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異世界旅路  作者: ∀∀∀∀
迷子のぅゎょぅじょっょ(ry
21/21

求めよ、さらば与えられん

主人公視点で書くと主人公の知らない事や忘れた事を書けないから大変だよね、だから前書きに書くと言う裏技を使うぜ☆






ズキリとした痛みが身体中を駆け抜ける、胸の真ん中を中心に広がって行き痺れるような感覚と痛みが絶えず続いていく


痛いな、でも痛いって事は……生きてるのかな、俺……


痛みで目を覚ました俺はベッドに身体を預けて、深く目を瞑ったまま微睡みの中を思考し続けた


それとも死んでも痛みは有るんだろうか、流石に死んだ事はないから分からないな、まぁいいや、眠いしこのまま眠よう


瞼の裏の暗闇に意識を向けると面白い程簡単に意識が沈んで行く、このまま眠りにつくのかと思っていたが




「だか……し……服…………のじゃ」


「……言っても…………のでしょう?」


「つべこべ……!」


「……趣味じゃ……」




この声はレイチェルと、ユフィか、無事なのか2人共、流石に2人共死んでるとは考えたく無い、取り敢えず生きてる事にして、まずは起きないと話にならないか


気怠い身体に気合いを入れて起き上がる、取り敢えずは自分と2人の無事を喜ぼう、あの後どうなったのかなんて話はその後だ




「んー、おはようレィ……」


「ぁ、ぁ…あ……」


「えっと、いや、その、わざとじゃーー」

「きゃぁぁあああーー」




何だが覚えの有る痛みと耳の中のドロリとした生暖かい液体の感覚、ユフィを見やれば耳を手で塞いでいる、成る程ああすれば良いのか


また暗闇に落ちていく意識で最後に考えたのは、レイチェルのドロワーズと手に持つパンツの事だった

右へ左へ、時たま何かを踏んづけたのか大きく揺れる、最近はスッカリ慣れた匂いに重く閉じられた瞼を開けてみる、寝起きの霞む視界の中で外を見ると、今まで通って来たで有ろう数々の馬車や人に踏み締められて固められた道と遥彼方に見える山々の影、その上の青空には大きな雲が一つ二つと空を飛んでいて、その雲の影が地上を走る速度を見てもかなりの速さで動いてるのが分かる


何だろうなぁ、こう言う景色は多分探せば元の世界にも有るんだろうけど、日本のコンクリートに囲まれた生活の経験が有るからか、こう言うのを見ると改めて身に染みて理解する、本当に異世界に来ちまったんだなぁ




「……馬鹿みたいに綺麗だな」


「何がかしら?」


「ん、レイチェルか、おはよう」


「おはよう、と言うよりはこんにちわねお寝坊さん?」


「マジかよ結構寝過したな……」




立ち上がると掛けてあった毛布が落ちる、良い匂いに視線をレイチェルに向けると何時もの位置にレイチェルが座って、何時もの位置に紅茶が有った、湯気立つ紅茶が入ったカップの数は二個、目を瞑って紅茶を楽しむレイチェルの向かいに半分以上眠ってる状態で座る


何時出したのか分からない早技だ、なにもそんな所で高スペック披露し無くてもと思う


紅茶を手にとって口に運ぶ、礼儀も作法も知らないが今までレイチェルに注意された事もないしこれからも気にしないでおく、だからレイチェルの飲み方と比べるのは止めとこう、何だか戦ってもいないのに負けた気分になるからな


視線をレイチェルのゴスロリドレスに向ける、何時もと変わらず黒に所々の赤が良い感じに働いているゴスロリドレス、一体幾つ同じ服を持っているのやら、そう言えばスカートがフワッと広がるのはパニエとか言う道具のおかげで、そのパニエをしていると座った時にパンツが丸見えになるそうだが……


もう一度レイチェルのゴスロリドレススカートを見る、しっかりとレイチェルの脚をフワリと広がってガードしている、どんだけ鉄壁ガードだよ



しかしかぼちゃパンツとドロワーズの違いって何なんだろうか……?



……何でそんな事を考えたんだ俺?


何かを忘れているような気がしつつも紅茶に口をつける、そんな俺をジッと見ていたレイチェルが紅茶を置いた所を見計らって再度問いかけて来た




「それで、何が馬鹿みたいに綺麗なのかしら?」


「んー、景色がな」


「別にいつも通りだと思うのだけれど、と言うかキカイジマ貴方どこを見ているのかしら……」


「すまん、いやそのスカートの中って如何なってんのかなって……」


「…?……………しッ、死になさい馬鹿ッ!」


「ちょ、おまっ熱ッ、アッヅ!?

