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積み重ねの果てに  作者: 星狼
静かなる宣戦布告

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10/22

若手の輝き

エセスは慌てて書類の束を捲っていた。

指先が震え、ページが一枚ずつ飛ぶ。

ハルキの書類を探している間に、ギルド員エイリーが素早く立ち上がった。


「若手候補として、私からも一人提案させてください」


エイリーは自分の書類から一枚を取り出し、テーブルに置いた。

名前はリナ。

Cランクの支援魔法使い。

書類には「細かい報告書作成」「支援魔法の正確性」「パーティ補助の実績」がびっしりと記されている。


カヴァーデルが書類を引き寄せ、ページをめくり始めた。


エイリーは落ち着いた声で説明を続けた。


「リナは支援魔法が得意ですが、それ以上に細かい報告書の作成が抜群です。依頼後の詳細報告を完璧にまとめ、ギルドの記録を正確に残してくれています。他の冒険者が『めんどくさい』と投げ出す中、毎回『これでみんなが助かるなら』と書いてくれていて……王族護衛でも、事後の記録や細部への気づきが重要だと思います」


カヴァーデルが書類に目を留めている間に、サイクスがエイリーに声をかけた。


「リナって、あの赤髪のロングストレートの子だよな?」


エイリーが頷く。


「あの子、愛嬌あって良い子だよな?俺も、リナはいいと思うぜ?」


サイクスは軽く笑って、周りに視線を投げた。

ロードとマーレイもすぐに頷く。


「リナちゃんは、いいですね」


「確かに。明るくて、チームの雰囲気も良くなる子ですよ」


カヴァーデルは書類を確認しながら、ゆっくり頷いた。


「あぁ、そんなに評判いいんだ。俺は会った事ないけど……まぁ、でも、皆がそれだけ言うなら、その子にしようか?」


彼は書類をテーブルに置き、軽く手を挙げた。


「じゃあ、リナ採用だ。Cランクの若手として、王族に『ギルドの若手も優秀だ』ってアピールになるな」


部屋に小さな拍手が起こった。

エセスはまだ書類を捲り続けていたが、ようやくハルキのページに指が止まった。

彼女は息を吸い、立ち上がった。


カヴァーデルが部屋を見回し、静かに言った。


「じゃあ、ラスト一人どうする?」


エセスはハルキの書類を強く握り、声を上げた。

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