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積み重ねの果てに  作者: 星狼
酒席の決戦

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16/22

束の間の休息

ーーその日の夜


ギルドの奥まった応接室は、普段の静けさとは打って変わって賑やかだった。

長テーブルには、大量のロースト肉、焼き魚、野菜の盛り合わせ、パン、果物、そして酒瓶がずらりと並んでいる。

王族護衛任務の大成功を祝う、ささやかな飲み会だ。


集まったのは、カヴァーデル、サイクス、ロード、マーレイ、ダンバー、エセス、エイリーの八人。

皆、日々の疲れを顔に残しながらも、どこか晴れやかな表情を浮かべていた。


カヴァーデルが立ち上がり、グラスを手に取った。


「王族護衛の任務は大成功だ。レッド国と、いい関係性が築けた。これから先、レッド国からの依頼も入る事になるだろう」


一同が静かに拍手した。

カヴァーデルはグラスを軽く掲げて、続ける。


「再び、忙しい日々になるだろうが……今日ぐらいは束の間の休息をとってくれ。全てはお前達の日々の働きのおかげだ。改めて感謝する」


彼は深く頭を下げた。

部屋に温かい拍手が広がる。


カヴァーデルは笑みを浮かべて、声を張った。


「まぁ、固い話はここまでだ。さぁ、食え。そして飲め。今日ぐらいはハメを外していい」


サイクスがグラスを傾けながら、笑みを浮かべて付け加えた。


「明日の仕事に影響出ねぇようにしておけよ」


一同がくすくすと笑い、テーブルに手が伸び始めた。

ロースト肉を切り分け、パンをちぎり、酒を注ぐ。

応接室に、箸やフォークの音と小さな話し声が広がる。


エセスも自分の皿に少しずつ料理を盛りながら、静かに微笑んだ。

皆の笑い声が心地いい。

しかし、心のどこかで、別のことを考えていた。


(リスティさんと、ハルキ君にも、私が何か御馳走してあげなきゃ……)


彼女はフォークを止めて、ふと視線を落とした。

あの二人は、今日も淡々と依頼をこなしているだけだ。

王族護衛の成功は、もちろん皆の力だけど……

あの二人の地味な支えがなければ、雰囲気はここまで良くならなかったかもしれない。


エセスは小さく息を吐き、グラスに手を伸ばした。

今日はまだ、固い話は終わりじゃない。

でも、今は……少しだけ、皆と一緒に笑っていたいと思った。

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