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積み重ねの果てに  作者: 星狼
酒席の決戦

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18/22

担当者の執着

ロードは勢いに乗って、カヴァーデルに詰め寄った。

顔は笑っているが、目は本気だ。

グラスをテーブルに叩きつけるように置いて、声を張り上げる。


「俺、六年もかけて、サイレンの事、育てたんですよ!?アイツがDランクの時から、コイツは絶対に本物になるって感じて、依頼の選び方からパーティ編成、報告書の書き方まで全部叩き込んで、ここまでやってきたんですよ!?」


カヴァーデルは後ずさりしながら、慌てて手を振った。

顔は真っ赤で、汗が額に浮かんでいる。


「お、おう……お前、六年もやってるのか……?頑張ったなぁ……?」


ロードは止まらない。

声がどんどん大きくなっていく。

テーブルを叩いて、酒瓶が揺れる。


「サイレン、Sランクは目の前じゃないですか!?俺、ここまでやってきたんですよ!?サイレンがSランクになる瞬間を、俺が見届けられないなんてありえませんよ!?そんな事、俺が許すとでも思ってるんですか!?」


サイクスはさらに煽る。

グラスを掲げて、笑い声を上げた。


「いいぞいいぞ、ロード!言ってやれ言ってやれ!今日は無礼講だ!日頃、溜め込んでるもん全部ぶちまけろ!」


エセスはグラスを握ったまま、冷や冷やしながら見守っていた。

マーレイは無言で酒を飲み、ダンバーは静かに様子を窺っている。

エイリーは目を丸くして、エセスの袖を軽く引っ張った。


「エセスさん……これ、大丈夫ですか……?」


エセスは小さく首を振った。


「無礼講だから……多分、大丈夫……」


ロードはさらに畳みかける。


「そもそもですよ!?俺、エヴァンスの事忘れてませんからね!?貴方、エヴァンスもSランク直前で自分の担当に変更したでしょ!?また、同じ事繰り返すんですか!?俺、サイレンだけは絶対に渡す気ないですよ!?」


カヴァーデルは完全に焦った顔で、両手を挙げた。


「わかった、わかった……!サイレンはいい……!後、エヴァンスの事はすまんかった……!サイレンの担当は引き続き、お前だ……!」


ロードは満足げに息を吐き、席に戻った。

グラスを一気に飲み干して、肩を落とす。


「ふぅ……やっと言えました……」


マーレイが無言で拍手をする。

サイクスもそれに続いて拍手をしながら、声を上げた。


「今日は無礼講だ!いけ!他に言いたい事あるヤツは言っちまえ!」


ダンバーがゆっくり立ち上がった。


「じゃあ、自分、行きます」

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