無礼講の本音
ーー数時間後。
応接室はすっかり酔いの回った空気に包まれていた。
テーブルには空の皿と酒瓶が転がり、皆の頰は赤らんでいる。
話題は自然と、王族護衛の成功とこれからの仕事に移っていた。
「レッド国からの依頼が増えるってことは、うちのギルドもさらに忙しくなるな」
ロードがグラスを傾けながら言うと、
マーレイが頷く。
「でも、あの任務でみんなの評価が上がったから、
今後はもっと良い依頼が回ってくるはずだよ」
皆が笑いながら頷く中、カヴァーデルが突然立ち上がった。
顔は真っ赤で、目は少し据わっている。
「しかし、お前らの推薦したヤツら……サイレン、ミリア、リスティ、ガスト、リナ、ハルキ……アイツら本当によかったなぁ!?よし、纏めて俺が担当してやるよ!アイツら俺の所に寄越せ!」
一瞬、空気が凍った。
全員が殺気立った目でカヴァーデルを睨む。
酔ったカヴァーデルはその事に全く気づいていない。
サイクスは苦笑いを浮かべて、グラスを回している。
ロードが冷たいトーンで、ゆっくり立ち上がった。
「……カヴァーデルさん、それ本気ですか?」
カヴァーデルは笑顔のまま、胸を叩いた。
「おぉ、本気だよ、本気本気。全員、俺が面倒見てやる!」
ロードは笑顔のまま、ゆっくりとカヴァーデルに詰め寄った。
「カヴァーデルさん……いくらなんでも、それはないでしょう……?俺とサイレン、何年の付き合いと思ってます……?」
エセスは少し冷や冷やしながら、二人のやり取りを見守った。
ロードの笑顔が、明らかに引きつっている。
カヴァーデルは少し後ずさりしながら、指を折った。
「……三年ぐらい?」
ロードの声が一気に上がった。
「六年ですよ!?」
サイクスがグラスを置いて、笑いながら煽った。
「いけ!いけ!ロード!今日は無礼講だ!言ってやれ!」




