後ろ盾の約束
イアンの目が少し細くなった。
彼はゆっくりと息を吐いて、突然大笑いした。
「あぁ、リスティ!アイツね!?アイツ、なんでBランクなの?」
エセスは思わず笑顔になった。
「あっ、やっぱりイアンさんもそう思います!?」
イアンはカウンターを軽く叩きながら、興奮気味に続ける。
「アイツ、凄ぇな?レッド国相手なのに、スッと懐に忍び込みやがるな?アイツとミリアが全体の雰囲気作ってくれたから、まぁやりやすかったよ」
エセスは深く頭を下げた。
「ありがとうございます」
イアンは満足げに頷き、すぐに本題を切り出した。
「アイツ、俺につけてよ?アイツ、俺と一緒にやれば、すぐSランクいけるんじゃないか?」
エセスは苦笑いを浮かべて、静かに答えた。
「あ〜、凄くありがたいお言葉なんですが……リスティさん、暫く先まで仕事埋まっちゃってるんですよ」
イアンは肩をすくめて、笑った。
「まぁ、そうだよな?アイツぐらいの能力なら、仕事埋まってるか?」
エセスは視線を落とさず、丁寧に言葉を続けた。
「はい。リスティさんは私のエースですから。上手くタイミングが合えば、イアンさんの任務の方にも回しますので……リスティさんの昇進の後押し、お願いします」
イアンは少し間を置いて、ゆっくり頷いた。
「うんうん。現場でも昇進試験の話出てたからね。俺も、あの依頼の参加メンバーは昇進試験の後押ししておくから……まぁ、彼が動けるタイミングになったら俺の所回してよ。やっぱり、俺も知ってるメンバーとやりたいし」
エセスは静かに頭を下げた。
「はい、よろしくお願いします」
その時、奥の部屋から足音が近づいてきた。
カヴァーデルが現れる。
「あっ、カヴァーデル来たみたいだな。それじゃあ、よろしくね」
イアンはエセスとエイリーに軽く手を上げて、カヴァーデルの元へ歩いていった。
エセスはカウンターに残り、静かに息を吐いた。
リスティとハルキに、大きな後ろ盾ができた。
イアンというSランクの後押し。
これで、二人の未来はまた少し広がった。
彼女は書類を軽く整え、微笑んだ。