違う違う違うから!

絶対勘違いしてるってレイチェル様!」




顔面に飛来した熱々の紅茶入りポットを両手でキャッチ、流れるように飛んで来た第二撃のカップを顔面でキャッチ、死ぬ程熱い


まずい、怒りを静めなければ物理的に沈められる、どうする、いっその事パンツを見せて下さいと頼み込むしか……、いや違うよ目的が違う、クッ!?


飛んで来た第三撃が直撃、バカなもう紅茶は無い筈!?


レイチェルを見やれば、影から次の紅茶を取り出していた、気の所為かレイチェルの手に熱さを防ぐ手袋のような物が見える




「待って、本当に待って!

もうやめてくださいしんでしまいます!」


「いっその事死んでしまうが良いわ!!!」


「違うんだって誤解何だ!

そのスカートがどういった原理で広がってるのか気になっただけなんだ!」


「風魔法で広げているのよ!」


「そうか!

アツッ、アッヅゥゥウウウアアァアアアアアアアアアアアアア!!!」




飛来する四撃目、なす術も無く直撃、酷い目にあった、死ぬんじゃないの俺?


……酷い目?


体を影から出したタオルで拭きながら物思いに耽る、熱い身体とは対象的に急速に冷えて行く頭脳、アレ、何だろうな、なんか忘れてる気がするんだが……




「……ぁ、何で生きてんの俺?」


「死にたいなら殺してあげるわ」


「いや、違う、あの、ほら


船で魔物に……てか何で陸地?」


「……まったく、順を追って説明してあげるから座りなさい」


「はいさ」




それからのレイチェルの説明は驚きの連続だった、俺が花クラゲに天高々と持ち上げられた後にレイチェルが魔法を使って救出、魔物をブチ殺す片手間に俺の回復、その後は優雅に目的地に着いたそうだが、結局俺はその間一度も目を覚まさなかったそうだ


何故だろうレイチェルの説明に違和感を感じる、だがその事について考えると頭が痛くなる、何かを見たような……




「……なぁ、んか…忘れてるような気がするんだが」


「な、何を言っているのキカイジマ、忘れていると言う事は思い出す必要が無いから忘れているのよ」


「いや、俺の経験則上そんな事はーー」

「黙りなさい、そんな事よりキカイジマも案外戦えるじゃない、見直したわ」




微笑みを浮かべて影から新しくティーセットを取り出したレイチェルを見て、自然と身体が反応してしまう、こんな簡単に人間って条件反射を覚えるんだな、勉強になったぜ


しかし、レイチェルから非常に、本当に非常に珍しく素直に褒められた訳だが……


その言葉を素直に受け止められない俺が居る、俺が一体倒すのが精一杯だった魔物をレイチェルがさもつまらない相手だったとでも言いたげに殺したと聞いたからか、それとも、もっと被害を抑える事も出来たんじゃないか、最初の被害者が出た後に俺が援護を呼ばなければ死なない人も居たんじゃないかと、そう、考えてしまうからか……


見直されたって言うけど、実際の所俺の実力って物はどうなんだろうな……


レイチェルは何も言わずに紅茶を飲んでいる




「なぁ、レイチェル」


「なに?」


「……俺ってどの位強い、俺の実力って物はどうなんだ?」


「貴方の実力、弱いわね」


「……弱いっすか」


「えぇ、弱いわよ、色々やってるみたいだけれど、貴方の他人より優れている点なんて私の教えた魔法位よ、それ以外は全て並か並以下、しかも肝心の魔法でさえ魔力が並なのだから目も当てられないわ、せいぜいがEかDランクの冒険者になれる程度でしょうね」


「その、EかDランクってのは?」


「普通の冒険者程度でしょうね、確かに貴方は魔法において有利だけれど、体力も精神力も無い、魔法使いと戦ったら、無詠唱と言われていた物のおかげで善戦は出来るでしょうね」


