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NO.4 七川冷著 雛祭り 『「視点を変えたひな祭り』
*明かりを付けましょ、ぼんぼりに♪~
お花をあげましょ、桃の花♪~
五人囃子の笛太鼓♪~
今日は楽しいひな祭り♪~
・・・そうか、もう我の・・いや、我々の出番か。
紙に包まれて箱に閉じこめられていたから1年が100年近くに感じられる
・・・ま、眩しい。
その間にも、手慣れた手つきで我々を置いていく。
ようやく、目が光になれてきたのでそっと開くと
さゆりとその娘のすももが可愛らしいものをみるかのように見ていた。
毎年の事ながら、何故そのような目で見てくるのだ?我には分からぬが。
すると、
*「あなた、いいかげんそのように仏頂面はお止め下さい」
隣のひながそう言ってきた。けど、我々は女性の身代わりに厄を受けるのが仕事の筈だか・・・
す「やっぱ、ひな人形ってかわいいよね~ずっと飾っていたいと思わない、母さん?」
さ「あんたね~。そんな事を12年も言い続けているから適齢期から12年も遅れているのを自覚してる?」
す「夢がない母さんだね~、簡単に末永く結ばれていたら出生率上がっているよ~」
さ「はぁ~」(溜め息)
と、このようにすももの愚痴とさゆりの皮肉を聞くのが仕事になっていないか、ひなよ・・・
あ、澄まし顔で無視するか・・まぁ、良い。
さゆりよ、今年も貴様とすももの厄を祓ってやるから我やひなに濡れ衣を着せないでくれないか?
<完>




