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異世界旅路  作者: ∀∀∀∀
迷子のぅゎょぅじょっょ(ry
10/21

主戦力

ただの研究話だから別に無視しても良いよ

何時もの如く、代わり映えのしない旅道中


強いて変わっていった事柄を述べるとするなら、魔法辞典の初級編を四日連続徹夜で読破した事とか、弱い魔物なら逃げ切る事が出来るようになった事、お風呂で溺れかけたレイチェルを助け出した時にうっかり見落として親指で触っちゃったのと、バク転が苦節十年やっと出来るようになった事とか、剣を振り回して気分が良くなったり、ぼくのかんがえたサイキョーのひっさつわざ限定奥義 七転八刀とか、ゾクゾクするような冷たい視線とか、井の字の中に○と×を交互に書いて行くゲームで連戦連勝して血を吸われたり、ちょっと毒茸喰って生死の境を行ったり来たり、嫌にデカイ月が満月になるとレイチェルが美幼女から美少女にシフトチェンジしたりと


まぁ大した事は何も無かった、むしろ面白みの無い日常の連続だったと言っていい、レイチェルと出会って一体どの位の時間を過ごしたか知らないが意外と危険は無いな




「本当に、キカイジマの近くは退屈しないで済むわ」


「そうか?

別に何か特別な出来事も無かったし、いや楽しく無かった訳じゃないが、そうさもこの上ない程楽しかったと言わんばかりに言わんでも……」


「この上ない程楽しかったのよ、所で今度は一体何をしているのかしら?」


「ん?

今度はコレをな……」


「あら、コレって」




レイチェルについさっきまで見ていた魔法辞典のページを見せる、初級編を抜けたら現れる中級編のとあるページだ


中には『使い魔』と言う物についてだ、その内容は中々に深くて頭を少し使わされたが、その価値は有ったと見ていい


様々に分かれ分岐し多様化した『使い魔』と言った物、ペットであり従僕であり友であり戦友ともである


彼等は形も能力も創り方も様々で、1人(一つ)として同じ存在は居ないそうな、動物の骨から創る者、篝火から創る者、灰から創る者、生物から創る者、自身の魔力から創る者、彼等は様々な物を依り代にこの世に生まれ出でてくる


そんな彼等は主と共に成長する、知恵を吸い取り、魔力を喰らい、時に全く予期せぬ進化を遂げる時も有るのだとか


俺がそんな存在に目を付けたのはただの好奇心じゃない、彼等が時折主よりも強くなる事があるからだ


本来なら使い魔が主を超える事は無い、だが時たま居るのだ、主よりも強い力を持った強力な個体が


俺は弱い、どの位弱いかって言うとぶっちゃけ犬怖い、しかもまだ生物を殺した事が御座いません


そんな俺が数多居る魔物達から身を守るには如何すればいいか、答えは至って簡単だぜ


俺より強い奴に守って貰えば良い


何とも情けない話だがコレが真理だ、力が無いなら作れば良いのさ、力強い仲間にしろ武器や道具にしろ使い魔にしろだ



所が、だ


世の中そう簡単には出来てない、彼等は作ったらそこで終わりじゃない、常に魔力を消費していく上に別に食事も与える必要がある


残念だが今の俺にそんな余裕は無い、では如何するか、だが


『使い魔』を簡略化、もしくは作り変える


俺が使い魔に求めるのは『成長』『進化』正にそれだ、で有れば不要な物が多分に出てくる、その不要な部分を『使い魔』の魔法陣から省いて他に必要に感じた物を加える


コレがマンガや小説ならもう出来ていても可笑しく無いが、残念現実はそう甘くは無かった、俺式使い魔が出来るのは何時になる事やら




「使い魔ねぇ、良いんじゃないかしら、貴方は弱いのだから、小さな力でも無いよりはマシよ


それで何時創るのかしら、触媒は?、魔法陣の形は?、そもそもーー」


「落ち着け落ち着け、まだ決まった訳じゃないんだから


そう言うのはもうちょっと調べてからだぜ」




せっつくレイチェルを落ち着かせて魔法辞典を読み耽る、やはり魔法は面白い、魔法の研究は底が知れなくてワクワクする


魔法の研究と言えば


火の魔法文字を作って円で囲む、魔法薬を口に咥えて火を点ける


如何して『円』で囲う必要があるのか未だに調べて無かったな


掌の上に先程と同じく火の魔法文字を創る、しかし今度は『円』で囲まない、火の魔法文字に魔力を込めるが、一向に魔法は発動しない


魔力を込めるのを止めると、火の魔法文字、いや俺の出していた魔力は『霧散』してしまった


これは如何言う事なんだろうか、如何して魔力が『霧散』したんだ、普通との違いは円のみ、円が無いと魔法は発動せずに『霧散』する


円は魔力を霧散させない為の物、馬鹿なならなぜ円は霧散し無いんだ?


今度は円だけで試して見る、今度は少し時間が掛かったが霧散した、時間の問題?


今度は二つ同時、何時もの魔法陣で放置して試す、今度は円が消えた後に火の魔法文字が消えた


コレはつまり火の魔法文字が『霧散』するまでの時間稼ぎかな、だったらーー


思考の海に溺れようとした所、レイチェルがちょっかいを出して来た




「別に考えるのは自由だけれど、せめて私が眠った後にでもして頂戴、貴方が黙ると私が退屈だわ」


「極めて了解」




残念だが続きは夜にするとしよう、カインズの街から出て結構な日にちがたった、長かったが、そろそろ次の街だ


次の街まであと三日



全く話が進まない

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