「そうまで弱いのかよ……」


「今後の努力で変わるでしょうけど、それがどうかしたのかしら?」


「……なぁレイチェル」


「あら、何かしら?」


「お前なら俺を強く出来るかレイチェッ!?」


「教えを乞うなら言葉使いに注意なさい、私を誰だと思って居るーー」

「何今のスゲぇ!?」

「ーーひゃ!?」




額を抑えてレイチェルに詰め寄る、今確かにレイチェルは指先から魔力を放出した、そこまでは別に驚くような事じゃ無いが、その魔力が俺の額を打ったのなら話は別だ


それは、つまり、詰まる所、魔力には実体が有るって事で、とするとわざわざアソコを変換する必要も、いやそうするとアレも変えなくちゃだし、待て待てそも魔力って誰が使っても実体を持つのか、いやそれ以前に魔法陣に組み込めるのかコレ、魔力消費の問題も、使い易さって点も、そうじゃ無いだろ落ちつけ俺、まずはそうコレ単体での使い道を……




「戻って来なさい魔法馬鹿!」


「痛いッ!?」




ジンジンとした熱を持った右足の脛を抑えて崩れ落ちる、猛烈な痛みに耐えて居ると、レイチェルが何時の間にやら地面に倒れて居る俺の背中の上に優雅に座っている


何をしているんだろうかコイツ




「えっと、何をしてんだ?」


「一度貴方の立場と言う物を分からせてあげる必要が有ると思ったのよ」




目の前にスルリと差し出されたのはレイチェルの裸足、真っ白なそれは傷一つ無く、まるで名工が人生を掛けて創り上げた陶器のようでも有る、目の前のそれは幼い女性の脚と言う事も有ってかどこと無く艶が有るように見える……


ぶっちゃけただの裸足じゃないか、て言うか靴とニーソまで脱いでコイツなにしてんの馬鹿なの?


そこはかとない危険な予感に全細胞が今の内に逃げろと囁くが、如何せんココは走行中の馬車の中、逃げるとしたら操者席だが、そこへ続く道が黒い影のような物で塞がれて居る、ならばと後方を見やれば今正に塞がれて居る所、しかし抜け道が無いわけじゃない


レイチェルは確かにヴァンパイアで、その力は男の力など軽く圧倒するだろう、だが!


力が強いからと言ってイコール重いと言う訳じゃないッ、レイチェルの重さは見た目相応小娘の物、ならば立ち上がれない道理は無いぜッ!



影が絡み付いて身動きが取れま千円




「全力じゃねーか!!?」


「うるさいわ、言ったでしょう立場を分からせると、終ったらちゃんと強くしてあげるわよ」


「……で、レイチェルは俺に何をするつもりだ?」


「残念、何かをするのは私じゃなくて貴方よキカイジマ」


「俺?」


「そう、貴方


早速だけれどキカイジマ、私の脚をーー


ーー舐めなさい」




しばらく、何も考えない何も思わない時間が続いた、だがそれもそう長くは続かない、時間と共に頭がレイチェルの言葉を理解する


舐めろと、この脚を?


見た感じ汚くないし白くてスベスベしてそうな脚だが、そんな物は正しく『見た』だけの物だ、この脚に一体幾つの病原菌やら目に見えないナニカが居るのか、更に言えばこの俺に、そこそこのプライドみたいな物を持ってる一男児に子供みたいな女の子の脚を舐めろと、そう仰られる訳ですな?


何このアブノーマルな異空間




「まて、まずは落ち着こう」



「ひゃぁーーッ、ん……ちょっと待ちなさい」


「…………いきなりどうした」


「んっ、ッ〜、ーーだから、待ちなさいと言っているでしょう」


「……」




レイチェルの何かを我慢するような声が背中から聞こえて来る、姿勢の関係か目の前の裸足しか確認出来ないが、その脚を観察すると何やら指をもぞもぞさせたり開いたり閉じたりと世話しない


いきなり変な声を出されたコッチとしては何が起こってるのか分からんが、出来るだけ顔は見ないようにしようと思う




「…………そうね、やっぱり舐めなくていいわ」


「……助かったか?」


「そうね、別の事にしましょう、コレは良くないわ……本当に良くない……」


「……ふぅ」

「ーーひゃあぁんッ」




息を吐いたその時、まるで純真無垢でうぶな小娘のような声が響いた、背中から重みが消える、それと共に何かが地面に落ちる音、視線を向ければ案の定と言うか、そこには腰に手を当てて痛みに耐えてるレイチェルの姿が有った、風魔法が消えたらしい重力に負けたスカートの下からはついさっき息を吹きかけた裸足が覗いている


