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異世界旅路  作者: ∀∀∀∀
迷子のぅゎょぅじょっょ(ry
3/21

意図も容易く小悪党

前話のオーランド君の名前は素敵な死にゲーのさるお方から頂きました、作者にネーミングセンスが無いので、何処かで聞いたような名前になる事確定です

カルラと言う都市は商人の人曰く(いわく)100m程の小都市だそうな、なんでも領主様が頑張っているそうだが


近隣に魔物が住み着きだしたり、連続殺人事件やら変質者とか傭兵崩れの盗賊が現れたりと、まぁ、忙しいらしい


そんな何だか怪しい街に来た皆さんとはここで別れ、俺はクルデンホルフ学園の話しを酒場などで聞きたかったんだが


生憎とどこも店仕舞いしていた、仕方がないので宿を取っていた場所に向かう、明日からはどうするか、クルデンホルフ学園の話を聞くとして、やはり酒場かな?


明日の予定を立てつつ、ほんの少し前に宿代確保の為に商人に高値で売り付けたボールペンの事を思い出す、アレ……使い捨てって言ってなかった気もするが……


まぁそんな些細な事は置いといて、今現在の持ち物を確認するとしよう――


学ラン

今時珍しい学ランである、これがあるから俺は学校に行っていると言って良い、盗賊に盗られそうになった時は冷や冷やした


音楽プレイヤー

小型でありタッチパネル搭載型、クラシックやらロックやら和風やらアニメやら何だかよく解らない物まで幅広く取り入れている、ハッキリ言えば片っ端から入れてきたから自分でも把握できてない


お金

ボールペンと引き換えに手に入れた貴重品




あっれ詰んでね?


いや流石にまだお金は残ってるけど、これ無くなったら俺どうすんの?


は、働かなくては……学園探すより先に働き先を見付けなくては、最悪学園なんぞに通ってる暇はない


現実の厳しさに打ちのめされながら窓際のベッドに寝転がる、木製のベッドに軽く毛布を付属した程度なので非常に固い、おまけに寒い


窓から外を覗くと明かりが殆ど見当たらない、有ってもパッと見は城と酒場位か?


現代日本人の俺からしたら余りにも寝床に入るのが速すぎる、本来ならゲームをしたりしているのだが、生憎と何もする事が無い


イヤホンで耳を塞いでクラシックを聴きながら窓から夜空を見上げる、このまま見ていたら次の瞬間パッと元の世界に帰れないかなって思わなくもないが、それは現実的じゃない


現実的じゃないとか言えない立場だけど、ぶっちゃけもう戻れない位で行かないとヤバい、だってこんな事になって帰れる気が微塵もしない


毛布を頭から被り、震えながら夜を過ごす


異世界生活一日目

響くバイオリンの音が嫌に耳障りだ――








翌朝は身体中の痛みで目を覚ました、固いベッドで寝たからかどっか寝違えてるかもしれん


窓から外を覗くともう既に賑わっており、何だか寝坊したような気がしたが、特に予定もないし寝坊ではない、あいや予定なら有ったか


着替える必要も無いのでそのまま部屋から出ると宿屋の店主が声をかけてきた




「随分遅い起床で……」


「……え?


あ、あー、昨日少しやる事が有ったからな、少し寝る時間が遅かったんだよ、それがどうかしたか?」


「あ、いやすみません疑うみたいに


ただこんな時間に起きるから何をしてるのかと、あぁ水は本来ならもう使えませんが、まぁ良いですよね


宿屋の裏手にあるので使ってください」


「ぇ、あはい」


「今後ともご贔屓に」




訳解らん、こんな時間に起きて何やってんだコイツみたいな顔から、一転して朗らかになりやがった


でも、店主の言葉からすると、皆さんもっと早起きなのか、マジかよ今7時位だろ


店主に言われた通り、宿の裏手にある水場で顔を洗うと、とりあえずはそのまま酒場に向かう、昨日の内に酒場の場所はリサーチ済みだ


宿屋から城の方向へ道なりに進み、バッカスの酒場を見付けて中に入る


朝っぱらからもう既に酔っぱらってる奴、酔っぱらってる通り越して死体になってる奴、喧嘩してる奴煽る奴と、色々な人が居る


一番安い酒をウェイターに頼んで適当な席に座って聞き耳を立てる、情報収集と言ったって話しかけたりしない、話しかけて喧嘩に巻き込まれたくないからな


こうやって聞き耳を立てるだけで、酒が来るまでに相当の情報が手に入った、中には下らない要らない情報もあったけど気にしない


まずは店主のあの変化は、俺が夜に行動してたって所に反応したらしい、夜に活動するなら明かりがいる、しかしその明かりは個人で所持するには少し高値で、金に余裕があるか、ギルド上級者がギルドから配布された物位だ


