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次回予告?
「ねー、秦太郎」
「あぁ、なんだよさっきから?」
場所は学校、時は放課後。2Fの部室の中、俺の後ろで本を読みながらも騒ぐ城 亜利果と、古ぼけたパイプ椅子に座りつつ時間つぶしに携帯機で遊ぶ俺、時雨秦太郎。
部屋本来の内装と空気は落ち着いており、後ろの馬鹿さえいなければ部屋は静かだったろう。
「生返事しないでよ、ギー」
……こいつさえ、居なければ。
ゲームの邪魔なので静かにしてくれるかとも言いたいが、我慢せざるを得ない。
「あいつ、くるのかね」
「来るんだろうな」
俺は静かに、そうごちた。