、これでまた暇になるなあ。

ネルヴァが交渉中は私やることないし。

たまにネルヴァが途中経過を報告してくれるけど、ネルヴァが完璧だからいう事もないし。

召喚体のリストでも見て暇をつぶしてようかな

何か役立ちそうな召喚体はいないかなあ

「ご主人様、話がまとまりました。

 頼んだものがそこまで貴重な物でも高価な物でもなかったので、

 襲ったお詫びとして提供してもらえることになりました。

 それから今持ってる素材も換金してくれるようです。

 それから追加で投げナイフを注文しました。よろしかったですか、ご主人様。・・・ご主人様?」

「あ、ああごめん、ボーっとしてた。

 そう、投げナイフを注文したんだね。いいんじゃないかな。

 そういえばネルヴァの武器インベントリっていまでも使えるの?」

「はい、使えるようです。

 昨日確認してみたのですが、武器しか入れられないという制限もなくなってるようでした。」

「おお、それは便利だね。じゃあ、他も適当に。」

「はい、分かりました。この老人が町に伝えに行って荷物を用意させるみたいですので、

 ご主人様の持っている素材を出していただいてもよろしいですか?」

「ああ、うんわかった。」

私は次々とインベントリから素材を出していく。


それを見て老人が驚いてる。あっ、不用意だったかも。

「ネルヴァ、インベントリについて老人から聞いてみて。」

「分かりました。〈今の光景を見て思ったことを述べよ。〉」

「〈その子供は夢幻倉庫を持ってるのか、と思いました。〉」

「〈その夢幻倉庫と言うのは?〉」

「〈なんでも夢幻という現実とは異なる夢のような空間に大量の物をしまっておく事ができるとか。

  おとぎ話だと思っていたのじゃが本当に実在するとは。〉」

「おとぎ話のようなもので〈夢幻空間〉と言うのが存在するようです。

 口止めしておきますか?」

「うーん、多分無駄だと思うな。ずっと監視しとくことはできないし。

 だからほっといていいよ。」

「分かりました。ではこれからこの素材の換金について話し合いたいと思います。」

「りょーかい」

私がボーっとしてしまった理由、

それは召喚体のリストの最後に見つけてしまったからだ。

悪竜アジ・ダハーカの名前を。



血みどろ失楽園には様々なクエストが存在する。

まずストーリーに関わる物と関わらない物で分類できる。

前者をストーリークエスト、後者をフリークエストと。

そしてストーリークエストの中に二種類クエストがある。

グランドクエストとジョブクエスト。

グランドクエストは血みどろ失楽園をプレイしてる人全員が共通してるもので、

クリアしていくと血みどろ失楽園の世界設定にそったストーリーが展開されていく。

まあ、こちらは今は関係ないので置いておく。


今回重要なのはジョブクエスト。

私のジョブは召喚士で、当然ジョブクエストは召喚士のものになる。

その召喚士のジョブクエストの最後のクエストで悪竜アジ・ダハーカとの契約をするのだ。

確かストーリーの内容は黒魔術師が悪竜アジ・ダハーカ

悪竜アジ・ダハーカとの契約の条件は他のプレイヤーの力を借りずに倒すこと。ただそれだけ。

ただそれだけなんだけど、これが難しい。


悪竜アジ・ダハーカは強い。

なにしろダメージを与えると呪詛の状態異常にかかる。

しかもダメージを与えるたびに呪詛の深度が上がっていくから手に負えない。

呪詛と言うのは呪いの上位互換の状態異常だ。

呪いと言うのは一時的に全ステータスの低下する厄介なもの。

深度が上がっていくとその分低下するステータスの値が上がっていく。

その上位互換である呪詛は、

時間経過でしか解除されないという呪いの厄介さがさらに凶悪になったものだった。

そんな呪詛と言う厄介なものを持っている悪竜アジ・ダハーカと戦う時は、

次々と召喚体を入れ替えて戦わないといけない。

そしてろくに育てていないのではまともにダメージを与えられないから、

大量の召喚体を育ててから挑まないといけない。

厄介なのはそれだけではなくて、

悪竜アジ・ダハーカに与えたダメージが一定量に達するとそのたびに敵がわんさか登場する。

それの対処もしないといけない。


私の最強の召喚体はネルヴァと言ったけれどこれが召喚できるならそれは撤回しないといけない。

ゲームの時は一応召喚可能リストには表示されるけど、

召喚の条件から召喚することは絶対に不可能と言うモンスターだった。

だから称号的な物として扱われていた。

その絶対に満たすことのできない召喚条件は生贄に百の魂を生贄にささげるという事だった。

そもそも魂と言うよく分からないものをささげろとか言われても無理。

こっちの世界でもその条件は変わってないみたいだから召喚することはないだろう。

百を殺すとかいう虐殺じみたことも無理だし。





あれ、考え事してたら老人がいなくなってる。いつの間に。

「ネルヴァ、話は無事まとまった?」

「はい、つつがなく無事終了しました。」

「そう、じゃあ情報収集したこと詳しく話してくれる?」

「はい、では・・・・・・・」

ネルヴァから情報収集したことを教えてもらった。

何を教えてもらったとかはもう聞いたけど、その教えてもらった内容は聞いてないからね。

あらかたネルヴァから聞き終わった頃にドアがトントンとノックされた。

「〈荷の用意と換金が終わりました。どうしますか?ここに持ってきましょうか?〉」

「ご主人様、今日の残りの時間の予定はどうしますか?

 何もないならやることもないですし、荷物を取りに行こうと思うのですが。

 もしここで待っているなら時間はかかりますが向こうが持ってきてくれる様ですが。」

うーん、どうしよう?

「やりたい事もあるから持ってきてもらうようにしてくれる?」

「はい、分かりました。〈ここに持ってくるようにしてください〉」

「〈分かりました。そのように手配します。〉」

ネルヴァと二、三言何事か話した老人が小屋から出て行った。

「持って来るように手配しました。持ってくるまでは距離的にだいたい三十分ぐらいでしょうか。」

「分かった。じゃあ、外に出ようか。狭い場所じゃ無理な事もあるし。」

「はい、分かりました。」

小屋の外に出た。

辺りは木が合ってあまり視界の通りはよくない。

まあ、必要な場合は空を飛べばいいか。天の加護の効果も検証しないといけないし。



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