店主、俺は違うからな、勘違いしたのはお前だから俺は責任は持てないぜ



後はギルドで受けたクエストの愚痴だったり、変態が通算32度目の牢屋行きだとか、あんまり今すぐ必要な話は聞けなかった


酒をチビチビ飲みながら聞き耳を立て、る、ぅ……く、くそ不味い


猛烈な吐き気に襲われながらも意識を保つ、何だコレ、ナニコレ、温かくて口の中に残って変な臭いもするしムカムカする上ドロドロの一口一口が拷問の飲物



せめて、冷えてたら……



酒はもう飲まなくて良いや、まだ残ってる酒を机に置いてため息混じりに項垂れる、アブねッ!?、ついさっき頭があった場所に流れ弾(料理)が飛んできやがった



喧嘩の範囲が広くなってきたしクルデンホルフ学園の情報も出てこないし、そもそも仕事ならヤッパギルドだろギルド


席を立って人混みを華麗なステップで避けながら店を出る、見上げると太陽が真上でサンサンと輝いている、お昼らしいしギルドは昼の後で良いか


そう思って適当に目についた店に入り込んで食事を取る、メニューの中から高くもなく安くもない料理を頼むと、出てきたのは美味しくないピザ


店に失礼だが、そう言っても仕方ないだろう、なんでこれ生焼けなの?


無理矢理口から胃へと流し込みギルドに向かう、こっちに来てから不便ばっかだ



ギルドに行くと、もう既に結構良い時間だった、こっちの人は早寝早起きにも程が有るので、最悪の場合を想定していたがいらん心配だったな


ギルドは周りの店仕舞いしている店とは違い、むしろ本番はここからだと言わんばかりである




「あの、登録に来たんだけど」


「初期登録の方ですか、登録には1万G程かかりますが」


「1万Gですか」


「はい」




可愛らしい受付嬢が言うには登録には1万G程必要との事、財布の中身と話し合った結果受付嬢と世間話をする事に




「いやーしかしいい天気だな?」


「そうですね?」


「そう言えば受付嬢さんのお名前を聞いても?」


「ミリアリアと申します」


「思ってたより可愛い名前だー、所で登録の値段って――」


「1Gたりとも変動致しません」


「――ケチ」


「登録には1万2千Gになります」


「変動したよミリアリアさん!?」




その後の頑張り虚しく、最終的に19万にまで跳上がった登録費を払えずにギルドを後にする



もう無理だ、終わった、その後俺の姿を見た者は居なかったフラグじゃん、どうしよう、どうすんだよ?


もうスッカリ暗くなってしまった、ギルドにももうお引き取りくださいと言われる時間からまた少したって、大体深夜2時位だからか誰も居ない



人ッ子一人居ない街をフラフラ歩いているその時、機械島済に電流走る


誰も起きてないなら物パクッてもバレなくね?




何時もボタン全開の学ランをキッチリ着こなす、気分は蛇、所業は子悪党



今ここに漆黒の闇を纏っ(ry、が生まれた瞬間だった



人ッ子一人居ないと言ったな?

アレは嘘だ、やってくれるぜ



と言うのも今現在、街の表通りから遠く離れた裏路地の捻れに捻れ曲がった道の先、うっかりしてると思わず迷子になるのも本当に致し方ない道の先、だから俺が迷子なのは仕方ない


いや正確に言えば迷子じゃない、俺は決して迷子なんかじゃない、良く言うだろう敵を騙すにはまず味方からと、つまり俺はもしも見付かった時の為に自分さえ見失う逃走術を確保した訳で、決して(ry


今はこの話は良いだろう、なんだか目が霞んできたし、自分の傷を自分で抉る程俺はピエロじゃない


とにかく、人が来ない所なんだ、そんな所で俺は人を見付けた訳だ、なんともバットタイミングと言うか――



俺が身を隠す眼前ではなんともまぁ艶目かしい光景が広がっております、なんか瑞々しい音が響いとります


詳しく現場を説明すれば、俺の見てる先では黒と赤のフリフリが付いててスカートが広がってる、何と言ったか、そうゴスロリだったか、ゴスロリの金髪幼女、髪は前述した通り金髪で背中が隠れる程の長さ


お相手の方は――



なんてこった――



どうしてそう非生産的行為に走るんだよ!


けしからん、けしからんぞぉおぉおおお!!!




と、まぁ一通りふざけ終わったので帰るとしようか、こんな所に居ても一文の得にもなりゃしない


俺はあの人達の趣味趣向とは一生解りあえないな、少なくとも彼方の一生は終わってるみたいだけど



路地裏の影から覗き込むと、ゴスロリじゃ無い方は貴族なのか白い清潔な服と貴金属を身に付けた、元人間


――現、干からびた死体



ヤバいヤバいヤバいってマジヤバいよ、半端ねーぜ洒落にならんぜガクブルだぜ、瑞々しい音ってキスとかの音じゃねーよ、血液吸われてる音だろアレ


一滴も残さないつもりか、まだ彼女は首に埋めた顔を上げていない、逃げるなら今だ今の内だ


ゆっくり顔を引っ込め後ろを向く、早く速く素早くけれど音は立てずに奴に気付かれない速さで、見たか?、見たろ?


あの苦痛に歪んだカサカサの女性の顔を、ありゃヤバいって無理無理有り得ないわ、ああいうのは主人公に任せとけよ主人公の所行け、こちとらガチの一般人だぞごら


大丈夫、奴とはまだ10m程距離が有るし何より奴は食事に夢中だ




「ずいぶん五月蝿い心臓の音ね?」




――ナニソレ?




「淑女の食事を覗き見るなんて、あなたも命知らずね?」




――ざけんな!

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