なる、ほど、なるほど、ナルホド成る程、ふむふむへー、ふーん、成る程なぁ……


脳内であらゆる魔法文字を組み合わせる、それも一つではなく幾つもの魔法陣を並行して創り上げる、その工程で失敗した物や望んでいた物とは違う効果の魔法陣は別の何かに使うかもしれないので頭の片隅に置いておく


そうして出来上がった一つの魔法、魔法陣


トラップカードセット、視線の先でレイチェルが何かを感じ取ったのかぶるりと震えてスカートの外に出ていた裸足をスカートで隠す、わたわた慌てながら隠すその小動物のような姿は見た目相応に見えて微笑ましい、だからだろうな


俺の顔が微笑みに固まっているのは




「なぁレイチェル、結局の所戦闘について教えてくれるのか?」


「っ、あ、貴方今ワザとやったわね?」


「何の事ざんしょ」


「とぼけないでちょうだい、貴方今私の脚にい、息をーー」


「溜息を吐いただけです、ああ舐めるべきだったかな?」


「い、いや、それはもういいのよ


そうね、この話はもうやめましょう、キカイジマには別の何かをしてもらう事にするわ」


「それで、本当に戦闘について教えてくれるのか?」


「どうかしらね、貴方の誠意によるんじゃないかしら、でも……


ワザと人の嫌がる事をする人には希望なんて物は無いんじゃないかしら?」


「そっか、俺じゃ無理そうだ」


「……認めたわね」


「無理そうだから、今からするぜ」


「ッ!?

待ちなさいーー」

「速攻魔法、妖精さんの悪戯!!!」




数十分の間笑い声と悲痛な叫びが続く事になったが後悔はしていない、ただ、出来れば治療魔法位は使って欲しかった……




「それじゃ、早速始めるわよ」


「ふぁい」


「いつまで情けない顔で居るつもりなの、治療は終わってるんでしょう?


いいキカイジマ、これから私が教える事は魔法では無いわ、これから教えるのは戦う為の力の使い方、使い方を間違えれば自分自身の身を滅ぼす事にもなる物、気を付けて使いなさい」




そう言ってレイチェルは真っ直ぐと此方を見た、それに俺は応えるように真っ直ぐと見返した


自身の身を滅ぼすかもしれない力、その位が平凡な俺には丁度良い、普通の力じゃ満足出来ない、あの船の上のように力にねじ伏せられるようじゃままならない


ダメ何だよそれじゃ、俺は何でも救えるヒーローじゃない、そんな事は分かっちゃいるが、二者択一の選択を選ぶ事すら許されない今のままじゃ我慢出来ない、せめて、せめて何方か片方だけでも選べる位の力は欲しい


それに、今のままじゃきっと俺は死んでしまう、訳も分からず死に晒すのは嫌だ、何も知らずに目の前で誰かが死ぬのは嫌だ


簡単に言えば、死ぬのが嫌だ、だから力が欲しい




「……今回死にかけたのがいい具合に働いているみたいね」


「まだ、何にもしてないし、何も見てないからな、死ぬにはまだやりたい事も見たい事もこの世界は多すぎる


レイチェル、授業を始めてくれ」


「いいわ、しっかりついて来なさい」




それからは魔法とはまた違った魔力の話を聞かされた、まず大前提として勘違いしていたのが、魔力と言うのは『毒』だったと言う事か、短時間で魔力を過剰摂取したモノはすべからく灰のような白い粉になると言う事、全三段階の工程で灰になるらしいが、流石に実演は無かった


先程見せた、魔力を体外で固めて発射する事で詠唱も魔法陣もなく攻撃が可能な事、試して見たら固めずに体外に噴き出すように出したからか身体が空を舞った、カメハメハは撃てないみたいだ、そしてーー




「これから貴方がする事はただ一つ」




机の上に白い陶器のような細腕が滑るように出された、向かい側に座った俺は同じように右腕を机の上に出してレイチェルの今にも折れてしまいそうな、柔らかくて小さな手と絡めた




「ーー私に腕相撲で勝つ事よ」




心折しんせつな授業が始まった

ここまで進めて来たが、お気に入りがついに三桁に……こんなに嬉しい事は無いッッッ!


コメントくれた方々にも感謝を、そして他の人の作品を見ると自分の作品のレベルの低さに……まぁしゃーねーべこんなもん現実逃避の道具でしか無いんだ!

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